『沖縄県民大会参加記』 もぐらさん日記より

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以下はマイミクのもぐらさんの日記です。
沖縄県民大会訴えをされたジェーンさんの訴えがそのまんま掲載してあります。(テープ起こし?)

とても貴重な記録だと思います。
リンクのお許しが出たのですが、なるべく多くの人に呼んで頂きたいので、全文をこちらに転載させてもらいます。

沖縄県民大会(3月23日)に参加して(1)

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沖縄県民大会に是非、参加しなくちゃ、情報としてでなく、直に沖縄県民の怒りを聞いて見て感じたい、またワタシも怒っている、ということを直接沖縄へ言って伝えたい、という思いはずっと前からありました。

しかし、今回の経緯、特に中3少女が「そっとしておいて欲しい」と訴えを取り下げたということもあり、女性の性被害に対しては「本人の話を100%信用する、本人の意向を大切にする」が基本のワタシにとっては、なにか「こんなワタシがのこのこ大阪から参加していいのかなぁ…」っていう、うつむき加減の思いが初めのうちつきまとう参加でした。

「ずっと本土で育ち、基地のそばにすんだこともないワタシに、沖縄県民の何が解るというのか。いや、だからこそ参加するのだ」という自問自答。そして、帰る直前になって、やはり、ワタシの想像力の外にある沖縄県民の思いにも接しました。

県民大会は、午後2時からの予定。土地勘もなく、迷ったりしたらいけないので、9時半にはホテルを出て、バスに乗り、結局午前10時には会場に着きました。時間が余ったら本でも読んでいようとナップサックの中に宮城晴美さんの『新版 母の遺したもの』を持って。でも、本なんか読んでいるヒマのないほどいろいろ(土砂降りもふくめて)ありました。

プログラムは

1.主催者あいさつ(玉寄哲永大会実行委員長)
2.開催地代表あいさつ(北谷町長)
3.首長あいさつ
(東門美津子沖縄市長)
(翁長雄志 那覇市長)
4.カンパの呼びかけ
(小渡ハル子大会実行副委員長)
5.ワタシたちは訴える
(小渡ハル子沖縄県婦人連合会会長)
(三宅俊司弁護士)
(中山きく青春を語る会代表)
(大浜敏夫連合沖縄副会長・沖教組委員長)
(金城喜美代那覇市立松島中学校PTA会長)
(松田正二北谷町砂辺区長)
6.被害者の声(ジェーン~仮名~)
7.メッセージの紹介
8.決議採択(大城節子沖縄県婦人連合副会長)
9.閉会のあいさつ(山田君子沖縄県老人クラブ連合会副会長)
10.ガンバロー三唱(玉寄哲永大会実行委員長)

開始予定時刻の一時間前くらいから、それまでしょぼしょぼ降っていた雨が土砂降りになり、開場の芝生の上に池のように水がたまり、雨がさらに強く降って来ました。主催者側の人らしい方が、近くのドームを借りてはどうか、などいろいろ意見を言っていたようですが結局予定どおり、予定時刻に、予定の公園で始める事になりました。

そして「予定時刻の○○分前になりましたので、参加者の皆さん、どうか公園にお集りください」のアナウンスでみんな雨宿りしていたところから出て来て、土砂降りの公園に集まりました。誰一人帰る人はいません。それどころか、カサをさしてさらに続々と集まって来ます。バスの中からも、たくさん参加者が降りて来ます。

こういう状況で大会は始められました。

ワタシが一番印象に残ったのは「被害者の声~オーストラリア人女性ジェーンさん(仮名)」のメッセージでした。


被害者の声(ジェーン)

沖縄にいるみなさん、こんにちは!
ここで、話したい(ことを伝える場)をくれて感謝します。
今日はワタシの6年間の米兵との闘いを見せてがんばって言いたいと思います。
私はオーストラリア人なんですけど、30年近く日本に住んでいます。
私は3人子供がいます。
私の子供は沖縄人です。
沖縄人と言われる事をとても誇りに思っています。
私はPTSDがあるのですが、私も日本語間違いありましたら許してください。

まず、性犯罪というのは何でしょうか?
性犯罪は性交渉ではありません。
性犯罪はパワー、暴力のことです。
たとえば自分の子供に「かわいい、かわいい」と
頭になでることはできます。それが愛情です。
しかし、同じ手で続けて子供を死ぬまで投げることもできる、
その手は武器になりました。
その手を暴力として使いました。
その武器が手でした。
性犯罪も同じです。
手も体も武器になります。

性犯罪の被害者会った事ありますでしょうか。

誰でも被害者という事ないことあります。
ないなら、私はジェーンです。私は性犯罪の被害者です。
私は恥ずかしいことありません!
私は悪くないです!(拍手)

見ず知らずの人に強姦されました。
この犯人は横須賀基地の米兵でした。
2002年の4月6日、私の人生が大きく変わりました。
私の一番最悪の悪夢が現実になりました。
私はその時は(しばらく絶句)殺された方がマシ、
なぜなら、毎日毎日、毎晩も毎晩も、何年も何年も、
死ぬまで私が忘れる事できません!

