ガレキ受入に反対しなくても脱原発運動はできる

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姫路市近郊に位置する漁師町の御津町は、かつて関電の原発候補地の一つでした。漁師を組織してこの計画を撤回させた地元のご住職さんは、いまも地域の環境運動リーダーの1人です。

ご住職はこの夏、村内に呼びかけて福島県の子どもたちの夏休み疎開を実施しました。

子どもたちが帰って静かになったご住職と昨夜一杯やったのですが、なんと彼もガレキの広域処理に賛成なのだそうです。岩手や宮城のガレキなんだから、なんてことはないだろうというのです。大阪の反対運動の理屈は無茶だと。しかし問答無用でそれを切り捨てた橋下のやり方はむかつくと。自分と同じ考えなので驚くと同時に嬉しくもありました。

その方のお話によると、福島の子どもなんか受け入れたら放射能で汚れるぞとあおるひとが漁協にいて、近所の奥さん3人がお寺に文句言いに来たそうです。デタラメばかりぬかしくさる……とぷんぷんしておられました。それでも檀家で手分けして、希望者全員を受け入れることができたそうですから、分からず屋もいるけど、それ以上に優しい人が多いってことだと思います。

関電姫路支店前の抗議運動の中でも、私はガレキの広域処理に賛成だと言っています。妨害に来ている右翼に対し、この場にいる市民は人それぞれの考えで集まっているのだということを説明するのに、自分はガレキ受入賛成だが、隣にいるこの女性は大反対しているのだと語ると、右翼のおっちゃんが目を白黒させていました。

人はそれぞれ十人十色。意見の合うことも合わないこともあるけれど、原発に頼る未来に希望はないという一点だけで関電前に集まっています。受入反対の人にも、いずれきちんと話を分かってもらいたいというのが、いまの私の願いです。

日本軍の遺棄した毒ガスで被害を受けた方への補償裁判を担っている弁護士菅本麻衣子さんの話では、遺棄毒ガス弾で被害を受けた少年は健康被害の他に、いじめや差別にあい、将来への不安を抱えているそうです。被害者を汚れた者のように扱うのは、日本だけの事じゃないんですね。

日本政府に医療支援と生活保障を求める毒ガス裁判は、一審で敗訴しました。非常に危険なものを捨てたのは間違いないのに、その責任すら取ろうとしない日本政府です。原発事故補償も難航することが予想されます。

生活環境を汚され、中には生活基盤をまるごと失った人もいるのに、補償はおざなり、そのうえ世間から差別されては踏んだり蹴ったりです。

食べ物と同じ程度の汚染しかないものを拒否するなどという理不尽な反原発運動ではなく、被災者と共に不当な差別とたたかえる反原発運動でありたいと思っています。