第二次朝鮮戦争が起こらない理由

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<報道>
北朝鮮の攻撃想定 韓国で大規模な避難訓練
*http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1440448&media_id=88

■共和国人民軍の化学兵器

1998年、米国の軍事シンクタンクであるランド研究所が「北朝鮮の軍事力による脅威の逆同性」というタイトルで興味深い論考を発表しました。

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の軍は、その10年前から兵器の近代化を放棄して、限られた資源を生化学兵器とその投射兵器の開発に投資してきた結果、通常武器の戦力は明らかに弱まっているが、化学戦については大きく発展していると。

それから20年、生物・化学弾頭の開発が終了したのか、共和国人民軍はその投射兵器を増強しています。1990年には1門もなかった240ミリ多連装ロケットが、2000年には430門に増えました。

今年、韓国軍は北の多連装ロケットが大小合わせて5200門に達したと発表しました。170ミリ自走砲も、1990年代はじめの約200門から、10年で600門以上になったと、韓国軍は観察していました。それぞれの射程距離は、多連装ロケットが43~60km、170ミリ自走砲が約50kmと推測されています。いずれも非武装地帯の北側からソウルを直撃できる性能です。

■恐るべき被害

これにサリンガスを搭載したらどうなるのか。多連装ロケットの炸薬重量は8kg。1門で一度に22発発射できるので、176kg。これがソウル市内に打ち込まれたら、数万人の死傷者がでるだろうというのが、ランド研究所の試算です。それが100門の斉射だったら……。残りの多連装ロケットと600門の自走砲が砲弾の雨を振らせたら、救助も何もできません。身の毛がよだちますね。

韓米両国の試算では、全面戦となり、人民軍が化学武器を大量使用した場合、韓米両国軍の被害は15~25万人、首都圏の民間人の被害は約200万人に達するそうです。

これでは韓米軍はうっかり戦争の挑発に乗れません。防空演習は気休めにもならない。まあ、韓国政府はこんな訓練が何かのに役立つと思っているのではないけれど、こんなことぐらいしかできないのが現実でもあります。演習で国民の気を引き締めるのと、加えて選挙対策・治安対策でもあるのでしょう。

■共和国政府の不可解な行動の意図

さて彼の国が普通なら考えられないような好戦的で凶暴な行為を繰り返している理由ですが、「まさか国際法違反の化学兵器を使うだろうか……いや、金正日ならやりかねない」と考えざるを得ないように、計算しながらわざと狂気を装っている可能性があります。

そうだとすれば共和国政府は実に利巧です。絵に描いたような冷酷なマキャベリストです。しかし、日韓米の圧倒的軍事力に対抗して独立を保持するには、こうでもする他ないだろうというのが、彼らの言い分だと思います。

■現実に即して安全保障を考えるべき

朝鮮半島の安定も、日本の安全保障も、この現実を前提に考えないと、空理空論です。

敵基地攻撃論を唱える政治家や軍事マニア、拉致被害者の奪還作戦を求める家族会や支援する会、それに迎合する首相、朝鮮半島の近未来戦争を面白おかしく描く多数の架空戦記を書く作家に、読んでその気になる読者。

みんな平和ボケしてるんじゃないのか?