その時の私のケガは治りましたけど、心のキズは永遠に残っている。
私は、強姦されたとき、日本の警察が助けてくれると思いました。
警察が助けてくれると思いましたが、しかし、違いました。
私はぼろぼろにさえされました。
もう、私は加害者扱いされました。
米兵だけではなく、警察からも二次被害を受けました。
ここで、私の口から言えなくらい警察も頼りなかった。
何回も何回も知らない人に強姦のことについて話ししないとなりませんが、
私は大人ですが、とてもつらかった。
被害者が子供だったら、もっともっと大変と思いませんか?
(そうだ!というかけ声)
その気持ちを解ってください。

私は日本がコンバットゾーンと呼びます。
戦闘地域。
これは女性と子供たちに対する闘いです。
なぜというのは、今年2008年、
米兵による犯罪、突然に始まったことではない。
米兵が来てから60年間、毎年続けて犯罪は起きています。
30年間私も見ています。
みなさん、由美子ちゃん事件は憶えてますか?
1955年6才の少女が殺されました。
その6才の子供がもし今日生きてるんだったら、今は53才ですよ。
この6才の子供には生きてる権利がありました。
米兵がその子供の生きてる権利を奪いました。
私も生きてる権利もあります。
しかし、私の米兵の被害のこと、忘れる事できません。
私は沖縄に来れましたんですが、
この会でみんなの前で強姦被害者として、米兵による犯罪をがまんできません。
戦争は終わっていません。
戦争、ここにあります。

なんで私が6年間がんばって闘わないといけないのか。
なぜ、アメリカ政府、日本の政府、警察、裁判官、
国民のために何にもやってくれないのか。
なんで政府は私たち被害者を助けてくれないのか?
政府が、どうぞ日本にいる子供たち、女性たちに性犯罪をしてください、
と(いうのと)同じ事を言っています。

なぜ!? なぜ!? なぜ、私たちを裏切っているんですか?
私は6年間この答の返事を待ってます。
6年間続けてがんばって米兵と闘っています。
6年間続けて日本の政府に責任を求めている、
6時じゃなくて6日じゃなくて6ヶ月じゃなくて
6年間、ずうっと続けてがんばっています。

60年間変わっていない法律の社会、いる必要はありません。
ブッシュの国務長官ライスが日本にきたけれど、
沖縄に謝りに来ることはしなかった。
ライスも私にも謝っていません。
I am sorry.なんて、ごめんなさい、なんてことは不十分です。
ワタシたちにちゃんと謝って、ならば一人一人の被害者に謝りなさい。
きっと、60年間の被害者の数、今日きてくれてる数の方が少ないと思います。
もっとたくさんの被害者がいます。

ちゃんと謝ってくれるんだったら、
東京地方裁判所、私が強姦された米兵を日本に戻しなさい。
6年間米兵と裁判のやり取りした時、
傍聴席に一人でも私の事をサポートしていませんでした。
その6年間返してください。
日本の裁判、何のためにあるのですか?
私が裁判官でも米兵が逃げる事はできます。

一千万請求して、三百万支払えっていう命令、しかし、一円もまだ出されていない。
しかし、私たちの人生に値段をつけることはできません。(そうだ!とかけ声)
そして、被害者が悪いっていうことありません。(そうだ!)

沖縄の人たちに私たちの家族の名前出してもいいか、
学校でママのことでイジメあるかも知れないよ。
この私の子供の答えは、米兵や日本の政府はよく聞いてください。
「大丈夫よ、お母さん。ボクが守ってあげる。続けて守ってあげる。」
なんで、小学生が解っているのですか、答が。
「守ってあげる。続けて守ってあげる。お母さんが悪い事してません。」

今日は復活祭という日です。
何回も「神さま、私が最後の強姦の被害者にしてください。」
しかし、私が米兵に強姦された後、何回もこの被害者、出て来ました。
横須賀でも女性は殺されました。
もう聞く事つらくて、もう私も米兵による性犯罪被害者として、黙ってはいれない。
そして、そのために今日は沖縄へ来ました。

沖縄、平和への沖縄、
何にも悪くない沖縄、何にも悪くない私、
平和のためにと行動を進めて行きましょう。
私たちの平和の行動は世界が注目しています。
ずぅ~~~ッと見ていますよ。
悪いものは悪い。
正しいは正しい。

沖縄、私はここにみんなと一緒に立って、どんなに幸せ!
永遠の心をもって心からここにありがとうございます。
やっと今日、私が一人ではないという気持ちになりました。
助けてくれた沖縄、これからも前向き、平和で一緒に生きましょう。
心から、ありがとうございました!沖縄!(拍手)

(被害者の声オワリ)


これほど、気丈な女性ジェーンさんでさえ、サングラスをかけ、帽子を目深にかぶり、仮名でのスピーチでした。
性犯罪の被害を訴える女性が受ける、二次被害の酷さ、陰湿さを改めて思いました。
それにしても、6年間闘い続け、ここでこのメッセージをみんなの前で伝えてくれたジェーンさんには心から、敬意を表します。

そして、ジェーンさんの

>やっと今日、私が一人ではないという気持ちになりました。

を聞いたときやっと私は、うつむき加減でなくなりました。
そうよ!被害にあった女の子に伝えたい、あなたは決して一人じゃない。
あなたは完全に被害者であって、あなたは悪くない。
そして、私は怒っている。
あなたをこんな被害に遭わせた米兵、アメリカ政府、日本政府に対してすごく怒っている。
それを伝えに、それを行動で表すために私は来たのでした。
私だけじゃない。
見てご覧なさい。6000人もの人々が(それも日本の北海道から、沖縄の離島まで、全国から)やって来て、怒っていることを見せつけている。
じゃんじゃん降りの雨のなかでも、誰一人帰らず、身じろぎせず、被害者の声に耳を傾けている。
この人たちもみんな、あなたの味方なんよ!

それを伝えるために来たのだった、と思い至ったとき初めて私は
「あ~~~!本当に来てよかった!」とおもいました。