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「従軍慰安婦は高給取りだった」というコメントを付けてきた人がありました。
>1000万近いギャラを貰って売春した人が強制された
>なんて とても思えませんけどね。
>まぁ あんたも もうちょっと現実見たら
こんなに高給だったから応募倍率が高く、強制連行などする必要はさらさらなかった、なんて言辞もネットでは飛び交っています。この説の大もとは慰安婦研究の第一人者、秦郁彦教授です。本を読まない人たちにそれを広げたのは、産経新聞です。
教授は元防衛大学校教授にしてプリンストン大学大学院客員教授、そして日大教授という素晴らしい肩書きをお持ちの方です。このような方が唱えておられる説を私ごときが批判するのはおこがましいのですが、やはり一言せねばなりません。
教授はこんなことを書いておられます。
『慰安婦と戦場の性』P.270より
・経営者との収入配分比率は40~60%
・女性たちの稼ぎは月に1000~2000円
・兵士の月給は15円~25円
これをもとに、慰安婦は総理大臣の二倍の給料をもらっていた、なんて言われているんですよね。
さてこの数字ですけど、仮に女性が40%を受け取るとして2000円稼ぐには水揚げが5000円なければなりません。兵が支払う料金が一回1.5円だったそうですから、5000円にするためには1カ月に3300人の兵を相手にしなければならないことになります。30日働いたとすると、1日あたり110人! 女性が60%受け取るとしても、1日に74人を相手にしなければならない計算になります。
こんなこと、できるんでしょうか? 兵の持ち時間は1人あたり20分だったそうです。すると、74人を相手するには24.6時間必要なんですよね。とんでもない仕事ですね。プリンストンの大学院教授は数字には強いかも知れないけれど、その数字を現実に適用する想像力がないみたいですね~。
それを検証もしないで真に受けるネトウヨさんも、何だかなあ……
「駐屯地慰安所規定 マンダレー駐屯司令部」によれば料金や時間割り当ては以下のとおりです。
兵: | 30分 | 自1000至1700 | 1円50 |
---|---|---|---|
下士官: | 40分 | 自1700至2100 | 2円00 |
将校: | 50分 | 自2100至2400 | 3円00 |
泊まり: | 自2400至 800 | 8円00 |
朝10時から翌朝8時まで食事も休憩も睡眠も取らずに働き続けたとすると、計算上の稼ぎは以下の通りです。
兵:14人×1.5円=21円
下士官:6人×2円=12円
将校:3人×3円=9円
泊まり:8円
合計:50円/1日
このような空想的な働き方を1カ月30日続けても、水揚げは1500円です。6割をもらうと900円。1000円にさえ届きません。でもこんな働き方は到底できませんよね。