元航空自衛隊幕僚長 田母神俊雄講演会 参加メモ

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2010年11月21日午後2時より、姫路市民会館大ホールに於いて「田母神俊雄講演会(姫路市・姫路市教育委員会後援……トホホ)」が開催されました。

東進衛星予備校専用の受付口が設けられるなど組織動員の成果もあり、参加者は約900名。立ち見も出る盛況で、急遽3階ロビーにモニターが設置されました。

講演会とはいうものの、会場には「中国の侵略」に対して「国土防衛」を呼びかける『頑張れ日本!全国行動委員会』発行の『桜新聞』が掲示されるなど、全体的に政治集会の色合いが濃密で、田母神氏の講演内容も始めから終わりまで政治的アピールに染まっていました。

以下に同氏の講演内容を略載しますが、90分を超える講演内容をすべて紹介することはできませんし、テープに録音した物ではないので不正確なところや遺漏も多々あります。また、講演の内容は体系的でなく、冒頭と後半に同じ主旨の話が内容を変えて出てきましたので、それは順序を変えて一つにまとめました。こういうことで、講演の内容そのままの記録ではないことをご承知おきください。

田母神俊夫氏講演内容

1.自己紹介

危険人物の田母神です。でも私はとてもいい人なんです。自分は日本を誉めてクビになったんです。「日本はいい国だ」と書いたら、政府が「いや、日本は悪い国なんだ、侵略をした、とんでもない国なんだ」と言って、私を辞めさせました。世界広しといえども、自分の国を褒めたら辞めさせられる国は日本だけです。

2.歴史認識の誤りが国を危うくしている

尖閣諸島で中国の漁船が海上保安庁の巡視船に体当たりをしかけてきました。諸外国ならば、こういうことがあれば漁船を射撃しています。諸外国の軍は、国際法に基づいて行動します。ネガティブリストといって、これをしちゃいけないと決められていること以外は何でも出来る。

ところが自衛隊は(海上保安庁も)、法律に定められていなければ何もできない。ポジティブリストと言います。しかし刻々と状況は変わっていくのに、そのたびにいちいち安全保障会議を開いたり、法律を作らなきゃ行動できないなら、間に合いません。日本もあんな事態は、現場に任せとけばいいんです。現場がちゃんとやります。

韓国は中国漁船を2,000隻も拿捕して、18億円の賠償金を取っています。中国は何の抗議もしていません。日本は賠償金を取らずに船長を釈放して、フジタの社員を釈放して貰うために賠償金を支払った。どういうことですか。

中国は尖閣諸島を領有しようとしている。漁船がぶつかってきたのは、そのためなんです。日本の出方を見ているんです。あの船長さんは漁民じゃありませんからね。中国軍の現役大佐です。放置していたら、いずれ西南諸島も中国領だということになり、つぎは九州を取られ、日本は瓦解します。

どうして日本は諸外国のように現場に任せて毅然と対処できないのか。「自衛隊に任せると侵略戦争を始めるんじゃないか」、自民党の議員でもそう言いますからね。軍隊が勝手に動いたら侵略を始める、こういう考えは、歴史認識を間違えているから出てくるんです。歴史認識の間違いが、現在の安全保障を危うくしているんです。

3.日本は侵略も植民地支配もしていない。

日本は侵略をした、植民地支配をしたということになっています。植民地支配と侵略によってアジア諸国民に多大の損害と苦痛を与えたことになっています。しかし日本は植民地なんか一つも持っていませんでした。

韓国を併合したのは、日本人と同じようにしようとしたんです。学校、病院、工場、発電所を作って、日本と同じように発展させた。韓国の京城-いまのソウルです-には、日本で6番目に帝国大学を作った。台湾には7番目です。大阪帝国大学や名古屋帝国大学より早いんです。愚昧政策を採った白人国家の植民地支配と全然違うんです。

日本は侵略によってアジア諸国民に多大の損害と苦痛を与えたと言いますが、日本が戦ったアジアの国というのは中国だけなんです。敗戦後、日本が侵略国だったと言っている国は一つもなかったんです。バンドン会議でも、アジア諸国から「よく戦ってくれた、我が国が今日独立できたのは日本のおかげである」と感謝されたんです。日本はアジアの独立を助けたんです。

