民主党批判のいろいろ

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先日の日記
温室ガス削減は急務だ

読売新聞記事 * >エネルギー価格の上昇などで世帯当たりの負担は年間36万円増えるなどとする試算結果 いい加減にこういう誤解を生む書き方は止めたらどうかなあ。私の日記を読んでいる人ならすでに承知のことですが、正しく表現すればつぎのようになります...

に対し、いつもユニークなツッコミを入れてくれる風棲さんが面白い民主党批判をくれたので、それについて書いてみます。引用部分が風棲さんの意見です。

1 円高の容認
現在のような急激な円高は輸出産業に大打撃を与えます。

そうは言うけれど、円高傾向はなにも民主党が政権をとって以後じゃありません。去年の暮れから今年にかけてもかなりの円高でした。昨年12月17日 には88円24銭をつけています。今年2月4日は8円83銭でした。その時にこんなに騒いでいたでしょうか。
http://www.resona-gr.co.jp/resonabank/hojin/kinyusoba/yensoba/#02

以下のサイトで「単位:週足」「期間:400」→「描画」をクリックしてください。
http://money.www.infoseek.co.jp/MnForex/fxchart/?fx=F1001
このところの円高傾向が連続したものであることがよくわかります。

円高容認論者は中馬弘毅をはじめ自民党にもいるし、福田内閣の額賀財務大臣みたいに円高の最中に「為替の水準についてはコメント差し控えたい。今後の相場展開については注意深く見ていきたい。米国は強いドルが自らの国益になると言っている」なんて言ってた人もいるけど、いまほど国賊扱いはされていませんでした。急に叫ばれ始めた円高批判はどうも不審で、情報操作ではないかと私は疑っています。

2 返済のモラトリアム
過去の非ではない中小企業への貸し渋りが発生します。

これはそうでしょうね。たぶん法的モラトリアムは実現しません。

実現するとしたら、銀行と顧客との私的契約の範囲で貸し出し条件を変更して、利息だけ支払えば元本返済は猶予するという方向を行政指導という形で促すやり方。

体力の弱った会社に金利負担を強いてはもっと体力が奪われ、いつかは倒産し、結局銀行は不良債権を抱えることになります。かと言って資金繰りに行き詰まった企業に融資を拡大しても、返済負担が重くなるだけですから、黒字倒産に追い込まれるかも知れません。それならば債務を増やさない返済猶予が有効な中小企業は多いでしょう。

ただし銀行と企業とは車の両輪ですから、共存共栄を図る必要があります。銀行だけが一方的に損をするのではうまくいきません。リスクに応じた適切な収益が見込めれば、金融は動き出します。政府の保証枠を広げるのと併用すればどうでしょうか。これなら銀行も安心だし、返済猶予で体力が回復すれば不良債権化が防げるわけですから、この方法はまんざら悪くないと思います。

けれど一律に法で定めるのはどうかと思います。個々の企業の状態を見て、融資拡大なのか、返済猶予なのか、あるいは治療不可能とみなして倒産させるか、これは融資の現場で具体的に判断するしかない。国に出来ることは、強制性のないガイドラインを示して、政策誘導することだと思います。

どんな施策が有効なのかこれから調査すると亀井さんは言っていますし、昭和恐慌を想起させる「モラトリアム」という名称を使った点から判断して、まあアドバルーンを上げたということではないかな。

ここで考え込むのが、小泉・竹中改革の目玉である銀行の自己資本比率というやつ。他人から預かったお金を市中に貸し出すのが銀行の役割のはずで、お金を効率的に回していれば自己資本比率が低くなるのが当然です。それで日本の銀行はちゃんと役割を果たしてきた。なぜ銀行がもうけを貯め込んで自己資本比率を上げる必要があるのか、さっぱりわかりません。

それをして喜ぶのは配当が増える大株主だけです。株主偏重の欧米流のやり方がうまくいかないことはこの間の経済危機で身にしみて分かったはずです。この点を改善しないと、市中にお金が回りにくい現状に大きな変化は望めないでしょう。