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労働者派遣の規制強化に反対する署名をするように、経営側が派遣労働者に求めていました。信じがたいあつかましさだなあ。さすがに厚生労働省がバカなことするんじゃないと指導に入りました。
これって「私たちの待遇を改善しないで下さい」と要求しろってことですよね。江戸時代の百姓だって「年貢を軽くしないで下さい」なんて要求はしていない。派遣業界は自社の社員を、士農工商時代の百姓よりもなお、奴隷的隷属関係にあるとみなしているんだろうか。
厚生労働省の指導に対する、業界団体の反論が面白い。
派遣協会「メールアドレス取得は適法にされている」
でもね、いま問題にされているのは、取得の方法ではなくて、その使用の仕方なんだよなあ。全然反論になっていないじゃん。
生産技能労務協会「法の目的に沿った以外の使用はない。強制もない」
それじゃあ、派遣法改正に反対するのも派遣法の目的だというのですかね。自分たちを管轄する方の目的すらろくに知らないで派遣業界を取り仕切っているのかね。
こんな馬鹿どもに、いいように安くこき使われている若者が、可哀想です。
ところでこの署名要請、少し前にたしか国士さま系のネットに流れていたなあ。民主党が政権を取ったら派遣仕事が減る！とか言ってた。やはり震源地は自民党周辺なんだな。
「待遇を改善してもらったら仕事がなくなるから、いまの無権利なままでいい」などという論理にコロリといかれてしまう若者が多いようでは日本の先行きも危ういけど、厚生労働省が動いたのは派遣社員の告発だったそうです。彼らは、会社の言い分のおかしさに、ちゃんと気付いたんだね。だったら、まだ救いがあるな、日本も。
んで、このニュースはどうしてミクシィニュースに流れないんだ？
以下、記事。
厚労省、派遣業界団体を指導 署名要請メール問題で
共同通信 2009/8/4日本人材派遣協会（東京）と日本生産技能労務協会（同）が労働者派遣の規制強化に反対する署名を派遣労働者にメールで求めたのは、個人情報保護法違反に当たる可能性があるとして、厚生労働省は4日までに、両協会に個人情報保護を徹底するよう指導した。
派遣労働者から労組や労働局に「署名を集めるよう強制された」「（メールでの要請は）個人情報保護法の目的外利用ではないか」との相談が相次いでいた。両協会は厚労省の所管団体で、こうした指導は異例という。
国会で日雇い派遣や製造業派遣の禁止が論議されるなど、労働者派遣法の改正を求める動きが出ていたことから、両協会は6月以降、署名活動を始めた。
地域労組「派遣ユニオン」によると、協会の要請を受けた派遣会社から労働者がメールで署名要請を受け「拒むと仕事を回してもらえなくなるのではないか」といった相談が二十数件寄せられた。厚労省によると、労働局にも同様の相談が数件あったという。
個人情報保護法は個人情報の利用について「本人の同意を得ないで、特定された目的の達成に必要な範囲を超えてはならない」と規定。厚労省は、署名を求めるメールのアドレス利用は本人同意がなく、仕事の紹介という利用目的外だった可能性があると判断した。
派遣協会は「メールアドレス取得は適法にされている」、生産技能労務協会は「法の目的に沿った以外の使用はない。強制もない」としている。
＊http://www.47news.jp/CN/200908/CN2009080401000886.html