原子炉は地震で壊れていたか? ネイチャー記事の衝撃

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1789636628&owner_id=12631570

原子炉は、津波の前に地震ですでに壊れていたかも知れないというネイチャー記事です。

最新の分析はさらに、津波がその地域を圧倒する前、地震直後にキセノン-133が福島第一から放出された証拠を示している。これは壊滅的な洪水がなくとも、プラントを損壊させるには地震だけで充分だったことを示唆している。

The latest analysis also presents evidence that xenon-133 began to vent from Fukushima Daiichi immediately after the quake, and before the tsunami swamped the area.  This implies that even without the devastating flood, the earthquake alone was sufficient to cause damage at the plant.

http://www.nature.com/news/2011/111025/full/478435a.html

地震で送電鉄塔が倒壊して外部電源が失われたことを、政府はすでに公認しています。しかし原子炉本体は地震に耐えたというのが公式見解だと思っていたので、この記事は衝撃です。

ネイチャーのいう「最新の分析」が何を指すのか不明で、記事中に示されている
原子力安全に関するIAEA閣僚会議に対する日本国政府の報告書—ー東京電力福島原子力発電所の事故について」
http://www.kantei.go.jp/jp/topics/2011/iaea_houkokusho.html

にはそういった記載がありません。しかしネイチャーが根拠もなくこのような記事を書くとは考えられないので、何か資料があるのでしょう。

日本政府の報告書には直接の記述がありませんが、以下の記述が、もしかするとネイチャーの指摘の正しさを示唆しているのかもしれません(そうではなく単に慎重な記述をしただけかも知れません)。

「原子炉施設の安全上重要な設備や機器については、現在までのところ地震による大きな損壊は確認されていないが、詳細な状況についてはまだ不明であり更なる調査が必要である。」

http://www.kantei.go.jp/jp/topics/2011/pdf/00-2-gaiyo.pdf

ネイチャーの記事が正確ならば、その「最新の分析」は、原発再稼働論議に大きな影響を与えることになると思います。

原発の即時停止に私は懐疑的(段階的停止がベター)でしたが、地震で壊れてしまうような原子炉ならば、判断は変わってきます。