田母神閣下についての長い考察(ほとんどタモさんの引用)

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=995324330&owner_id=12631570

田母神閣下の人気は鰻登りのようです(一部で)。
ミクシィにも↓このようなコミュがあるくらいです。

田母神閣下の出馬を悲願する連帯
http://mixi.jp/view_community.pl?id=3809579

閣下自身もご出馬の意欲は存分におありになられておられるようであります。
そのためにどこから票をもらうか、その準備もおさおさ怠りなくやっておられるようであります。

以下、≪≫で括った見出しとその直下の文章は田母神閣下の「航空自衛隊を元気にする10の提言」からの抜粋。

≪おわりに─防衛産業を守る≫

  • 防衛調達の適正化……の中で「競争入札の強化」の方向性が打ち出された。
  • ……私はやや行き過ぎているという気がしている。
  • 競争入札の強化一辺倒では我が国の防衛産業の経営は立ち行かない。
  • 利益があるところには新規参入は必ず起こる。
  • 自衛隊はいま勇気を持って「防衛産業を守る」ということを内外に宣言する必要があると思う。
  • 武器輸出が可能になれば、防衛産業が日米共同開発や国際共同開発などの防衛関連事業に心おきなく参加できるようになる。

「利益があるところには新規参入は必ず起こる」というのは、利益誘導があるところには票は必ず集まる、の書き間違いではなかろうか。ともあれ、上で紹介した「田母神閣下の出馬を悲願する連帯」では、以下の熱いエールを送っている。

ぶれない物言い。
ゆるぎない信念。
深い憂国の心。
そして、きわめて崇高な戦略国防論。
世界に誇れる軍人です。
おお泣けてきますな。

そこでそのエールに必ず応えてくださるであろう田母神閣下のお言葉を紹介し、田母神応援団の士気をいやがうえにも高めていただきたいと考えたのが、この日記をしたためる所以であります。

■ぶれない物言い?

≪身内の恥は隠すもの≫
部隊や隊員が三面記事や週刊誌で笑われただけで終わるようなもの、いわゆる身内の恥的なものまで公開されるようになると、隊員は自分のことを上司に相談することができなくなる。
社会的な影響が大きいか又は国民に損失を与えるようなものでない限り指揮官は部下隊員や部隊の保全に努めるという明確な意志を持つ必要がある。自分の部下が公衆の面前で笑われたり辱めを受けたりすることは指揮官の恥である。もし秘密が漏れたならば、なぜ漏れたのか、誰が漏らしたのかを徹底的に追求(ママ)しなければならない。

(注:上は6年前、下は現在のご発言。)

<自衛隊>セクハラ疑惑の空将補、懲戒処分へ
*http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=667066&media_id=2
また、田母神(たもがみ)俊雄・前空幕長(更迭)が隊内誌「鵬友」04年3月号に「身内の恥は隠すべきものという意識を持たないと自衛隊の弱体化が加速する」と記していた点を記者団に追及されると、「表に出すのは恥ではない。自分の行動を律していないことが恥」と批判。そのうえで「恥は隠すものということ自体が間違い。どんどん公表すべきだ」と語気を荒らげた。

まあ、その、なんだ。ぶれてる物言いも問題なんですが、ぶれてない所もあるわけで、それは「航空自衛隊=身内」という考えね。でもさ、閣下は公務員で、全体に奉仕すべき公僕なわけですよ。自分の組織を身内、国民を外部とみなす考えって、どうなのかな?

■ゆるぎない信念?

≪指揮官はわがままを言え≫
上司が無理を言わなくなると、部隊や隊員たちの戦士の気質が失われていく可能性も大きくなる。
(注:同じ章の13行あと)
自分が部下を怒鳴り回していると思う人は無理を言わない方がよい。貴君は今でも十分無理を言っている。

無理を言えと言ったり、言わない方がいいと言ったり、揺るぎすぎっ(>_<)

■深い憂国の心?

≪指揮官は求道者にあらず≫
(注:昔の田母神閣下)私は、空自において防大の先輩から、1円でも国からお金を頂いていれば全身全命を投げ打って国のために尽くすのだという指導を受けたことがあった。その先輩もまた自分にも後輩にも非常に厳しい人だった。それは確かに自衛官の心構えとしてあるべき姿である。……当時まだ20代だった私は、こういった先輩の指導を受け入れ、人間の欲求や欲望を超越し、早く立派な人間にならなければと漠然と思っていた。

(注:現在の心境)心に遊びが無く徹底的にあるべき姿を追求する人には、厳しすぎて多くの人はついて行けない。この人について行けばいい思いが出来るかもしれない、美味いものが食えるかもしれないという気持ちが無くならないのがまた人間である。上着の下に私心が見え隠れするぐらいが丁度いいのかもしれない。そう言っていつでも私は自分のことを弁護している。

■そして、きわめて崇高な戦略国防論?

