憲法と自衛隊(8)改憲派に「押しつけ」批判の資格なし

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押し付け論のつづき

さて「押し付け論」の話である。 「憲法はアメリカから押し付けられたものだ。」 「日本が自分自身でイチから憲法を作るべきだ。」 この意見、改憲派の間では、なかなか人気があるらしい。 しかしこういうことを居酒屋でオヤジがつぶやいているのは勝手だが、...
■改憲派には「押し付け」を批判する資格などない

憲法が押し付けられたと言う論者は、他方で奇妙に矛盾したことをいう。

日本は韓国を植民地にしたが、これは押し付けではないと言うのだ。韓国の同意を得て、条約をむすんで、合法的に併合したのだというのである。

無茶を言ってはいけない。韓国人は国をつぶされたのだ。祖国をうばわれたのだ。だれがそんな仕打ちを喜んで受け入れるというのか。

そのとき、日本は韓国の軍隊を解散させ、外交権もうばい、韓国を軍事的に占領していたのだ。韓国を手も足も出ない状態に追い込んでおいて、相手がいやがることを強制しておきながら、「押しつけではない」と、あつかましくも開き直る。

そのくせ、「憲法は押し付けられた」と泣き言をいう理由は、「連合軍に占領されていたからだ」「自主権をうばわれていたではないか」というものだ。それならば日本が韓国を併合したときの状況と同じではないか。

強制的な日韓併合条約を正当化する者に、憲法押し付けを批判する資格など、ありはしないのだ。

韓国併合の正当化は、過去の軍事行動を合理化するものだ。憲法押し付け論は、未来の軍事行動を準備するものだ。改憲派の主張は矛盾していて論理的には破綻しているのだが、軍事行動の正当化、合理化という目的だけは共通している。

こんなこと、絶対に許すわけにいかない。