自衛隊に制裁は似合わない

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15人相手に訓練 3等海曹死亡
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日本の安全保障のためには、小規模で精強な自衛隊であることが望ましいと私は考えています。そのための訓練は厳しいものになるでしょう。しかしながら、これは訓練ではありません。
訓練に耐えられなくて脱落していく者に対するリンチです。

その所属組織を抜けようとする者に制裁を加えるのは、自衛隊の本質ではありません。そういうことがある(あった)のはヤクザ組織とか一部の過激な左翼組織です。自衛隊は彼らのようなアウトローではないのですから、こんな悪習とはキッパリ縁を切ってほしい。

制裁の動機はなんでしょう。

脱落が決まっているのですから、本人を立ち直らせる目的でないことは明らかです。これは今後現れるかも知れない脱落者をリンチの恐怖で引き留めるためというのが一つ。もう一つは、リンチに加わればまさか自分が次に脱落するわけにいかないという心理を生むでしょうから、それを期待してのことではないでしょうか。

体罰が強兵を生まないことは世界一体罰が多いと言われるロシア軍を見ればわかります。また体罰は盲目的に服従する習性を育てるだけです。そういう兵士を必要とする軍は米軍とか旧日本軍のような外征軍でしょう。自衛隊が必要としているのはそういう兵ではないはずです。旺盛な国防意識は任務に対する誇りから生まれるのであって、組織に対する恐怖から生まれるものではありません。

特警隊はいつまでも秘密部隊でいないで、国民に広くその任務と訓練を公開して理解を求めるべきではないかと思います。そうすることが隊員の任務に対する誇りを育てられないでしょうか。陸自のレンジャーと比べてそう思います。

亡くなった三曹にはとてもお気の毒で言葉もありません。特別訓練部隊を志願するくらいだから、きっとまじめで国防意識の高い隊員だったのでしょう。しかし自衛官全員がスーパーマンではないのですから、体力的にどうしてもついていけない者もいるはずです。それは能力に差がある人間である以上どうしようもないことであって、体力がなければ自衛官失格ということではないのですから、その高い使命感を生かせる別の部署に移る方が安全保障のために有益だったはずです。

自衛隊はその組織的過ちによって有為な人材を失ってしまったことを深く反省し、被害者遺族に心より謝罪して手厚く補償を行い、再発防止に努め、責任者を処罰してけじめをつけてほしい。そして新たな気持ちで訓練に励んでほしいと思います。

日本海の安全を守るために日夜厳しい訓練に励んでいる海上自衛官諸士に敬意をはらいつつ、あえて苦言を述べました。