子どもに20ミリシーベルト年は無茶だろ!「国際放射線防護委員会」レポートを読む

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20mSv/年の基準を決める際に安全委員会が依拠したという、
「国際放射線防護委員会」レポート111号
「原子力事故または放射線緊急事態後の長期汚染地域に居住する人々の防護に対する委員会韓国の適用」
*http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,15092,76,1,html
http://www.icrp.org/docs/P111_Japanese.pdf
を読んだところ、政府の言い分と全然ちがうのに驚きました。

避難計画の策定には利害関係人を参加させろとか、情報を正しく公開せよとか、妊婦と子どもには特別の配慮をせよとか、20mSvは最上限であって出来る限り低い値を採用しろとか、実にまともなことが書いてあります。

そもそもこの基準がつくられた理由ですが、まず前提として、政府は危険地帯から国民を避難させる義務があるといいます。しかしもう一方で、被災者は危険だと言われても居住地を離れたくないという現実があります。どこまで政府が住民に強権を発揮できるのか、どこまでなら自己責任で防護させることにするのか。難しいバランスの問題があります。放射線のデメリットはすぐに現れず、確率的にしか評価できないので、よけいに判断が難しくなります。

そこで、政府が住民に対して自己防護をていねいに指導することを条件に、最大限、ここまでならば住むことを許そうじゃないかというのが、20シーベルト/年なのです。その値までなら安全だとか、これ以下なら何の対策もしなくていいとか、そういうふうに使うべき基準ではありません。

「国際放射線防護委員会」レポート111号には、そのように明記されています。政府の説明の仕方はまったく大間違いであることが、読めば分かります。今回の決定がいかに拙速でデタラメで子どものことを考えずに下されたものか、よくわかりました。

私はいつもは過剰な危機感をたしなめるようなことばかり書いていますが、それは東京などで大騒ぎしている人々への批判です。今回の決定は、子どもをいわれのない危険にさらすもので、馬鹿で非人間的な役人の大間違いです。こればっかりは絶対に撤回させるしかないと思います。