モデスタ・ヴァレンティ通り Via Modesta Valenti

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1394776760&owner_id=12631570

モデスタ・ヴァレンティ通りとは、この世のどこにもない場所です。

住居のない困窮者に公的支援をするために、イタリアが設置した、架空の住所なのです。
お役所の書類の上にだけ存在するのです。

イタリアでは住所のない人に支援することが、法的にできない仕組みなのだそうです。でも支援しなければならない現実がある。だったら架空の住所を作ってしまおう。法律を変えるより手っ取り早いじゃないか。なんともラテン的と言おうか、イタリアらしいお話ではあります。

Via Modesta Valenti (誇り高い大切な人達へ)
Via(へ)
Modesta (誇り高い)
Valenti (大切な人達)
良い住所だね……しみじみ。

ひるがえって日本では。公的支援に住所は必要ないという法律があります。でも窓口では、正反対のウソを告げます。あんたは住所がないからダメといって追い返します。すると、職員の査定が上がります。窓口職員だって、困窮するに決まっている人を追い返すのは、本当は辛かろうけど、長い物には巻かれろです。そういう国です。

お役所が国民を締め出すデタラメをするなら、国民が裏をかこうとします。公的支援を受けるために、マンションの一室を数百人の住民票の置き場にした、ホームレス支援NPOがありました。民間版のモデスタ・ヴァレンティ通りです。書類さえ整っていれば受け入れる官僚制度の国が日本ですから、窓口職員もいやいや追い返さなくてすみます。魚心あれば水心ってやつです。するとどうなったのか。

どこかでかぎつけた新聞が不正行為だと書き立てました。ネットで自己責任論者どもが、そーだ、そーだと騒ぎ立てました。で、その手はとうとう使えなくなりました。そんな国です、日本は。

で、きょうのニュース。

公園にテントを張ってホームレスを受け入れる活動を続けてきた方が、逮捕されました。市職員がひとりのテントをビデオで無断撮影しているのを見つけて抗議したからです。抗議しながらこづくぐらいのことはしたかも知れませんが、それは不明です。事態がよく分からないので、全面的な支持は控えますが、抗議アピールを転載します。

反弾圧1・12救援会 
2010年1月18日

1月12日、西成公園よろず相談所の伊東さんが、「威力業務妨害」の容疑で現行犯逮捕されました。靱・大阪城公園や長居公園での強制排除以降、大阪市内の各公園では、野宿生活を続けている労働者がテントを新しく張って生活を続けるのが、非常に困難な状況にあります。こういった状況の中、伊東さんは、西成公園のテントに野宿の労働者を受け入れながら、そういった労働者の尊厳と生命を守る取り組みを日常的に続けていたのです。今回、伊東さんは、西成公園で、新しく生活を始めた労働者Kさんのテントを、公園事務所の職員が当人の許可なくビデオ撮影をした事に対し、抗議を示しただけで、逮捕されたのですが、まさに正当な抗議行動に対する弾圧と言わざるを得ません。

野宿者を取り巻く最近の状況

釜ヶ崎では、昨年に入ってから、日雇仕事が殆どないという背景の下、アパートで生活保護を受ける事が出来る野宿者が急増しています。しかし、その一方で、体が元気な内は、例え野宿生活を続けながらでも、自分で働いて稼いだお金で、生活を続けている労働者も、多く見受けられます。今回、西成公園で、新しくテント生活を始めた労働者Kさんも、まさにそういった労働者の1人でした。大阪市では、2000年末より、市内3ヶ所に「自立支援センター」が設置され、野宿者の就労自立を目的とした事業が展開されて来ました。今年で10年目を迎えるこの事業ですが、就労自立という当初の目的を殆ど達していない現状を考えると、事業的には殆ど、破綻していると言わざるを得ません。

不当弾圧を許さず、私たちが生き抜くためのたたかいを!

こういった「自立支援センター」の現状がありながら、一方では、公園での新規テントの建設はあくまでも認めず、このような大阪市の動きに少しでも抗う者に対しては、今回、逮捕された伊東さんのように、本当に些細な事でも、警察権力を使って弾圧して行こうとする、大阪市の姿勢を、私たちは到底、許す事は出来ません。私たちの反弾圧への闘いへのご支援・ご注目を心より訴えたいと思います。「100年に1度」と言われる世界的な大不況の中、この日本においても、全国的に失業状態が蔓延し、閉塞感が日に日に強まるだけでしかない社会状況が続いていますが、こういった状況が少しでも改善して行くための取り組みを、これからも共にたたかって行きましょう!

【皆さんへのお願い】

①この抗議アピールへの賛同を募ります(連絡先は下記を参照下さい)
②弁護士費用や差し入れ費用等、何かと必要になります。たいへん恐縮ですが、みなさまのご支援におすがりするほかない状況です。カンパへのご協力をどうかよろしくお願いします(振り込み先は、下記を参照下さい)
③このアピールを多くの人に広めてください。

◆反弾圧1・12救援会◆
大阪市西成区太子2-1-2 釜ヶ崎医療連絡会議気付
TEL&FAX:06-6647-8278
>メール:iryouren(at)air.ocn.ne.jp
郵便振替口座 00940-5-79726
(加入者名:釜ヶ崎医療連絡会議)
通信欄に「1・12弾圧救援」と明記して下さい。

カンパは無理、という方も応援メールを送って頂ければ幸いです。