アフガン支援で政府の本音が出てきた

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自衛隊専門紙「朝雲新聞」が海上自衛隊の給油活動打ち切りを批判する論評を掲載している。日本のタンカーがソマリア沖で海賊に乗っ取られたが、それを見ても安全確保のために給油活動を再開すべきだというのだ。(*末尾に転載)

馬鹿な政治家よりも、よほど冷静で客観的な論評で信頼されている「朝雲寸言」だが、今回の論評はいただけない。

いただけないが、その正直さはさすが「軍人」だなと思う。『朝雲』は民間新聞だが、そのスタンス、その発想はどうしても「軍人」である。

>ソマリア沖といえば、OEF-MIOによる監視対象とされている海域だ。

これはそのとおりだ。「OEF-MIO」とは「不朽の自由作戦-アフリカの角」のことだ。それは自分の日記にも書いたことがある。

自衛隊の給油活動は、アフガン支援だけではありません

先日の弁護士会主催の憲法集会で基調講演をされた松山弁護士から『テロ特措法Q&A』の原稿が回ってきました。それを読むと、こんなことが書いてあります。 Q1-A:米軍主導の多国籍軍によるアフガンへの対テロ戦争「不朽の自由作戦」…… ゲゲッ、これは大変。...

>インド洋が安全の海ではないことが改めて明らかになった。
>このタンカーが、MIOに従事する外国の海軍によって救出されるような展開になった場合、わが国は国際社会に合わせる顔がないだろう。

いや、ソマリア沖はアデン湾内部であって、インド洋ではない。しかも政府説明によれば、ソマリア作戦支援は海上自衛隊の任務外のはずだ。任務外である地域で海賊被害にあうと、どうしてそれが海上自衛隊のせいになるのだ。どうして「わが国は国際社会に合わせる顔がない」ことになるというのか。海上自衛隊の給油は、ソマリア作戦にも貢献しているとでも言うのだろうか。

それならば海上自衛隊は、給油活動がアフガン作戦支援にとどまらず、「OEF-不朽の自由作戦」そのものの支援であることを認めるのだろうか。私はそれを疑っていたが、やはりそうなのか。では、アフガン支援だけ、という政府説明はウソだったのか。

そう。政府説明はウソなのだ。「アフガン」というしばりをなくせば、全世界5カ所で展開されている「OEF-不朽の自由作戦」への参加が野放図に拡大してしまうことになる。それは明らかに憲法違反だという批判が避けられない。そこで政府は「アフガンだけだ」という説明にしがみついているだけなのだ。が、そのウソは徐々にほころびている。

小泉内閣から始まった憲法無視の外交を修正できる時が、ようやく訪れたようだ。野党にはどんどん攻めてもらいたいと思う。

朝雲寸言
2007年11月1日

おりしも、日本船籍のケミカルタンカーがソマリア沖で乗っ取られたというニュースが入ってきた。ソマリア沖といえば、OEF-MIOによる監視対象とされている海域だ。事件の詳細は未だ不明だが、インド洋が安全の海ではないことが改めて明らかになった。
今後、このタンカーが、MIOに従事する外国の海軍によって救出されるような展開になった場合、わが国は国際社会に合わせる顔がないだろう。防衛省の不祥事は不祥事として追及し、改善しなければならないが、必要な任務は任務として一日も早く再開できるよう、与党も野党もよくよく考えてもらいたい。
今回シージャックされた船には日本人船員はいないようだが、仮に人命に関わる事件となれば、誰が責任をとるのか。