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今日から少しずつ在特会の言い分を批判していこうと思います。
■特別永住権についての在特会の主張
まずは在特会の言い分をそのまま示します。
Q.どうして『特別永住資格』が特権なの?
A.特別永住資格は、在日など限られた外国人(特別永住者の中には、ごく一部の在日台湾人が含まれます)、その殆どが在日韓国人・朝鮮人で占められています)だけに認められた永住資格だからです。
『特別永住資格』によって在日は無条件で日本に滞在することが認められ、且つ、その子孫も韓国籍、或いは朝鮮籍のまま何代にも渡って日本に居住する事が出来るのです。当然、滞在期限がないため他の外国人のように滞在延長許可申請も必要ありませんし、また再入国許可も他の外国人が3年間であるのに対して、特別永住者は4年間(最大で5年間まで延長可能)と優遇されています。
他の外国人は日本での就業に規制がありますが、在日は国籍条項で規制されていない職種に関しては自由に就業することができます。これは明らかに他の外国人に対する差別的特権付与であり、法の下の平等に反するものといわざるを得ません。
■在特会の主張6つの間違い
上記主張は、較べられないものを較べるなど不適切なレトリックが使われています。
1.「日本に滞在することが認められ、且つ、その子孫も外国籍のまま何代にも渡って日本に居住する事が出来る」のは、在日コリアンだけではありません。
一定の条件をクリアすれば外国人には『永住資格』が認められます。どの外国人でも『永住資格者』になれば「日本に滞在することが認められ、且つ、その子孫も外国籍のまま何代にも渡って日本に居住する事が出来る」のです。在日コリアンの『特別永住資格』も一定の条件をクリアしているから与えられており、その条件に当てはまらない在日コリアンは、他の外国人と同じように『永住資格』の申請が必要です。
ですからこれは「在日特権」とはいえません。
2.「滞在期限がないため滞在延長許可申請が必要ない」のは、他の外国人永住者と同じです。
『永住者』には滞在期限がないため、滞在延長許可申請が必要ありません。在特会は「一時在住者」や「定住者」だけを外国人と呼び、「永住者」をわざと除外して、あたかも在日コリアンだけの特権であるかのように誤解させるレトリックを使っているのです。これが「在日特権」だというのは間違いです。
3.『特別永住資格』は無条件ではありません。
『日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法』にその条件が定められています。その条件をクリアした人だけが『特別永住資格』を持てるのです。『特別永住資格』を持っている人なら、おそらく他の外国人の『永住資格』条件もクリアできることでしょう。
4.再入国許可が1年長いのは本当です。
が、「特権」ではなく「必要」に応じてそうしてあるのではないでしょうか。たとえば韓国の大学に入学したら最大4年間の出国が必要な場合があります。他の外国人永住者は大人になってからの入国なので、この種のケースがこれまで少なかった。そこで特例の必要がなかったのですが、今後は日本生まれの外国人永住者が増えるので、やはり考慮すべきだという要求が強まると思われます。
5.「他の外国人は日本での就業に規制があるのに在日コリアにはない」というのは間違いです。
①他の外国人でも、永住者と定住者には職業規制などありません。
②他の外国人も含めた「永住者と定住者に与えられた特権」ですから、「他の外国人に対する差別的特権付与」とは言えません。
③「永住条件をクリアした」という条件下での「特権」ですから「法の下の平等」に反してなどいません。日本入国という「特権」はパスポート所持者にだけ認められ、パスポートを持っていない人には認められません。しかしこれが法の下の平等に反しないのと同じ事です。
6.特別永住資格は、在日コリアなど限られた外国人だけに認められた永住資格という説明は不十分です。
旧植民地という条件を語らずにこの問題を取り扱うのは不適切です。
まず日本政府が旧植民地出身者から日本国籍を一方的に奪ったことが発端でした。
つぎに、日本政府が長い間「朝鮮半島を代表する政府は存在しない」としてきたので、在日コリアンは帰属先を失い、無国籍の外国人となってしまいました。
日本政府が韓国を政府として認めたのは1965年。その間に日本での生活基盤を固めた人たちには、充分な永住資格があります。他の外国人には、10年間で永住資格が与えられますからね。それだけのことです。
■二重国籍者との比較
さて、以下は私の見解に寄せられた意見の一つです。非常に参考になったので、そのままコピペします。
「特権」かどうかという言葉遊びは置いておいて、「特別永住」ではない、一部の人々について、ちょっと触れてみたいなと思います。
日本にも、二重国籍を持つ人たちがいます。これがイリーガルかというと、実はそうでもない。日本は、日本人が外国国籍を自動取得した場合、もしくは外国人が日本に帰化した場合、法律的には「日本国籍を選択した場合」は、外国籍の離脱に努める義務が生じます。でも、国籍離脱に関する外国の法制度が様々であることなどを考慮し、外国籍の離脱の手続をしないからといって、日本国籍喪失ってわけにはいかないのが現状。つまりは実質二重国籍の人は日本には少なからずいるわけです。元日本人も、元外国人も。
「日本の国籍を選択し、外国の国籍を放棄します」という国籍選択宣言の文章は、日本の法律上、単国籍日本国民として生活するという宣言であり、外国の法律で外国国籍を失うわけではない。それぞれの国で「自分が外国人である」「複数の国籍がある」ことを主張しなければ、問題ないというスタンスです。
当然日本国内では日本人です。そして、その人がまた別の国籍保持国へ行くときは、日本を日本のパスポートで出て、当該国へ入国する際はその国のパスポートを使います。当然、当該国国民として、ビザなしで生活できます。諸外国に行くときは、「都合のいいほう」の国籍を使うようですよ。
日本で、「他の外国人よりも安定した資格」である「特別永住資格」ですが、「二重国籍」に比べればなんてことありません。
私は「国籍唯一」支持者ですし、「国籍≠アイデンティティ」だと思っているので「二重国籍」の乱用には賛成できませんけれど。現行法で「複数国籍」が実質容認されているようなこの社会で、些細な権利の差を「特権」「特権」言うのはナンセンスですね。国籍や言語や当該国の法律によって、外国人の立場はそれぞれ「ものすごく不公平」なんですから。
どろさんのコメントの通り、「在日コリアン」は日本政府や日本社会との関係において、他の永住者よりも「日本人的」な扱いがされてしかるべき立場だと私も思いますし、政府のそのような見解で、現行法があるのでしょう。
特別な立場とはいえ「日本人ではない」、つまりは「外国人である」というスタンスをとるわけですから、資格は「永住資格」であるわけで、「永住資格」との差異をもって、その特別性をアピールするのも仕方ないことでしょう。
いずれにしろ「特別永住資格」という法を施行した政府の見解に異議があるなら、在日コリアンへの嫌がらせをするより、政府に意見し、嘆願書を出せばよいと思いますね。ついでに国際人権規約からも外れて欲しいとでも申し立てれば良いでしょう。自らがやっていることが、どれほど道理に外れているかを知って欲しいですね。