おしえて!鳩山さん

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首相「場当たり的な発言ない」
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しかし次の発言は場当たりを示していると思います。

「昨年の衆院選当時は、海兵隊が抑止力として沖縄に存在しなければならないとは思っていなかった。」
「学べば学ぶほど(海兵隊の各部隊が)連携し抑止力を維持していることが分かった。」
「(認識が)浅かったと言われればその通りかもしれない。」
「環境を守りながら平和を維持するための解決策を、国民全員で考えていかなければならない。その先頭に立って考えていく。」

こう言うなら、新たに学んだというその内容を国民に説明すべきです。あれほど県内移設に反対していた鳩山総理が、考えを変えざるを得なくなった、その学んだ内容とはなんなのか。それを説明すれば、沖縄県民だって分かってくれるかも知れないではありませんか。しかし、総理から具体的な説明は、ありません。これでは困るのです。説明してくれないからわからないことが、色々とあるのです。

■どうして普天間移設?

まずはじめに、普天間基地の移設は、何のために必要になったのでしょう。海兵隊のほとんどがグアムに帰るからです。海兵隊が抑止力だというなら、その抑止力を沖縄から減らすための措置、それが普天間移設ということになります。

抑止力が大切だといいながら、抑止力を減らすために、県民に無理を強いる……これは矛盾ではないでしょうか。本当に米軍は海兵隊が抑止力だと考えているのでしょうか。そうは考えていないからグアムに帰るのではないでしょうか。ここはぜひとも、総理から具体的に話を聞きたいと思います。

■普天間飛行場は国連軍の指定基地?

ネットの一部でとくとくと語られているのが、これです。国連軍の指定基地を、日本の意思だけでどうにかできるはずがないというのです。国会で質問されて、鳩山さんが「知らなかった」と答えています。

この議論がおかしいのは明らかです。「国連軍指定基地だから普天間基地を閉鎖できない」というのなら、筋が通っていますが、そんな議論ではないのです。なぜなら普天間基地は閉鎖されることが日米合意で決まっているからです。普天間基地は国連軍指定基地だから、国連軍指定基地ではない海兵隊の飛行場を辺野古につくれ……これがまともな意見であると思える人は、一度脳みそを切開してもらった方が良いと思います。

では、国連軍指定基地とは何か。それは日本と朝鮮国連軍の地位協定第5条で決められているものです。日本政府が許可すれば、在日米軍の基地を国連軍にも使わせることができるという取り決めです。ですから指定対象となりうるのは、すべての米軍基地です。その中で日本政府が許可したひとつに、普天間が含まれているというだけのことです。そこを指定からはずせないなんてことはありません。事実、座間は2007年に指定からはずれました。

さて、鳩山総理はまさかこんなヨタを真に受けたのではないと思いますが、国会でうろたえていたので心配になるではありませんか。ここも、ぜひちゃんと説明をいただきたい。

■海兵隊は台湾を守るため?

なぜ普天間に海兵隊のヘリ部隊があり、どうしてそれを沖縄以外に移設してはならないのか、これまで説得的な説明がされたことがありません。唯一、読売新聞がその説明を書いています。誰だか分からないアメリカ側から、日本の匿名の審議官が聞いたという、なんだか当てにならない話のリークですが。

<沖縄の海兵隊が台湾に出動するシナリオ>

中国軍が特殊部隊を派遣して、台湾の政権中枢を制圧する。そして親中政権を樹立して台湾を支配下に収める。親中政権が台湾全土を完全に掌握するまで、数日間しかない。そこで、騎兵隊よろしく在沖縄海兵隊を台湾に急派し、中国軍特殊部隊をやっつける。このためには、ヘリで台湾に行けるところに海兵隊がいなければならない。すると海兵隊の基地は沖縄しかあり得ない。(読売新聞2005年6月30日要約)

と、こういうマンガです。

戦う相手の中国軍特殊部隊は、台湾に侵入するやたちまち政権中枢を握り、台湾軍20万人を相手に全土を制圧できるというスーパーマンです。そんなのと戦って台湾を防衛するのが、たった1個大隊500人のマリーンですか。少年誌の劇画でも、もう少しましなシナリオを書くでしょう。

■誰でも考えつく疑問
  • どうして台湾に派遣されるのがトリイステーションの第1特殊部隊群第1大隊(グリーンベレー)じゃなくて普通の海兵隊なの?
  • どうして台湾に飛ぶのが陸軍のC-130(グリーンベレーがたくさん乗れて、足が速くて遠くまで飛べる)じゃなくて、海兵隊のヘリやオスプレイ(定員が少なく、足が遅くて長く飛べない)なの?
  • どうしてそんなに大切な任務を帯びた海兵隊主力を、グアムに移転してしまうの? 沖縄に残るのは一個大隊程度だというではありませんか。

こんなシナリオは、ヘリ(あるいはオスプレイ)しか持たない海兵隊を沖縄に置いておくためにつくられた、苦肉の絵空事です。でも、天下の読売新聞が堂々と書いているので、鳩山総理がそういう説明で納得しちゃったんじゃないかなと、私はちょい不安です。このあたりがどうなのか、やはり説明が欲しいです。

■追加で

あと、これは沖縄県民が反対するだろうからあれなんですが、嘉手納に移設という案もありました。それがつぶれたのは、海兵隊と空軍は管制方式が違うので、1つの空港を共同で使えないから、なんて意見もあります。でも「グアム統合軍事開発計画」を読むと、アンダーセン基地を海兵航空団と空軍が共同使用することになっています。アンダーセン空軍基地副司令官のブリーフィングでも、「65機から70機の海兵隊航空機が来ることになっている」と語られています。アンダーセン空軍基地のノースウエストフィールドには、空軍と海兵隊が訓練する施設がつくられることになってますしね。

ここいらも、変な話ばかりが飛び交っているので、鳩山さんはうろたえてしまったんじゃないかと思い、どうなんだか聞いてみたいところです。

鳩山さん、あなたが学んだことを、ぜひ国民に説明してください。よろしくお願いします。