これは危ない!……大本営の轍を踏むな!

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自衛隊運用、制服組に移管 文官部局廃止へ 来年度にも
*http://digital.asahi.com/articles/TKY201307171042.html?ref=comkiji_redirect&ref=reca
(記事は末尾参照)

自民党は大本営の過ちをまた繰り返したいのだろうか。大日本帝国政府は、統帥権を軍人に奪われてしまい、金を出すが口を出せないスポンサーに落ちぶれた。結果、軍の暴走を許した。

記事は言う、

軍隊の運用は、専門性が高いうえに迅速な対応を要求されることなどから、軍が一元的に扱うことが、世界各国では一般的となっている。

おいおい、いい加減なことを言うなよ。

たとえば自民党の好きなアメリカ。大統領と国防長官が文民なのは、まあ日本と一緒。だが5人の国防副長官も全員が文民で、しかも議会の指名が必要だ。国防副長官が担当するのは、軍事教練、国防計画、物資管理、会計、政策評価。ほとんど軍事計画全般に及ぶ。こうして文民グループが軍の首根っこを押さえているのだ。

米国の文民は好戦的だから軍を侵略的に用いているが、平和主義的な政府になれば軍を抑制できる。そうする権限を文民が握っているのだ。これが当たり前の文民統制であって、「軍隊の運用は、専門性が高い」などという理由で、自ら統制権限を手放すバカは自民党だけだ。

大日本帝国だって、初めから軍の独立を許していたわけではない。悪名高き大本営は、当初はただの臨時作戦機関に過ぎなかった。設置根拠は、基本法ではなく、一片の条令である。だが軍事作戦に政府は関与するなという理屈で、大本営には総理も議会も口出しができなかった。それをよいことに軍は軍政も軍令も大本営に集中させ、強大な独立権限をもつ組織に育ててしまったのだ。条令で設置された機関が、後に国政全体を牛耳る怪物になってしまった。文民統制をはずすというのは、恐ろしいことなのだ。

本当に安倍は何も分かっていない。
危険なバカを野放しにしてはいけない。

<記事>
防衛省は自衛隊の運用について、文官(背広組)からなる内部部局の運用企画局を廃止し、幹部自衛官(制服組)からなる統合幕僚監部に一元化する方針を固めた。制服組の権限を強めるもので、来年度の実施を目指す。

日本では先の戦争への反省から、戦後は文民の首相や防衛相が自衛隊を指揮する文民統制を敷いた。さらに背広組が、軍事中心の制服組とは違う立場から自衛隊を管理し、首相や防衛相を支えることで、文民統制をより強く働かせている。

運用企画局は部隊の活動や訓練を担当する。制服組も同様の組織を持ち、双方が防衛相に提言できる仕組みになっている。運用企画局は機能が統合幕僚監部に移管される形で廃止され、自衛隊の運用はすべて制服組の管轄となり、背広組の役割は大きく後退する。

運用企画局の廃止は自民党が6月に安倍晋三首相に提言した。

軍隊の運用は、専門性が高いうえに迅速な対応を要求されることなどから、軍が一元的に扱うことが、世界各国では一般的となっている。

同局の廃止で、自民党が憲法改正草案に掲げる国防軍創設を視野に、自衛隊の仕組みを他国に近づける狙いもある。

制服組の権限強化

防衛省が運用企画局の廃止方針を固めたのは、自民党の強い後押しによる。制服組の「背広組は権力を手放さない」という長年の不満を背景に、背広組の権限を弱める動きが、自民党の政権復帰で勢いづく。

背広組の権限を弱める動きは前からあった。2004年に制服組の海上自衛隊トップが当時の石破茂防衛庁長官に防衛参事官制度の廃止を進言。背広組の幹部らが長官に直接提言する制度で、09年に廃止された。

運用企画局の廃止は民主党政権で「文民統制」を理由に白紙にされたが、自民党は昨年に政権復帰後、防衛相経験者らが背広組の幹部らに実現を迫った。

自民党は今回の参院選でも、公約の土台となる政策集に「部隊運用組織の統合などでより積極的・効率的に機能する防衛省・自衛隊にする」と明記した。

自民党内には「文民統制とは、背広組でなく政治家が軍を統制することだ」(防衛相経験者)との考えが根強い。ただ、自衛隊を管理してきた知識、経験を持つ背広組の権限を弱め、政治家だけで十分に果たせるのか。党内からは「制服組の権限強化は慎重にすべきだ」との不安が早くももれる。