憲法と自衛隊(7)改憲こそが押しつけである

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さて「押し付け論」の話である。
「憲法はアメリカから押し付けられたものだ。」
「日本が自分自身でイチから憲法を作るべきだ。」
この意見、改憲派の間では、なかなか人気があるらしい。
しかしこういうことを居酒屋でオヤジがつぶやいているのは勝手だが、公的な場所で持ち出すのは不適切である。

■形式的な面では自主憲法である

まず形式的な面からいう。 憲法の内容は、衆議院と貴族院が審議した。 その上で国会の圧倒的な支持のもとに、正式に制定されたのである。 憲法を決めたのはアメリカ議会ではなく、日本の国会なのだ。

反対する権利もあった。 実際に、たった8人であるが、反対している。 だが、大多数の議員は自主的に賛成したのだ。 だからこれは日本国民の代表が議会で正式に成立させた憲法であって、「押し付けられたもの」とは言えない。

あとになって 「内心とはちがう行動をとるしかなかったのだ」 などと言い訳した議員もいる。 しかし、内心の自由に従って反対した議員がいるではないか。 あとからそんなこと言ったって、それは単にその議員がヘタレだったことを示すものでしかない。

■改憲こそが押し付けだ

憲法が押し付けだというなら、安保条約はもっと押し付けだ。 憲法に反対する国民の大運動なんて、一度もなかった。 しかし、安保条約には国民の大反対運動がおきた。 死者まで出した抗議運動をおしつぶして結んだのが、安保条約である。

その安保条約にもとづいてアメリカが共同軍事行動を求めている。 しかしそれに応えるには、憲法がじゃまになる。 そこで改憲しようというのが、政権のホンネである。 どこが自主憲法なのだろう。

いま憲法を変えるとしても、それはアメリカが許す範囲内に限られる。 アメリカに都合良く変えるしかないのだ。 すると日本はますますアメリカの属国みたいになるしかない。 「自主憲法」などというのはキレイゴトにすぎないのだ。

■改憲は国民へ不利益を押し付けるものだ

いまの憲法があるから、アメリカのケツにくっついて戦争しなくてすんでいるのだ。 改憲すれば、たちまち自衛官はアメリカ軍の弾よけにされてしまうだろう。 こんなことは、憲法改正を唱えている政治家や財界はよくわかっているはずだ。

わかっているくせに、どうして日本の将来をアメリカに売り渡すようなことをするのか。
それは、自衛官が無駄に戦死しようと、自分たちには関係がないからだ。
国民がどんな目にあおうと、自分たちにその危険が及ばないからだ。
むしろ軍事費を湯水のように使えば、自分たちの利益になるのだ。
そんな連中の屁理屈にだまされてはいけない。
われわれは改憲によって不利益だけを押しつけられる立場なのである。