ごめんなさい、探しましたが、この人の「戦略国防論」が見当たりません。ただまあ、思うに戦略国防論を組み立てるというのは高度に知的・論理的な仕事ですね。で、この方にそういう高度な知的作業が可能であるかどうか、例として文章の読解力というものを見て見ましょう。

≪月刊誌へ論文を投稿する≫
石破防衛庁長官は、3月に行われた海上自衛隊幹部候補生学校の卒業式で、次のように訓示された。

「自衛官は政治に関与してはならないが政治に対して関心を持つべきだと私は思う。そして真の意味におけるシビリアンコントロールというのは、法律や予算の専門家である文官の皆さん、軍事の専門家である自衛官の皆さん方が、国民に対して直接責任を負う内閣総理大臣、あるいは防衛庁長官、政治に対してきちんとした意見を言い、車の両輪として支えることが真のシビリアンコントロールだと申し上げて参ります。いろんなことに対して諸官は、専門的な立場で意見を申し述べることは、諸官の権利であり同時に義務でもあります。それは、民主主義国家における自衛官の義務だと思っております。」
これまで自衛隊では外向けに意見を言うことは慎むべきだというような雰囲気があったので、自衛官にとっては石破長官の発言は大変にありがたいお言葉である。
……私はすぐにでもできるのは月刊誌に論文を投稿することだと思っている。部内の雑誌への投稿に止まることなく外に打って出ることが大事である。

え~、まことに恐縮ですが、石破さんが言っているのは、そういうことじゃないと思いますよ~。「軍事の専門家である自衛官の皆さん方」が、国民に対して直接責任を負うところの「内閣総理大臣」、あるいは「防衛庁長官」、「政治(議会かな)」に対してきちんとした意見を言いなさいということです。つまり行政・立法機関に対して意見具申せよということで、「車の両輪」という表現は文官と武官がオフィシャルな交流を通じてともに国家を支えようという意味ですよ。これを「外部に自由にものを言え」「月刊誌に論文を投稿することだ」と思ってしまうようでは……

■世界に誇れる軍人です?

何を以て「世界に誇れる軍人」だと言うのかよくわかりませんが、田母神閣下の仕事観を少し紹介しますので、世界に誇れる軍人像を各自で判断して下さい。

≪80対20の法則≫
さらに言えば自衛隊でも上級の指揮官になれば部内の仕事は20%ぐらいにして、自衛隊の外で自衛隊のための仕事をすることに80%以上の努力を費やすべきではないかと思っている。

(→ アパの社長とワイン飲んだり論文書いたり祭りのひな壇に座ったり=後述=することですかねえ)

≪危険の確率を考える≫
自衛隊の場合1機落ちたら、また落ちるかも知れないと考えるが、今日事故があったら、明日は多分事故はないだろうと考えるのが真理に近いというものである。自衛隊は事故等の発生に対しもっと楽観的になって良い。

(→ よくなあいっ!)

≪あれでいいんだ同好会≫
事故を起こしたことは謝罪するにしても、少なくともそれに対する隷下部隊等の対応については「あれでいいんだ」と言わなければならない。……隷下部隊の対応はいつでも合格点であることを信じよう。みんなであれでいいんだと言おう。私は自称、航空自衛隊の「あれでいいんだ同好会」の会長である。

(→ そ、それで厳正な規律が保たれるのかあ?)

≪厳正な秩序と組織の能率は反比例する≫
厳正な秩序にも適度のあそびが必要であり、あそびがないと仕事の能率はどんどん低下する。

(→ 上のあんたがそれを言っちゃあおしめぇだろう?)

≪後輩に夢を与える≫
航空事故や服務事故等で基地対策を実施する場合は相手が空自の味方であるか否か、日本国民として国家の発展を真に願っているか否かが対応の重要な分かれ目になる。味方ではないと考えられる人やある種の思想を持った人に十分な誠意を尽くして説明したり、細かい調整をしたりするのは基本的に間違いである。
……(事故など起こすと)自衛隊は基地周辺に対し謝り続けるような構図に近づいているような気がしてならない。部隊指揮官等がもっと毅然として国民に接することができるようにしなければならない。彼らが精神的に萎縮して自信を失っているようでは……国の安全保障上マイナスである。……決して「部隊はいったい何をやっているんだ」などと言うなかれ。

(→要は飛行機なんてそう墜ちるもんじゃない、気楽にいこうぜ、事故を起こしてもペコペコするな、強気に出ろ、反自衛隊の奴らなんか相手にするな、現場を叱るな……ということだよね。ダイジョーブか?おい)

≪えこひいき大作戦とお邪魔虫大作戦≫
私は決して違法行為を勧めているわけではない。公正、公平にもグレーゾーンがある。このグレーゾーンを親自衛隊派の人たちのために最大活用すべきである。私は自衛隊はもう少しえこひいきをしていい、即ちグレーゾーンを活用していいと思っている。
毎年秋に小松市のどんどん祭りが開催される。……小松基地司令(注:田母神閣下のこと)は(ひな壇に)並ぶ必要がないという連絡を受けた。私は監理部長を派遣して是非並ばせて欲しいと申し入れを行った。結果はやはり並ばなくていいというものだった。それでも私は諦めなかった。……私は、開会式の時間にひな壇のちょうど正面になる陸上競技場の観覧席に制服を着て副官とともに座っていた。開会式の直前になって私の姿を見つけた祭りの実行本部の人がやってきてひな壇の人たちが基地司令にもこちらに並んでもらってはどうかと言っているということで、結局私はひな壇に並び場内放送で紹介を受けることになった。これを私はお邪魔虫大作戦と呼んでいる。
……小松の祭りに集まった人たちは、基地司令のそれなりのステータスを認めることになったと思う。

(←どんどん祭りのひな壇に座るのがステータスで、だから頑張ったっていう自慢……になってるのか? 自衛隊の外で自衛隊のための仕事をすることに80%以上の努力を費やすべき……トホホホホ)

まあ、こういう人が空自の元トップで、誇りある日本を作るためにたたかっている、いまやライトの希望の星なんですなあ。はあ~……