北朝鮮の脅威 2 (ミサイル1)

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まずこの日記のスタンスについて。
ここでは軍事的なものの見方、考え方をする。

軍事的な世界観では、大切なのは「能力」である。外交分析には相手の意図・意思の分析が欠かせないが、ここではそういう分析はしないし、できない。自分にはそんな分析能力も情報源もない。

また意図などはいつコロリとひっくり返るかわかったものではない。「昨日の友は今日の敵」が世界史上の事実なのだ。

北朝鮮が日本を口汚くののしろうが、知ったことではない。どんなに敵対心を抱いていても侵攻能力がなければ脅威ではないし、どれほど友好的にふるまっていても侵攻能力があれば警戒するにこしたことはない。これが軍隊の思考法だ。

この考え方で北朝鮮を見ればどうなのか、この日記に書くのはそういうことである。

拉致について考える前に、まず、ミサイル問題について述べる。弾道ミサイルの脅威について、日本国民はどのような具体的イメージをもっているのだろう。ミサイルの威力というものを分かっているのだろうか。

一般的に言って、核弾頭でも載せない限り、ロケットやミサイルで相手国を倒すことはできない。これは北朝鮮もよくわかっているのでミサイル攻撃の可能性はないが、ここではもしも攻撃されればどの程度の被害が出るかを見てみよう。

ドイツの弾道ミサイルV-2号には1tの爆弾が積んであった。第二次大戦中にロンドンに着弾したV-2号は、1358発。ロンドン市はかなりの損害を蒙ったとはいえ、空爆されたドレスデンや東京のような壊滅的被害ではなかった。

イラン・イラク戦争では双方あわせて約600発のスカッドを撃ち合った。スカッドの弾頭重量も約1tである。その結果はと言えば、みるべき戦果はほとんどなかったのが実情である。

つい最近のことだが、ヒズボラがイスラエルに対して3,970発のグラートロケットを発射した。このロケット弾の弾頭は小さいからスカッドと較べるのは相当ではないが、一応視野に入れておくために書いておく。報道によればグラートロケットによる戦略的打撃は皆無で、死者は約60人だった。

このように、ミサイルやロケットに国を揺るがすような威力などないことがわかる。
なのに政府やメディアが大騒ぎする理由は別にあるが、それは項を改める。

では北朝鮮のミサイルは具体的にどんな性能をもっているのだろう。
核や生物兵器ならどうなのか、原発を狙われたら恐ろしいのではないか。

明日からはその点について書く。