4.日本が中国と戦ったのは侵略ではない

日本が中国にどうして兵を送ったのか。それは侵略したのではありません。

1900年に義和団事件があり、北京の大使館や領事館が危険にさらされた。そこで11カ国からなる、今日で言えば多国籍軍がつくられ治安の確保に乗り出した。本来は、外国使節を守るのは清国政府の役割なのに、西太后というとんでもないおばさんが義和団を陰からけしかけていたんです。日本は英国から求められて、多国籍軍の半数に当たる1万人の部隊を送り、日本軍の活躍によって事件が解決した。その時に、またこんなことが起こったのではたまらないというので、清国と協定を結んで、各国は軍を北京に駐留させた。だから、中国に日本軍がいたのは、条約に基づいて、合法的にいたんです。

日本は対支那宥和政策を採っていたので、戦う気はありませんでした。ところが廬溝橋にいた日本軍に支那軍が挑発をしかけてくる、通州事件といって、支那軍が日本人をたくさん虐殺をする、第二次上海事件で日本人を殺すといったテロ行為をしかけてきたから、ついに軍を送らざるを得なくなったんです。

上海から南京に進みましたが、その時に30万人を虐殺したと言います。そんな出来事はありませんでした。当時の外国通信社はどこもそんなことを言っていない。どの国も当時はそんな非難をしていない。30万人虐殺というのは、戦後に作られた説なんです。

5.中国と戦ったのはコミンテルンの陰謀である

当時はロシア革命で生まれたソ連がコミンテルンを作り、世界支配を狙っていました。中国で毛沢東軍が共産革命を成功させるには、蒋介石軍が強すぎた。そこで日本軍と蒋介石軍を戦わせて、弱体化させようとした。蒋介石は日本と戦う気なんかなかったのに、西安事件で張学良が蒋介石を拉致監禁して寝返らせたんです。日本はコミンテルンの陰謀で、まんまと戦争に引きずり込まれたんです。

6.真珠湾攻撃はコミンテルンの陰謀である

日本はアメリカを侵略したんじゃありません。経済封鎖を受けて、このままではやっていけない所まで追い詰められて、やむなく戦ったんです。

当時、ホワイトハウスには300人のコミンテルンのスパイがいました。真珠湾攻撃はコミンテルンのスパイの謀略で仕掛けられたんです。日本を追い詰めたハル・ノート、日本が絶対に飲めないあのハル・ノートを作ったのは、ハリー・デクスター・ホワイトというコミンテルンのスパイでした。このことはヴェノナ・ファイルという米国の公文書に書かれていて、国務省のホームページで公開されています。

7.真珠湾攻撃はルーズベルトの陰謀である

当時、米国はナチスと戦いたかった。しかし戦えなかった。それは、ルーズベルトが「ヨーロッパの戦争に参加しない」と公約して大統領になったからです。そこで日本を挑発して戦争に誘う、そうすれば日本の同盟国のドイツとも戦争できる、こういう思惑で、日本が戦争に乗り出すようにし向けたんです。

8.経済対策として自衛隊増強を

日本の高度経済成長は冷戦のおかげでした。ソ連の太平洋進出を阻止するには、日本に安定的な政権が必要でした。そこで、米国は日本の経済成長を容認した。しかし冷戦が終わったいま、プラザ合意以降、米国は日本との経済戦争に乗り出しました。

構造改革とかいって、郵政民営化や持株会社の公認など、すべて米国の要求が実現したものです。談合禁止というのもそうです。あまりに談合を禁止して自由競争にすると、コスト競争が激しくなって、耐震偽装のようなことも起こる。米国に属していれば安心・安定という時代ではないんです。

国防もそうです。尖閣諸島防衛のために米国が中国と戦ってくれるか。それが米国の国益になると思えば戦うでしょうが、国益にならないと思えば戦いません。安保条約があっても、戦うかどうかは米国が判断するんです。中国の核ミサイルの脅しに抗して、日本の無人島を守るために米国が戦うだろうか。自分の国は自分で守る態勢が必要です。

中国は2020年までに空母を6隻持つという。空母がなければ侵略能力がありません。それはなぜか。いま中国が尖閣諸島を取ろうとしても、そこまで飛んでこれる飛行機がない。日本領空まで飛んできて、5分間の空中戦をすると、帰りは燃料がなくなって東シナ海に落ちてしまう。しかし空母があれば、近くまでやってきて戦える。これに対抗するには日本も空母を持たなければなりません。戦闘機も自主開発すべきです。

