恐るべき「国家安全保障戦略」

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自衛隊幹部学校に、指揮幕僚課程というのがあります。30代の優秀な若手幹部を集め、将来の自衛隊をしょって立つ高級幹部に育成するための課程です。その幹部学校で、自衛隊エリートたちが国家安全保障戦略を練り上げました。

下の写真です。

「支那封じ込め戦略」……!
「大日本」と「米」が手を組み、
「白熊ロシア」や「友邦インド」と一緒になって
「暴戻支那(ぼうれいしな)」を封じ込めようと言う図です。

「暴戻支那」って……。
これは戦前の反中国キャンペーンで頻繁に使われた言葉ですが、写真のレポートは1930年代の話ではありません。現代の話です。自衛隊幹部学校で作られたレポートの一部です。

他のレポートには「専守防衛」→「積極攻勢」というプランが描かれています。

国土防衛から「国益防衛」へ。
「海空軍の増強」、「陸軍の戦略機動化」。
完全に憲法改悪を前提にしたプランです。
アセアン、インド、イラン、モンゴルと組んで中国を封じ込めるという、大東亜共栄圏並みの誇大妄想プランもあります。

いやはや。
これは一体何だと思いますか?

2004年、幹部学校主催で「総合安全保障セミナー」というのが開催されました。幹部学校指揮幕僚課程の生徒に民間の若手実業家も加わって、日本の取るべき国家戦略をプランニングしようという企画でした。そこで作成された戦略がこれなのです。

なんという恐ろしいことを考えているのでしょうか。なんという馬鹿馬鹿しいことを考えているのでしょうか。しかし、思い起こせば安倍総理がこういう戦略を提唱していましたね。インドを訪問した時に日印米豪による中国封じ込めをぶち揚げ、インドから迷惑がられるわ、ライス長官から不快感を示されるわ、さんざんな評価でした。

でもこんなことを考えている奴が総理になれるのが日本です。だったら自衛隊がその路線を選択しても不思議ではありません。

戦前のような軍靴の足音が近づいているのを感じます。ただし、いまのところ、こんなことを考えている幹部は自衛隊にも少ないようです。中国封じ込め戦略を提出したのは第5班と第9班の2つだけだったそうですから。

けれど政権政党がアナクロ軍国主義者で占められてしまえば、冷静かつ合理的思考のできる幹部が冷や飯を食わされて、野蛮で思慮の浅い二流の人物が自衛隊を牛耳ることになりかねません。こういう事に興味のない有権者が大半なのでしょうけど、そんなことを言っていたら本当にこの国はどこへ持って行かれるか。

誰もが真剣に考えないといけない時代だと思います。