おどろきの歴史教科書  邯鄲の夢?

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今日、メーデーから帰ってきたら急に疲れが出て、うたたねしてしまいました。目覚めてから押入を片づけていたら、見たことのない教科書が出てきました。

『2100年発行 高等学校世界史教科書』

はあ? 2100年って? 90年後じゃん。印刷ミスかも知れません。何気なく手にとって読んでみると、こんなことが書いてありました。

近世(1600年~2010年)
近世のアジア秩序は冊封体制とよばれます。

うえ? 近世が2010年まで続いたって……なにそれ?
あきれたのですが、しかし読み進むと、なるほどなあと思えてきたのです。そこで、うろ覚えですが、記憶にしたがってその内容を書き記しておこうと思います。

Ⅰ 朝鮮の敗北

冊封体制とは、宗主国が属国の上に君臨し、安全保障を提供すると同時に、経済的な関係を通じて支配する体制です。1636年、朝鮮はアジア世界に台頭してきた清と戦い、敗北しました。朝鮮は圧倒的な清の武力の前に、徹底抗戦を唱える主戦派を押さえて、耐えがたきを耐えて、三田渡の地で屈辱的な条約を結びます。清は朝鮮に対して、つぎのようなことを約束させました。

1.軍事同盟を結び、清国が明を征服する時には援軍を派遣すること
2.朝鮮は独自の安全保障政策をもたないこと
3.清国に毎年予算と物品を提供すること

また清国は冊封貿易を通じて経済的に朝鮮を従属化におきました。

Ⅱ 新しい秩序と朝鮮の小中華思想

こうして朝鮮は、清国中心の秩序の中に組み込まれました。その秩序とは、清国が世界の最高にして中心であり、他国は清国に従うべしとする思想の下に平和が保証されるという関係性をいいます。

満州人を野蛮人であると考えてきた朝鮮人にとって、満州人の国である清国に従うことは屈辱であり、国内に小中華思想が台頭しました。小中華思想とは、朝鮮民族こそが漢文明の正しい継承者であり、文化的先進国であり優越していると考える思想です。

Ⅲ 大日本帝国の敗北

この秩序は、勃興してきた大日本帝国の前に崩れ去りました。しかし、三田渡の地で朝鮮が屈辱をなめてから300年後の1945年、大日本帝国はアジア世界に台頭してきたアメリカと戦い、敗北しました。日本は圧倒的なアメリカの武力の前に、徹底抗戦を唱える主戦派を押さえて、耐えがたきを耐えて、サンフランシスコで屈辱的な条約を結びます。アメリカは日本に対して、つぎのようなことを約束させました。

1.軍事同盟を結び、アメリカが軍事行動を起こす時には援助すること
2.日本は独自の安全保障政策をもたないこと
3.アメリカ軍に毎年予算と物品を提供すること

またアメリカはドル貿易を通じて経済的に日本を従属下におきました。

Ⅳ 新しい秩序と日本の小中華思想

こうして日本は、アメリカ中心の世界秩序の中に組み込まれました。その秩序とは、アメリカが世界の最高にして中心であり、他国はアメリカに従うべしとする思想の下に平和が保証されるという関係性をいいます。

西洋人を野蛮人であると考えてきた日本人にとって、西洋人の国であるアメリカに従うことは屈辱のはずなのですが、小中華思想は奇妙な形で台頭しました。奇妙な小中華思想とは、アメリカに屈従している現状を肯定し、アジアの国より日本はアメリカ化しているので先進国であり優越しているという論理で、従属状態を合理化する思想です。

Ⅴ 近世的支配関係の終焉

この秩序は、勃興してきた日本国民の民主化運動の前に崩れ去りました。サンフランシスコで日本が屈辱をなめてから65年後の2010年、アメリカとそれに従属する日本属国政府は、日本国内に台頭してきた市民運動に押されて、沖縄の基地のひとつである普天間飛行場を、アメリカに移転させました。これがアメリカ中心の秩序の崩壊の始まりとなりました。

ここまで読んでから、また疲れがぶり返して、うとうとしてしまいました。目覚めてから続きを読もうとすると、あの教科書がありません。奥さんが片づけてしまったのかと思って確かめても、知らないといいます。

考えてみれば、2100年の教科書なんかあるはずがない。夢? それとも時間の流れがちょっと乱れて、一瞬だけ未来をかいま見たんでしょうか。

2010年が歴史の転機になるって……本当かなあ。もしもそうなら、うれしいんだけどね。ハトはどうやら国民を裏切りそうです。だったら、私たちは、どうすればいい?
本日、私たちは「第32回 憲法を守る播磨集会」をもちます。