まわるまわるよ時代はまわる

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「テロとの戦い=低強度紛争」の歴史を調べるために、久しぶりに米空軍の英文資料を読んだりしたので、頭が疲れました。

アメリカって大した国です。ベトナムで負けた教訓をもとに、なんで負けたのかを克明に分析して、軍事的パラダイムを短期間で転換してしまうんですよ。

「ベトナムじゃほとんどの戦闘に勝ったのに、結果はあれだもんな」
「それもサンダルばきの農民兵を相手にして、あれだぜ、まいったよな」
「そういえばアメリカ独立戦争だって、われわれ大陸軍(たいりく・ぐん)の主力は農民兵だったよ。んで、英国軍を負かしたじゃないか」
「いや、負かそうとしたんじゃないんだよ、軍事的には完全に劣勢だったから、ともかく消耗させて大陸から手を引かそうとしたんだ」
「おお、それってもしや、我々がベトナムでやられたことじゃないのか?」
「まさしくそれだ。つまり、必ずしも勝たなくても軍事的・政治的目標は達成できるんだ」
「いやはや、こんな単純なことに今頃気づくとはね。さっそく、ゲリラ戦を研究して取り入れよう!」

てな感じで(こんなふうなことが本当に書いてあります)、数年でその戦略を大統領に認めさせてしまう。負けた戦争のことをいつまでも「あそこでこうしておけば勝てたのに」とか、最悪の作戦だった特攻をいまだに褒め称えるというどこかの国とはえらい違いです。

文書には書いてないんですが、フレンチ・インディアン戦争も教訓にしたでしょう。白人同士の戦いにネイティブを動員し、武器を与えて戦わせた。英国軍は彼らのゲリラ戦で散々な目に遭っています。

写真:森の中で英国軍(赤い軍服)を迎え撃つネイティブ民兵

ネイティブの結束を壊して分割統治するため、仲の悪い両派がいたら片方だけに軍事援助したこともありました。そうやって軍事訓練したネイティブが、手にした武器を取って戦いに立ち上がったため、アメリカはあの長い長いインディアン戦争を戦う羽目になったんですよね。

なんだ、これっていまアフガンゲリラにやられてることじゃん。ソ連と戦わせるために武器を与えて訓練したゲリラに、あとで米軍が振り回されているというね。200年も前の失敗をまた繰り返しているわけだ。やっぱりアメリカって、あんまり賢くねえや。

だったら、日本をそのネイティブの立場に置こうとしている、しかも自ら望んでそうしようとしている安倍さんて人は……