ミサイル防衛はやはり不可能だという証明

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これは日記「恐れるな と 田母神さんが言う」

ミサイル迎撃失敗、弾頭部分に不具合の可能 読売新聞 - 11月21日00:09 * はっきり言ってSM3(艦船発射型弾道弾迎撃ミサイル)は役立たずです。防衛省はミサイルの迎撃性能自体に問題はなかったと言い訳していますが、そもそもその性能が日本...

に頂いたTさんのコメントへの返信です。
コメント欄では図がUPできないので、日記を書くことにしたものです。

以下が私の意見です。

  • 弾道ミサイルが日本海上空を飛翔している間は高度が高すぎて迎撃ミサイルが届かない。
  • 迎撃ミサイルが届く高度にまで弾道ミサイルが落ちてきたときは、すでに日本海を飛び越えているので、やはり届かない。
  • 中国のミサイルも朝鮮のミサイルも同じ事。

これに対してTさんはそんなことはないだろうと疑問を呈されました。

のシミュレートはどんなシミュレートでしょうか?
発射→発射確認ならびに弾道計算で2分ほどならばまだ200~300kmほどしか飛んでいないはずです。

では、ここからがその疑問に対する私の回答です。

防衛省の資料がありますのでごらん下さい。
通称「MD評価」といわれる資料です。
*http://www.mod.go.jp/j/info/hyouka/15/jizen/sankou/01.pdf

上記資料中にミサイル弾道と迎撃可能高度を示す図があります。
見にくいかも知れませんが写真で図を添付します。

海上自衛隊の想定しているのは射程1300mの水色の分です。
赤い横線で「ブースト」「ミッドコース」「ターミナル」の各段階が区切られています。スタンダードミサイルはこのうち「ミッドコース」で迎撃するのですが、迎撃可能高度とされる約100kmの位置と言えば、飛翔コースの最終段階にあたるのが分かります。

また防衛省の「弾道ミサイル防衛システムの整備等について」という資料についている図も、不正確ですが上空を通り過ぎたミサイルを後方から追尾して撃墜することを示すと見える図があります。
*http://www.mod.go.jp/j/library/bmd/index.html

この分析を裏付ける新聞記事もあります。

【ミサイル防衛】海自、迎撃試験に成功 ハワイ沖 米国以外では初
東京新聞 2007/12/8
中距離標的はカウアイ島西部の米軍施設から発射され、大気圏外に出た後、分離した弾頭部にSM3が命中した。標的発射から迎撃完了まで約七分だった。標的は射程約一千キロで、北朝鮮の中距離弾道ミサイル「ノドン」とほぼ同じ飛行速度という。
http://www.asyura2.com/07/senkyo45/msg/363.html

上の記事では発射から撃墜まで7分かかったことになります。ノドンの到達時間は約10分とされているので、7分目というのは飛翔最終段階ということになりますね。ということですので、迎撃ポイントはやはり日本海を遙かに通り過ぎた本土上空であり、そこだとスタンダードミサイルが届かないという私の意見が裏付けられていると思います。

(泥)実戦の条件からかけ離れた、SM3が迎撃できる条件内で迎撃実験をしているだけなので、その「成功」はミサイルの有効性を証明できていない。
(T)それは当然のことではないでしょうか。迎撃できない条件で迎撃実験やってもそりゃ迎撃できない条件なのですから迎撃出来ないのは当然な話ですから。

実験は原理的にあり得ない簡単すぎる想定で行われました。とても近い所から、遅いスピードで、低い高度で、スタンダードミサイルが届く範囲を飛翔したんです。実戦ではこうはうまくいきませんよね。実験がうまく行ったことを以て、現実としてうまく行くかのような印象を与えるのはほとんど虚偽に近いと言えませんか?

巨額を費やしたホラ話だったと今では判明している、悪名高きレーガンのレーザー迎撃システムと大して違わないように思います。