在日朝鮮人は密入国してきたのか?

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戦後に日本に渡った在日朝鮮人が、密入国者もしくは密入国者の子孫であるというネトウヨに人気の妄説がある。これに対する反論をあまり見ないので、知られていることかも知れないが念のために否定しておく。

渡来朝鮮人の扱いについて、まず指針を示したのはGHQだった。
帝国政府に対し、GHQが指示した覚え書きがある。

『日本における非日本人の入国及び登録に関する総司令部覚書』
(昭和21年4月2日(GA(SCAPIN 852)
*http://www.key-j.org/keyword/archives/19460402_onm10_oboegaki.html

以下、抜粋する。

非日本人の入国及び登録

1 占領軍に属さない非日本人が、時々日本入国の許可を与えられることがあるであろう。
これらの者は半永久的に日本に居住するであろう。
外国に日本の領事が駐在せず従って査証を受けることができないため、合法的入国及び居住の手続を設定することが必要となる。

2 次に述べる手続において、日本帝国政府が日本側としての処置を実施することを希望する。
イ 本司令部は、入国を許可された者に対してその許可を通告すると共に、査証は必要ないが、日本へ到着した後登録のために日本の内務省に届け出るよう通知する。
ロ 日本帝国政府は前記イに記されたところによって入国を許可された者の氏名を提供されるであろう。
ハ これらの者が内務省に届け出たならば日本帝国政府はこれを登録し、身分証明書その他日本国内居住を合法なものとす るに必要な書類を交付する。

「査証は必要ない」と記してあることに注目しよう。多くの朝鮮人は査証なしで密航してきた。だがGHQはこれを許可した。だから密入国とはいえないのだ。

このGHQ覚え書きにもとづいて、昭和22年5月2日、勅令207号『外国人登録令』が正式に発布された。

昭和22年5月2日 勅令207号
朕は、昭和20年勅令第542号ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く外国人登録令を裁可し、ここにこれを公布せしめる。(裕仁 天皇御璽)

それまで朝鮮人の渡来については、違法とも合法とも言いかねるグレーゾーンだった。勅令は、「台湾人のうち内務大臣の定める者及び朝鮮人は、この勅令の適用については、当分の間、これを外国人とみなす」と定めた。勅令により「みなし外国人」たる身分となった渡来朝鮮人は、登録が義務づけられた。

外国人登録令
第4条
外国人は、本邦に入ったときは60日以内に(中略)居住地を定め、内務大臣の定めるところにより、当該居住地の市町村の長に対し、所要の事項の登録を申請しなければならない。

このように、渡来朝鮮人は入国後60日以内に届け出れば、不法入国とならなかった。正規に入国したならその場でする入国届けを「60日以内に届け出る」というのだから、正式の通関手続を経ていない入国者=密航者が対象となっているのだ。密航者であっても、事後に正規の手続をすれば合法的に在留できるということだ。

当時、朝鮮人は日本国籍だった。

いくら「外国人とみなす」といっても、れっきとした日本国籍者について、密航次第に捕まえて送還するというのは筋が通らないだろう。当時の日本政府には、その程度の常識はあったのだ。

多くの朝鮮人が密航してきたのは事実だ。しかし、密航=密入国ではないのだ。密航してきたのだから、嘘をつくなど何か不正な手段で在留許可を得たように、ネトウヨは信じているようだが、そんなことしなくても合法的に手続きして在留できた。有名な密航者マルハンの会長も、この手続きに従って合法的に入国している。

このように、戦後に渡来してきた朝鮮人は合法的に滞在することができた。ネトウヨのいう「在日は戦後密入国してきた」「密入国者の子孫」というのがデマであることが、これでわかる。

息を吐くようにウソをつくネトウヨの実態が、またひとつ明るみになった。ウソデタラメデマのオンパレードで朝鮮人に「出ていけ」「死ね」「殺す」と悪罵を投げ掛けるレイシストども、ほんとに許せん!