アフガン支援のあり方について考える

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10/9付ワシントンポストがアフガンの芥子(けし)栽培について書いています。

Gates Urges NATO to Take On Afghan Drug Traffickers
By Peter Finn
Washington Post Foreign Service
Friday, October 10, 2008
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/10/09/AR2008100901145.html?hpid=sec-nation

かいつまんで要約すれば、

  • 芥子栽培がタリバンの資金源になっている。
  • つまり、芥子がアフガン派遣軍の脅威を作っている。
  • しかし、農民に芥子栽培をやめさせると困窮する。
  • すると農民はタリバン側につく。
  • 結果として軍人を今よりもっと危険に陥れることになる。

芥子栽培を続けても中止させても、どっちに転んでもひどいことになるという嘆きです。

しかし米国はアフガンへの更なる増派以外に有効な対応策をもっていないようです。で、いつものように日本に対する資金援助の要請です。

ここは日本の出番ではないでしょうか。アフガンの農民はあまりにも深く芥子栽培に頼っているので、これを止めさせることができない。ならば芥子を公的資金で買い上げ、医療用モルヒネの原料とするのです。

安価な原料が大量にあるのだから、日本が技術指導してアフガンで精製すればいい。そうすればアフガンの経済復興に役立つでしょう。

莫大な搾取をしている非合法の中間業者を排除し、国連なりアフガン政府が直接買い上げれば、農民は増収となります。不当に買いたたく連中にわざわざ売りに行く農民はいないでしょう。武装勢力は資金源が先細りします。

買取資金を日本が出してもいいじゃないですか。アフガンのGDPは200億ドル程度。アヘンの売り上げがその半分はあるといいますが、原材料の芥子の値段はその1%程度でしょう。1億ドル、約100億円です。

参考のために、海上自衛隊が多国籍軍支援にどれくらい使っているかを示します。
2007年8月までに961回の無料洋上補給(220億円相当)。派遣費用計585億円

さて100億円が高いか安いか。すくなくとも洋上補給でパキスタン海軍に油をちょろまかされるよりは、良い使い道だと思います。

そして少しずつ芥子栽培を認可制にして管理するのです。

管理行政システムにタリバン勢力を加えて社会復帰させれば、治安も落ち着くし。タリバンといっても、もともとは地元の人間です。支配的な民族だったパシュトゥン族が権力機構から強制的に排除されたので、失地回復運動をやっているだけのこと。

ならば彼らがもともと持っていた地方自治権や国政参加権を与えれば、それで彼らの闘争目標は達成されたことになり、武装闘争終結。するとなにも危ないアルカイダとくっついている必要もないわけですから、外国人勢力は自然と浮き上がります。

……まあこんなに一本調子にはいかないでしょうけど。でもこれくらい大胆な構想を世界に発信してもいいじゃないですか。アメリカのケツにくっついているだけが能じゃないと思うけどなあ。