護衛艦「くらま」の事故(1) 民族差別の罵倒が原因究明を妨げる

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海保「左通して」にコース助言
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現在までに分かった状況

■韓国船「カリナ・スター」が左に舵を切り、自衛艦が直進したのが衝突原因

○韓国船に非がある

■自衛艦が衝突回避行動をとらなかった理由

右に舵を切るのが基本だが緊急の際は左に切っても良い。
なぜどちらの行動もとらなかったのか。

右舵を切らなかった理由
・右は陸地に近いので危険。
・韓国船が左に舵を切っているので右舵では衝突回避できない。

左舵を切らなかった理由
・左には韓国船が追い抜こうとした貨物船(図の「別の船」)がいた。
・関門橋の橋桁が行く手をふさいでいた。

○直進で正解

■韓国船が左舵を切った理由

海上保安庁が左に切るよう助言していた。助言に従う義務はないが、助言されれば従ってしまうだろう(状況を正確に俯瞰できる立場からの助言だから)。

海保が左舵を助言したのは、追い越される貨物船(図中の「別の船」)がそうしてほしいと依頼したから。貨物船がなぜ左を追い越すように依頼したのかは、不明。

■ポイントは3つです。

①韓国船の追い越しは危険ではなかったか。
追い越しは原則として禁止ですが、追い越しルールも定められているので、それに従えば許される。韓国船長は慣例通りに右に舵を切っていれば安全だったと主張するかも知れません。

②なぜ海上保安庁は左舵を助言したのか。
貨物船からの依頼があったにせよ、別の助言はなかったのか。近づく護衛艦の位置を知っており、注意して追い越すように助言しているが、それならなぜ右舵を助言しなかったのか。護衛艦をやり過ごしてから追い越すように助言しなかったのか。公表されている以外にも、左舵を助言する何らかの根拠があったのかもしれない。

③韓国船が助言に従った妥当性はどうか。
助言に従うことよりも危険回避義務のほうが重いのではないか。

■感想

おおかたの事故と同じで、複数の誤解や不幸な思いこみが重なって事故に至ったのだと思います。単純な結論はまだ出せませんね。

韓国船の船長は責任回避ばかりしないで「航路をはみ出したかも知れない」と正直に述べています。海上保安庁も「助言が事故につながったかも知れない」と潔く認めています。海の男らしく、当事者は率直で嘘がなく、事故原因の探求に協力的です。

彼らの真摯な姿勢に較べて、民族差別丸出しでコメントを書いている連中が馬鹿に見えます。韓国人を見下げたって事故の原因が究明できるわけじゃなし。

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