長い前置き 沖縄の少女暴行事件のこと

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容疑の米兵、女子生徒から携帯番号聞き出す…再接触図る?
読売新聞 2008/2/1312:55
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まず前置きなんだけど。

日本では弁護士が警察の取り調べに立ち会うことが認められていない。それがなぜかという理由を、法務省が述べている。「被疑者弁護をめぐる諸問題」と題する公開資料だ。弁護士はこんなことをするから信用ならない、だから取り調べに立ち会わせないという、その内容を見てひっくり返った。

問題があるというから、弁護士が被疑者に対して証拠隠滅や犯人隠避を勧めたり、偽証の仕方を教えたりしているのかと思ったら、全然ちがうんだわ。黙秘権の行使を勧めるのがいけない。調書にハンコをつくなと言うのがいけない。これらの弁護活動は、真相解明のための捜査活動を違法・不当に妨害するというのだ。

おい!法務省。ちょっとお尋ねするんだが。あんたは弁護士がこういうことをしていることを、なんで知ったんだ?被疑者と弁護人しか知らないはずの会話の内容が、どうして警察に筒抜けになっているんだ?問題というならこっちの方がよほど問題だと思うんだが、法務省にはそういう人権感覚は皆無のようだ。

しかも。

被疑者に黙秘権の行使を教えてなぜ悪い? これは基本的な法的権利じゃないか。被疑者が威圧的な取り調べにビビって、真偽取り混ぜて色々しゃべってしまい、あとから取り返しのつかないことになるというのがえん罪事件の特徴だろう。まず防御権を行使して、心理的に落ち着いてから真実を述べ、正しい捜査に協力する。これのどこが悪いというのだ。

供述調書にハンコをつくなと指図するのが問題だって? 何を考えてんだか。何につけてもうっかりハンコをついちゃいけない。こんなことは世間の常識だ。供述調書といっても、警察官の勝手な作文であることが多いという。そんなものにホイホイと同意しては後々困ったことになるから、よくよく確かめるまではハンコをついてはいけない。そのように指導するのが、なぜいけない?

法務省は自分をお白州のお代官さまと勘違いしてやしないか? 被疑者が法律知識に乏しい方が、取り調べがしやすいと思ってるんだ。しかしそれは取りも直さず、被疑者がえん罪に陥れられやすいということじゃないか。

まだまだ言うことはあるけど、じつはこれは本論ではない。
ここまでは前置き。
本題は、沖縄の14歳少女暴行事件のこと。

政府は、14歳の女の子をしつこく追いかけ回して暴行した強姦野郎米兵の取り調べに、米政府側を立ち会わせるという。

町村氏は一方、容疑者の米海兵隊員の取り調べの際の米政府関係者の立ち会い問題については「そのことが(捜査の)妨げになっているという実態があるのならば話は別だが、特に今回の事件では(米側は)『捜査に全面協力する』と言っている。そういう問題は生じないのではないか」と問題視しない考えを示した。
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200802131300_03.htm

町村氏とは、町村信孝官房長官のことだ。日本人女性が何人も同じ被害に遭ってるのに、日米地位協定は見直さないし、米兵の取り調べに保護国側を立ち会わせる。立ち会わせても捜査に支障がないんだって。

コラア! その同じ内容を、法務省に言ってみろ! 警察にも言え!

お前ら、米兵なら強姦野郎の人権を守るくせに、日本人の人権は守れへんのか! そんなことやから、米兵になめられて同じ事件が続くのと違うか。俺たち米兵は日本人より大事にされてるんだぜ~、なんて思われてるんじゃないのか? だから14歳少女が襲われたんとちがうんか!

こいつら政治家の主権者はアメリカか!

沖縄をただエキゾチックな島としか見ない本土の意識は、知らずの間に沖縄を異化してるんじゃないかなあ。

姫路で友人がエイサーを広めてます。エイサーを通じて沖縄の基地問題に触れてもらいたいのが動機でした。エイサーはとても人気があって、サークルとしては成功しています。お城まつりには百人近いエイサーパレードができるんです。が、肝心の沖縄の社会問題がサークルに浸透しない。

どうしてなんだかなあ。世代を問わず、政治問題を語るのが特殊なことで、カッコよくないという気分が漂ってるんですかね。

日本の労働者は労働組合がカッコ悪くてダサいというイデオロギーにだまされて労働組合や労働問題を異化してしまい、そのせいでいま不正規労働や過労死、低賃金に直面しています。

それと同じで、沖縄を他人事にしてしまったら、そのツケはきっと日本全土に及ぶでしょう。とてつもなく高いものにつきますよ。