天安事件の平和的解決策

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*緊迫化する朝鮮半島情勢、今後想定されるシナリオ
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昨日は強力な制裁措置をとるしかないと書きました。

「何も与えない──北朝鮮への対応」

韓国哨戒艦・天安沈没事件 首相、北朝鮮を「強く非難」 * ■「戦争前夜」にしてはならない 朝鮮半島情勢を「戦争前夜」にしてはならないと思います。金正日は何を求めてこういうことをしたのでしょうか。一つの可能性として、私は中国に対する牽制ではないか...

ですが、考えをあらためました。
ハナあっぱさんに教えられて、まず事の発端から考え直してみたんです。

■制裁は効果がないだろう

まず制裁ですが、現実にそれができるでしょうか。中国は「北朝鮮」の崩壊を望まないでしょう。ロシアはそこがどうなろうと損をしない立場だし、制裁に協力して儲け口を失うのは馬鹿馬鹿しいので、積極的な協力はしないと思われます。中国とロシアがその気にならないのなら、制裁はほとんど無意味です。

カネと武器輸出の流れを封じることは米国の力である程度できるでしょうが、抜け道は多いと予想できます。では、どうすればよいのでしょう。

■北方限界線のこと

現場は南北双方ともに、我が領海であると主張している海域です。韓国の言う「北方限界線」は、朝鮮戦争が休戦した後、連合国軍最高司令官総司令部側が定めた軍事境界線です。

これを設定する時、北朝鮮との話し合いはされていません。いわば南が勝手に引いた線であって、北はこれを認めていません。地図をみれば、明らかに北に不利な線引きです。しかし圧倒的に実力が違うので、北は不満があっても実力で奪うことができないでいます。

現場では金大中政権の時、2度にわたって武力衝突が起きています。そこで同水域での偶発的衝突の危険性を回避しようと、盧武鉉・前大統領と金正日・国防委員長は2007年に10.4共同宣言で事件現場を含む西海地域を平和協力地帯にしていくことで合意しました。

「10.4宣言」(南北関係の発展と平和繁栄のための宣言)
*http://www.worldtimes.co.jp/news/world/kiji/071004-143704.html

しかし南北はあまりに主張の隔たりが大きく、協議はお互いに自分の言い分だけを言い合って終わってしまいました。このままではいずれまた似たような事件が起きるでしょう。

■海域問題の解決策は……

ところで、似たような問題を日本は抱えています。
竹島です。
ここの対立関係を緩和するため、日韓両国はユニークな妥協をしました。領土問題では両国とも譲れないので、日韓漁業協定で竹島の取り扱いを決めているのです。

まず、竹島がないものとします。
つぎに竹島のない海に、両国の中間線を引きます。
ここを中心に暫定水域を設定します。
そしてこの中で、双方の漁業を制限付きで認めるというものです。
ここでは日本の海上保安庁と韓国の海上警察が同居しています。
もちろん、おたがいにまだ不満はありますが、まあ、うまくやっています。

日韓でできたことが南北でできないでしょうか。あの海域を共同管理水域として、南北の哨戒艇が共同で管理するんです。それが危ないのなら、代わりに第三国の海軍か海上警察が治安維持にあたる。(日本と中国とアメリカはだめ。反発されるだけだから。)

平和と合意を両方が求めているのならば、できないことはないと思います。これなら日本にも出番があります。交渉の手順や国際法の解釈、国内法の整備などについて、日本はアドバイスできる立場にあると思えるから。馬鹿な制裁なんかしていなければ、日本は時の氏神として仲介役が果たせたのでは……。ああ、残念。

■ないものねだり

それならいっそのこと、「仕方がない、他ならぬ南北の平和のためだ、したくはないけど、できないことをやるぞ」と宣言して制裁を解除し、「平和的日朝関係を築き直そう、ついでに南北会談仲介の労を執ろうじゃないか!」とやったらどうでしょうか。鳩山さん、ノーベル平和賞が貰えるかも。

ああ、でもいまの政権にそんなパワーはないな。国民の支持がない政権だもん。普天間の海兵隊を放り出してれば事態は違ったかも。いろんなことが相互に関連しているんだけど、日本政府は一事が万事で、打つ手打つ手が少しずつ方向を間違ってるんだよなあ。

あ~あ……