憲法と自衛隊(12)憲法も自衛隊も、もてあそぶものではない
古事記や日本書紀には、日本の成り立ちについて、こう書いてある。 神さまが矛(ほこ)、つまりヤリの先っちょみたいな武器を海にさしこんで、ぐるぐるとかきまわしたら、潮が固まって、島ができた、と。日本の国は、武器から生まれた、というわけだ。 むか...
2017年5月3日憲法記念日に永眠された泥憲和さん。300万字を超える「行動する思想」のアーカイブです。
古事記や日本書紀には、日本の成り立ちについて、こう書いてある。 神さまが矛(ほこ)、つまりヤリの先っちょみたいな武器を海にさしこんで、ぐるぐるとかきまわしたら、潮が固まって、島ができた、と。日本の国は、武器から生まれた、というわけだ。 むか...
■大国は無理矢理な理屈で戦争をはじめる 「わしに無断で飛行場を作りやがった」という理由でグレナダに軍事侵攻したのはアメリカだ。 新しい政権が気にいらないと言ってソ連はアフガンを侵略し、アメリカはチリ政権をつぶした。 生意気だからこらしめるという理由で...
■故障していない車を交換する必要はない 憲法第9条が押し付けだというなら、農地改革も押し付けにちがいない。女性参政権もだ。いや、旧憲法では女性に財産権がなく、教育をうける権利さえ不十分だった。押し付けがいけないというのなら、こういう権利も押し付けられたの...
押し付け論さらにつづき ■誰が何を押し付けられたのか 形式的には自主憲法、しかし実質は押しつけ、それはたしかだと思う。だがそうなったのはなぜなのか。日本が周辺諸国にさまざまな無理難題を押し付けた、その結果ではないか。 中国に領土分割を...
押し付け論のつづき ■改憲派には「押し付け」を批判する資格などない 憲法が押し付けられたと言う論者は、他方で奇妙に矛盾したことをいう。 日本は韓国を植民地にしたが、これは押し付けではないと言うのだ。韓国の同意を得て、条約をむすんで、合...
さて「押し付け論」の話である。 「憲法はアメリカから押し付けられたものだ。」 「日本が自分自身でイチから憲法を作るべきだ。」 この意見、改憲派の間では、なかなか人気があるらしい。 しかしこういうことを居酒屋でオヤジがつぶやいているのは勝手だが、...
憲法第9条 1. 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。 2. 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持し...
憲法第9条第2項 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。 交戦権とは、平たくいえば、「戦う権利」である。「戦時国際法により交戦国に認められる諸権利のこと」という定義もある。 憲法はこれを認...
自衛隊が合憲である根拠の続きを書く。 今日の論点は憲法9条第2項。 「前項の目的を達するため陸海空軍その他の戦力を保持しない。国の交戦権はこれを認めない。」 第1項が自衛権を否定していないとしても、第2項で武装を完全否定しているという解釈が有...
国際紛争とは国家間の対立があらわになった状態のことである。それが外交で解決できればいいが、一方あるいは双方が、自国の意思を相手に強制し、もしくは強制されまいとして武力を行使すれば、武力紛争となる。武力による解決というのは、相手を武力で屈服させて、その意...