テポドンがミサイルではない理由

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■テポドンはミサイルとして使えない

日本の報道機関はすべてテポドン=ミサイルと断定していますが、お笑いぐさです。テポドンはミサイルとして使えません。なぜならテポドンは液体燃料ロケットだからです。

どうして液体燃料ロケットがミサイルとして使えないかといえば、燃料注入に何日もかかるからです。それでは奇襲攻撃ができませんし、燃料が満タンにならないうちに反撃されて終わりです。液体燃料ロケットをミサイルとして使えたのは、いまほど偵察手段が発達していなかった昔の話です。

■先端部の形で判断するのは間違い

テポドンがミサイルではない理由として、頭部が尖っていないというのを挙げる専門家がいますが、間違いです。ミサイルじゃないという結論は正しいけれど、その根拠説明が間違っていては説得力がなくなります。

せっかく正しい結論を述べているのに理由を間違えているためにネトウヨから突っ込まれ、結論まで間違いであるかのように否定される事態を防ぎたいので、正しい知識を示しておこうと思います。

下の写真を見てください。これらはすべてミサイルですが、先端の尖っているのもあれば丸いものもありますね。

尖っていればミサイルだという説明の間違いが明らかです。
次の写真を見てください。
これは日本が初めて人工衛星を打ち上げたときのロケットですが、先端が尖っています。

先端が尖っていればミサイルという説明が間違っていることが分かりますね。
人工衛星を打ち上げるロケットも核弾頭を載せたロケットも同じものです。そしてロケットの荷物(ペイロードといいます)が弾頭なのか人工衛星なのかは、その形状で区別できないのです。

■先端部が丸い本当の理由

先端が尖っているのと丸いのとがある理由は、ペイロードの性質と無関係です。
少しややこしい話になるので、こういうのが苦手な人はすっ飛ばしてくださって結構です。
ミサイルの場合、先端が尖っていれば空気抵抗が少ないので落下速度が速くなります。すると迎撃されにくくなります。
ならばミサイルの弾頭を尖らせればよいようなものですが、ことはそう簡単ではないのです。
先端が尖っていると大気圏に突入したときに衝撃波が弾頭に密着するので、弾頭が壊れやすくなってしまいます。
先端が丸いと衝撃波が弾頭から離れたところで発生するので、弾頭はより安全になります。
そこで初期の弾道ミサイルは先端が丸くなっていました。

■先端が尖っている本当の理由

ちかごろは材料の改善など製造技術の進歩により、コーンと呼ばれる先端部が衝撃波に強くなりました。そうなると先端が尖っていた方が落下速度が稼げて攻撃に有利です。そこで先端の尖ったミサイルが作られるようになりました。

人工衛星を載せていても先端が尖っているものがあるのは、ロケットの推力に不安があるからではないでしょうか。人工衛星にするためには第一宇宙速度(秒速8km)が必要です。そのスピードにするため、上昇時の空気抵抗を減らそうとしているのでしょう。

テポドンが先端部を尖らせていない理由は設計者にしか分かりません。そして朝鮮政府は弾頭部の大気圏再突入実験を一度もしていないのですから、ミサイルとして使えるかどうか誰にも分からない。空気抵抗にはじかれてあらぬ方向にすっ飛んでいかないように再突入させる技術力があるのかないのか。再突入させた弾頭が大気の摩擦熱に耐えて使い物になるのか。誰にも分かりません。言えることは、弾頭部の形状でペイロードを推し量るのは不合理だと言うことだけです。

それにしても。
人が知らないのをいいことにまるっきりデタラメを語っても飯が食えるんだから、「軍事専門家」っておいしい商売なんですねえ。