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昨年後半からソマリアに海上自衛隊を含めた各国武装艦艇が派遣され、警備にあたっています。さぞかし効果が上がっていることでしょう。
それを確かめるよい資料があります。クアラルンプールの海賊通報センターを通じて、国際海事局IMBが発表している海賊報告書です。では、2009年第1四半期(1月~3月)の報告書から、海軍による警備の実績をみてみましょう。
*http://www.sof.or.jp/jp/monthly/2009.php#04
第1四半期におけるソマリアの海賊発生件数の推移
2005年:3件
2006年:5件
2007年:2件
2008年:1件、成功0件
2009年:20件、成功5件
第1四半期におけるアデン湾の海賊発生件数の推移
2004年:3件
2005年:3件
2006年:7件
2007年:3件
2008年:5件、成功2件
2009年:41件、成功5件
げげっ、ふ、増えているではないかっ!しかもなんだ、この急増ぶりは!各国海軍がウヨウヨしているのに、なんということでしょうか。
では、ソマリア・アデン湾がどれほど危険な場所か、他国の様子と比較してみましょう。海賊の巣として有名なマラッカ海峡とインドネシアの様子はどうでしょうか。
マラッカ海峡とインドネシアの合計
2004年:29件
2005年:20件
2006年:19件
2007年:11件
2008年:4件
2009年:2件、成功0件
おお、激減しています。
ご存じのとおりマラッカ海峡はかつて海賊の巣といわれていて、その脅威からシーレーンを守るために自衛隊の海上戦力を強化せよという議論があったほどです。でもこの地域では米第七艦隊の支援を断り、日本の海上保安庁の警察支援を受け入れて、地道な取り締まり活動を続けてきたのでした。海保、やるじゃないか。海軍と海自、だめじゃん。
もちろん、しっかりした政府のある地域と、ろくな政府のないソマリアでは様子が異なります。が、米国政府がようやく軍事力には限りがあると気づいて、ソマリア北部のプントランド自治政府の海上警察整備支援を検討しているそうです。米国でさえ、そういうことに気づきました。
本来ならば、どこの国よりもまず日本が提唱して実施すべきことでした。現にマラッカ海峡ではそうしたのです。けれどソマリアの場合、おそらく海上自衛隊の海外派遣をより強力に推進するため、そういう議論は封殺されてしまったのです。
軍事偏重のしわ寄せが、現実政治に悪影響を与えているのです。
民主党も当面は自民党の路線を踏襲するようですが、しかし党内には異論があるはずですから、私たちの運動如何で路線修正も考えられます。総選挙がチャンスです。民主党と同時に共社両党が比例で伸びれば、もっとチャンスが広がります。政権交代を、海の平和を取り戻す機会にしたいですね。