戦車200両削減しても自衛隊に実害なし

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戦車200両削減…その予算で南西諸島防衛強化
読売新聞2010/12/9 14:31
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陸上自衛隊の戦車数を現大綱(2004年策定)の「約600両」から200両削減し、「約400両」とする

写真:90式戦車

自衛隊の現有戦車は、90式約300両と74式約600両です。合わせて約900両。これを400両にするんですね。半分以下にするんだから、すごい軍縮だと思うけれども、じつはそうでもない。

■74式戦車延命計画の失敗

写真:74式戦車

誕生してから36年にもなる74式は、もう時代遅れの戦車です。戦車600両体制というのは、退役するはずだった74式戦車の老骨にムチ打って、無理矢理あと15年ほど働かせることを前提に立てられた計画でした。

90式に新型120mm砲を載せて、90式から下ろした旧式の120mm砲を74式に載せるという74式スーパー改造計画。ところが、結局うまくいかなかった。105mm砲搭載を前提に設計された74式に、120mm砲は、まあ無茶だったかも。テストでは撃った反動で車体が傾いてしまい、照準が定まらなかったそうですから。かといって発射の衝撃に負けないために、むやみに重くしても、エンジンや油圧懸架装置がもたないだろうし。スペースの関係でC41システムも搭載できなかったしね。

改造計画がうまくいかないなら、目標だけ景気よくてもダメです。そこであっさり引き下げたのでしょう。個人的なことを言えば、74式は大好きな戦車です。日本の地形にピッタリ適合した設計思想と、その斬新なフォルム。退役は残念だなあ。

■600両体制実現は20年先

写真:新型10式戦車

なに、どうせ新型戦車の調達数なんて年平均15両程度のはずです。90式の場合、300両配備するのに20年もかかった! 600両体制と言えば景気はいいけど、実現は20年先ですがな。

こんな計画をいま捨てたって、どうってことはない。いまは政府の財政再建に協力してますよっていうポーズをつくり、将来的に何かあればまた計画を元に戻そうということなんでしょう。自衛隊にはまったく実害のない計画変更だと思います。防衛省、なかなか頭いいじゃないか。

■戦車削減を外交の武器にしよう

戦車削減計画は、目下熱くなっている周辺諸国に「日本は軍縮してるんだぜ」ってイメージをアピールできる有効な手段です。

民主党にその度胸と智恵があれば、中国に対して「まあ頭を冷やしなさいな」と説教できるツールにもなり得ます。これはいい。うまく緊張緩和ができて、400両体制でもいいやって国際環境が本当に実現できれば、なおのこといい。だけど……まあ民主党にそんな外交を期待するのは、無理かな。