アフガン 米軍の新作戦

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マルジャを制圧した米軍は、つぎはカンダハル州で新たな作戦だそうです。

*http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&rel=j7&k=2010031000230
【ワシントン時事】アフガニスタンを訪問中のゲーツ米国防長官は9日、南部カンダハル州の前線基地を視察した。ロイター通信によると、ゲーツ長官は「この地域は、作戦の決定的な段階で重要な役割を担う」と述べ、同州で新たな反政府勢力タリバン掃討作戦の準備を進めていることを強調した。
カンダハルはタリバンの拠点で、年内に行われる掃討の成否はオバマ大統領のアフガン戦略の成否を左右することになる。

マルジャで比較的小規模に試して成功した作戦を、今度は本格的にやろうというものだと思います。マルジャのタリバンは基本的に一掃され、文民政府に行政権が引き継がれています。第2のファルージャになるとの見方もありましたが、そうはならないだろうという私の予測の方が正しかったようです(*)。市民の被害が極めて少なくて済んだのは奇跡のようですが、それが米軍の新戦略の目的でした。

カンダハルはタリバン政権時代、事実上の首都でした。いまもタリバンの勢力は大きくて、政府は首都しか掌握していないと言われています。新しい作戦は、州内の各都市を、マルジャのように時間を掛けてゆっくりと攻略していくことになるでしょう。劇的な決戦というものはないだろうというのが、司令官の予測です。

マルジャのように成功するかは未知数ですが、うまくいけばタリバンの権威が地に堕ちますから、アフガン情勢が徐々に好転するきっかけとなり得ると思います。ただしマルジャだって小康状態だというだけで、現地警察の治安能力が低ければ、またタリバンが舞い戻ってくる可能性もあります。

そういう事態に備えて、アメリカはもう一つの新しいアプローチを実施するそうです。
アフガンの警察官を訓練する役割を、ヨルダンに任せるというのです。
ヨルダンはすでにイラクとパレスチナで警察官訓練に携わっています。
白人教官よりも親しみが持てるからでしょうか、どちらも成功しており、今度のオファーはその実績の上にあるのでしょう。

アメリカはバカではないので、どうすれば世界の支配的地位にとどまれるかを深く考えています。

じつはソマリアでも新しい動きがあります。
反政府アルカイダ系武装組織をたたくため、NATOがソマリア軍を本格的に訓練しているのですが、米軍は後方支援にとどまっているのです。
ブラックホーク・ダウンの雪辱を晴らしたいところを、ぐっと我慢しているんだと思います。
海賊対策もいたちごっこは効果がないので、今年から別のやり方に変えるようです。
たぶん、夏ぐらいには新しいやり方が効果を発揮するのではないかと、私は予測しています。

アメリカがやり方を巧妙に変えているのに、反米武装勢力が相変わらず市民を巻き込む自爆テロや挑発的ロケット攻撃にすがっていては、いつか勢力基盤をひっくり返されるのではないでしょうか。
ヒズボラはとっくに戦略を変えました。
ハマスもひそかに変えたようで、武装闘争一本槍が影を潜めたように見受けられます。
民衆の支持をめぐって知恵比べするのは、住民を巻き込んで戦闘するよりはるかによいことです。

*注:「マルジャーの戦いから見えてくるもの」(2010/2/20)

■明確な軍事的勝利 マルジャーの重要施設すべてを占領したと米軍が発表し、BBCはアフガン軍が国旗を掲げたと報道しています。 郊外に避難していた一部の住民が、自宅に戻りつつあるとも書かれています。 この作戦全体は思っていたよりも大規模で、幅約15k...