憲法集会で学んだこと

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憲法集会、成功

「第32回憲法を守るはりま集会」は、立ち見も出る盛況のうちに終了しました。

客席が一杯になってしまったので、急きょ折り畳みイスを用意したのですがそれでも足りなくて、実行委員はロビーでスピーカーの声だけ聞くことに。

ゲスト講師の伊藤千尋さんの公演がすごく評判がよくて、著書のサイン会はこれまた予定時間を大幅に超過してしまいました。

マイミクさんの協力で携帯電話を使って沖縄と結び、普天間基地の辺野古移設に反対する現地の声を直接会場に流す企画も好評でした。

世論調査によれば護憲の声が半数を超えているそうです。どうやら当面の改憲は実現しなさそうに見えます。しかし国民投票法の施行により、いつでも改憲発議が出来る状態になるのですから、油断は禁物です。

■コスタリカのしたこと

さて伊藤千尋さんのお話で印象深かったのはやはりコスタリカのことです。

「軍隊のない国」と言われるコスタリカですが、市民警察という準軍事組織があり、米軍と共同訓練をしていることが、最近はようやく知られてきました。ですからあの国も非武装とは言えないのですが、しかし軍事力に頼りきらない安全保障政策を、本気で追求しています。

国家予算の3分の1が軍事費だったコスタリカがそれを大幅に削減したことにより、何が可能になったか。
「兵士の数ほど教員を」のスローガンのもとに予算を教育にシフトしていった結果、コスタリカは中南米一の教育大国になったそうです。

GDPの最低6%を教育に充てなければならないと憲法で規定しているとか。
義務教育は完全に無償で、外国人も例外ではありません。
人口400万人のコスタリカが周辺国の難民を100万人も受け入れており、彼らにも無償教育を施しているなどと聞くと、我が日本とのあまりの差になんだか溜息が出そうです。

もっとも、難民のせいで最近は治安が悪くなっており、警棒だけだった警官が拳銃を下げるようになったといいますから、何もかもうまくいっているというのでもなさそうです。

■コスタリカの安全保障政策

軍備を極小化したので、コスタリカは安全保障を平和外交に求めています。周辺国に対して紛争の調停をしたり、軍事力によらない安全保障の教育を国内に徹底したり、国民に憲法的権利を行使するように政府が積極的に呼びかけたり。

伊藤さんがコスタリカにいたとき、そこらへんにいる女性を適当に選んでインタビューしたそうです。
相手は女子高校生でした。
伊藤さんは聞きました。
いくら平和を求めるといっても、侵略されたらどうするのかと。
軍隊がなくて不安ではないかと。
すると彼女が答えたそうです。
「コスタリカは紛争を調停して、3つも戦争を防ぎました。難民を受け入れ、地域の安定に貢献しています。こんな国を侵略したら、他の国が黙っていないでしょう。世界はコスタリカを見捨てないと信じています。私はコスタリカを誇りに思っています。」

……日本の女子高生に同じ質問したら、どう答えるだろう。

武力を減らせるなら減らす。
減らすべく本気で努力する。
軍隊でなくてもできることは、軍隊以外の組織にやらせる。
そのことで浮いた予算を教育や民生費や難民援助に回す。
子どもたちに平和教育を施し、好戦的世論が大きくなるのを抑止する。
そうして他国との無用の緊張を減らし、結果として安全保障の実を挙げる。
これこそ、憲法第9条の求める安全保障政策ではないでしょうか。

■日本を変えるのは市民の力

聞きながら、我が日本はどうだろうと考えていました。
自衛隊の海外派遣を常態化して、国民に慣れさせるため、何をしているのか。

民間組織がやっていることを、わざわざ自衛隊を派遣して、もっと非効率にやらせています。警察にできることを、自衛隊を派遣してやらせています。自衛隊の編成や装備も、国境防御のためにしては大型すぎるし、強力すぎます。陸上自衛隊と海上自衛隊は大きすぎます。そして安全保障について、国民への説明はウソばかりです。

間違った状態を変えていくのは、一人一人の市民だと伊藤さんは訴えていました。
その通りだと思います。

憲法集会は終わりました。
つぎは8月に予定している蓮池透さんの講演会の準備です。
休んでいるヒマないなあ。