戦闘機開発には7,000社ぐらいの企業が関わります。日本はデフレなんだから、公共事業としての自衛隊増強を図るべきです。10万人ぐらい隊員を増やせば、失業対策にもなる。

そんな金がどこにあるのかと言えば、あるんです。日本の借金は900兆円ですが、90%が国内からの調達です。外国から借金していたギリシャみたいなことには絶対にならない。少々借金をしても、それで経済成長できれば吸収できる。いざとなれば一万円札を増刷すればいい。

9.軍事バランス論

外交は軍事力の裏付けがあって、はじめて成り立つんです。こちらの話を聞けと言うためには、戦争の覚悟がいる。交渉で決着が付かないなら戦争するぞという覚悟をしている国と、初めから絶対に戦争はしないと決めている国が交渉をすれば、戦争を覚悟している方が絶対に勝ちます。「こちらの話を聞かないなら、ぶん殴るぞ」ということで、ようやく対等の話し合いが出来るんです。

ところが日本政府は、「こちらの話を聞かないなら……話し合うぞ」と言うんです。これではダメです。軍事力に対抗するには軍事力のバランスが必要ですから、中国が軍拡を続けるならば、それに応じてこちらも軍拡をしなければなりません。

じつは自衛隊は中国軍の行動をモニターしています。これは中国には言わないでください。それで分かることは、中国軍は近代的な装備を増やしてはいるが、運用はまだまだ幼稚です。自衛隊の敵ではない。しかし7年後、10年後にはわかりません。自衛隊に追いついてくるかも知れない。そうなる前に、こちらも軍拡しなくてはいけない。

10.情報戦に負けている日本

米国が日本を占領したとき、検閲で歴史が書き換えられてしまった。米国が善、日本が悪玉という歴史です。南京30万人虐殺もそうです。米国が占領時代に公職追放というのをやって、その穴埋めに左翼を入れた。大学教授や総長などです。その連中が日本悪玉史観を教育し、それで育ったのがゲバ棒学生です。日本は左翼メディアばかりですが、それはメディアの中枢に全共闘上がりが沢山いるからです。いまだに情報戦で日本は負けている。

11.日本は内側から侵略されている

国籍法の改正、外国人地方参政権、外国人住民基本法、選択的夫婦別姓など、日本が日本でなくなる法案が次々と出ています。自民党でさえそういう法案を出す。日本の議員は誰の代表なのか。メディアも警鐘を鳴らさない。それは中国資本がメディアを支配しているからです。CMでも、パチンコやサラ金のCMだらけでしょう。日本は内側から侵略されているんです。

日本には50万人の中国人がいます。外国人地方参政権など作れば、地方都市の2つや3つは乗っ取られてしまうんです。カナダのリッチモンドが大量の中国人移民でそうなっていて、カナダ政府は対策に乗り出しています。日本もそうなるに決まっています。

12.原爆慰霊祭は左翼の集会だ

広島で毎年開かれている原爆慰霊祭、あそこには地元の被爆者なんか出席していません。よそ者ばっかりです。集まっているのは左翼ばかりです。

私は来年も広島で講演会を計画していますが、妨害されています。会場が取れないんです。核兵器がいけないという言論は、間違っていると思いますが、そう言うのは自由です。だったら核兵器を持てという言論も自由でなければならない。そうでなければ民主主義国とは言えません。

13.靖国神社に総理の参拝を

日本を今日まで持ってきたのは日本人の努力です。その中には戦いに命を捧げられた英霊もおられる。英霊を大切にしなければなりません。諸外国はどこでもそうしています。なんでも民間任せという国が他のどこにありますか。総理が靖国神社に参拝すべきです。外国から文句を言われても毅然とすべきです。それでこそ外国も日本を尊敬するんです。

私は日本に保守の政権を作りたい。そのために『頑張れ日本!全国行動委員会』を作りました。正しい歴史を広めましょう。

産経新聞、正論、諸君、WILLを読んで、桜チャンネルを見てください。


■この田母神さんの講演の13点について、
「タモさんのトホホな講演 デバッグ」の通しタイトルで9回にわたって誤りを指摘しました。
9回の目次はこちら↓

■元航空自衛隊幕僚長 田母神俊雄講演会 参加メモ ■タモさんのトホホな講演 デバッグ1(歴史認識) 1.自己紹介 2.歴史認識の誤りが国を危うくしている ■タモさんのトホホな講演 デバッグ2(侵略戦争...