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地元の共産党の役員と尖閣問題について語り合った。
尖閣は日本のものだと彼はいう。
そこには異存がない。
納得できなかったのは、中国と日本の関係性についての認識不足の点だ。
彼は言う。
日本政府は自分の言い分を主張しないで、軍事対抗策ばかりを語っているが、国際紛争は対話を通じて解決していくべきで、だから日本政府はもっと中国に対して日本の立場を語るべきだと。
まあ、もっともな意見ではある。
しかし、対話や交渉は、その先に合意が予想されなければ無意味だ。共産党は、対話の結果として、ほんの少しでも相手の言い分を取り入れる余地があるんだろうか。
中国政府は、尖閣問題に国家の核心的利害がかかっていると言明している。だから妥協の余地はないと言う。日本の言い分など、針の先ほども受け入れるつもりがないそうだ。
共産党地区幹部の言うところでは、共産党は日本の言い分が絶対に正しいと考えており、中国の言い分を受け入れる余地はないそうだ。
だったらお互いに対話にならないではないか。双方とも自分の立場を一方的に押し付けるだけで、どうやって合意できるというのか。かえって対立を先鋭化するだけではないか。
問題は、まだある。
地区幹部は、尖閣が日本の領土だという共産党の言い分については、実によく勉強していた。しかし中国の言い分については、共産党がまとめた以外のことは、まるで知らなかった。
1895年に日本政府が沖縄県に対して、尖閣に日本領土の標柱を立てるように指示したことは知っていたが、それが実行されたのは1969年であることを知らなかった。
尖閣は日本領土だとはじめて国際社会に宣明したのは、米軍支配下の琉球政府であり、ときは1970年だということも知らなかった。
日本だって、石油が見つかってから動き出したことに変わりはないのだ。
客観的事実をおろそかにして、自分の言いたいことだけいうってのは、どういうもんだろう。
そんなことでは、中国で暴れている民衆と変わらないではないか。
領土問題は、血を流さなければ収まらないと私は考える。いや、血を流しても収まらない場合の方が多い。だから戦争は愚の骨頂だ。解決法にもならないのに、殺しあってどうするのか。血を流したくなければ、不満があっても現状維持でいくしかない。
現状は日本が有効支配しているから、中国がいくら悔しがってもせんない話だ。日本としては、それでいいではないか。石原慎太郎のバカが余計な挑発をするからおかしなことになったのだが、もう覆水盆に返らずだ。日本の領有の正当性をどれだけ中国に語っても聞く耳もたないんだから、中国がどれほど怒っても、日本は静かにそっぽむいていればいい。それしかできない。そしてそれが最善なのだ。
しかし国際社会に対しては、どんどん情報発信しなければならないだろう。尖閣は日本のものであり、日本が有効支配しているという事実を世界が知れば、秩序を乱しているのは中国であるということになり、そういう認識が広まれば、中国は動きにくくなる。次の手が打てなくなる。
外交なんだから馬鹿正直に一対一で向き合うことにこだわる必要はない。搦め手から相手の手を縛るのもありだろう。そういう知恵を、共産党に求めたい。
<報道>
尖閣で激突「最悪の状態」=29日に国交正常化40周年―日中
時事通信社 9月28日19:05
*http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=2170557&media_id=4