絶望のパレスチナ

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1881372933&owner_id=12631570

気の毒だがイスラエルはいずれ滅ぶのではあるまいか。イスラエルの経済的・軍事的優位は何百年も続かないだろうから。こんな蛮行を繰り返していては、あの場所に居続けることができないと思う。

世界はいつかディアスポラの再現を見ることになるのだろうか。そんなことになってほしくはないが、もうどうすることもできないと絶望的な気分に襲われる。

それにしても、パレスチナ側の過激派も何を考えているのだろうか。今回の空爆の発端は、パレスチナ側からのロケット弾攻撃だった。それでイスラエル側に4人の死者が出た。イスラエル政府は正当な報復行為に出たのだと語り、勝利におごるイスラエル国民はその言葉を支持している。

ロケットを発射したのが誰だか分からない。ハマスではないだろう。ハマスは前回の侵攻でイスラエル軍の地上攻撃を受けて、口ほどにもなく退却した。

反撃できずに民衆のケツに隠れて逃げ回っていた。殺されたのは大半が市民だが、しかしハマスも隠れ家を攻撃されて、かなりの死者を出した。(ハマスのロケット攻撃を面制圧するために、イスラエルは白燐弾を大量使用するという非人道的攻撃を繰り返した。ハマスは路上に出ることができず、ビルの中で打ち震えていた)臆病者の彼らはあれで懲りたはずだ。

では誰が無鉄砲な攻撃を仕掛けたのだろう。戦争は悪だと私たちは考えているが、戦争を悪だと思わない奴がいる。民間人が何人殺されようと、毛ほども痛痒を感じない奴がいる。それは侵略者ばかりではない。抑圧されている側にもいるのだ。

「攻撃を受ければ民衆の怒りが高まり、自分たちが腰抜けハマスに成り代わってパレスチナの支配権を握るチャンスが生まれるに違いない。」

それだけの動機でイスラエルを挑発し、民衆を戦争に巻き込んで恥じない連中がいるのだ。しかも、正々堂々と名乗りを上げるのではなく、陰からこっそりと挑発するのだ。

誰がはじめた戦争であろうと、現在の主役はハマスにならざるを得ない。民衆を空爆されても黙っていたのでは、ハマスの権威が崩壊するから、いやでもハマスはイスラエルに反撃せざるを得ない。そしてパレスチナで最も強力な武力を持つのがハマスである以上、イスラエルの主敵はハマスなのだ。

誰だか分からない過激派は、ハマスがイスラエルの軍事力に叩きのめされるのを高見の見物していればよい。その過程でどれほど民衆が苦しもうと、彼らにとってそれは「いつか来る解放の日」のための犠牲だから、聖なる犠牲であり、堪え忍ばなくてはならない犠牲なのだ。

こういった連中が仮に支配権を握ったら、今度はイスラエルに代わって、民衆はこいつらに踏みつけにされることになろう。人間とはどこまで愚かで暴力的なのだろうか。ほとほと絶望感に囚われる。

いま過激派の跳ね上がりに手を焼くハマスだが、かつては自分が同じ事をして、そのころパレスチナ全土を統治していたファタハからガザの実権を奪ったのだった。

ハマスがイスラエルに攻撃を仕掛けて挑発する。

イスラエルがファタハに報復する。

ファタハが敗北して屈辱的な停戦協定を結ぶ。

ハマスが「ファタハはイスラエルに妥協した裏切り者だ」と弾劾する。

こういう具合だ。

しかしこのやり方は、ファタハが自分たちの盾になってくれたからできたことだ。いまハマスは、自分の言うことを聞かない過激派の盾にされている。

5年前、ファタハとハマスは支配権を巡って血で血を洗う抗争を繰り返し、その結果、より無慈悲なハマスが勝利した。

ハマスと過激派もこれから血の抗争を繰り返すだろう。流れ弾にあって殺されるのは民衆だ。敵のスパイだということでさらわれて首をかき切られるのも、民衆だ。

イスラエルがあざ笑っている。シオニストどもがほくそ笑んでいる。そして相互に憎しみばかりがつのる。

これから先、あの地はどうなってしまうのだろうか。世界はいつかディアスポラの再現を見ることになるのだろうか。そんなことになってほしくない私たちに、何ができるのだろうか。