ブッシュの戦争 途中決算

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きょうは沖縄県民大会の日。沖縄の基地被害、米兵犯罪は「戦争帝国アメリカ」による、形を変えた戦争被害といえると思います。

イラク戦争6年目。アメリカではこの戦争が何だったのか、あらためて振り返る記事がたくさん出たようです。以下はその中の一つに基づいてまとめてみた、イラク戦争5年間の決算です。数字を見ているだけでなんじゃこりゃと、改めて怒りがこみあげますよ。

元ネタはこちら。
*http://www.fpif.org/fpiftxt/5036

★5,260億ドル(約53兆8,297億円)
これまでに支出されたイラク戦争の戦費です。

イラクのGDPは257億ドル(2004年)(外務省調べ)
*http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/iraq/kankei.html

イラクのGDPの20年分が戦費に消えたことになります。これだけのお金があればどんなことができるでしょうか。ブッシュがやったのは、こんなことでした。

  • 推定犠牲者数は最低8万1,632人、最大112万人。
  • イラク国内の難民数、340万人。
  • 国外に脱出した難民数、220万人~240万人。
  • イラク国民の70%は水道水が利用できない。
  • イラク国民の80%が公衆衛生サービスを受けられない。
  • 90%の病院に基礎治療・外科治療設備がない。
  • 失業率は25~40%(大恐慌時の米国失業率は25%)。

こういう仕事をするために米軍が沖縄に置かれています。日本政府はこれに協力しています。こんなことのために、どうして沖縄県民は我慢を強いられなければならないというのでしょうか。

★「942ドル」 対 「4,100ドル」

942ドルはイラク国民の所得水準(1人あたりGDP)です。
4,100ドルは米国市民1世帯あたりの戦費負担金額です。
これほどの支出により、米国市民が得たものは、

  • 戦死、約4,000人
  • 民間軍事請負企業従業員の死者、917人
  • 戦傷(重傷)、2万9,203人
  • 戦病または戦闘外の負傷、3万1,325人
  • 聴覚障害を負った米軍兵士、7万人
  • 退役米軍傷病兵の人数33万人
  • 自殺者、283人。

イラク国民の79%が占領に反対しています。アメリカ国民の63%が、戦う価値のない戦争だったと考えています。しかしブッシュはまだ戦うつもりです。まだ破壊が足りないのでしょうか。まだ死者が足りないのでしょうか。

直ちに戦争を止めて撤退しろ。予定されている戦費をイラク復興に使え。沖縄から海兵隊を引き上げろ。軍事基地を拡大するな。

沖縄の基地被害はこういうベクトルの中で考えないと、対症療法だけでは限界があると思います。しかしともかく県民の声を米軍と政府に知らしめる必要がありますからね、意見は違っても大会はひとつ。成功をお祈りします。

無駄で凄惨なだけの、本当に無意味な破壊です。

大量破壊兵器もなければアルカイダとのつながりもなく、国際テロの恐れすらなかったのに。21世紀の冒頭を飾る人類の愚行として記憶される戦争になるでしょう。

ところでブッシュはこんな戦争をしながら、国内では「飢餓」をなくしたことを知っていますか?

米国農務省の統計では、2005年度、米国国民の12%にあたる3,500万人が食料を買えない時期を経験したそうです。その内の1,100万人は「飢餓」状態に陥ったといいます。ブッシュ政権はこの統計が科学的でないとして、「飢餓」という定義をなくしました。新しい呼び名は「非常に低い食糧安全保障状態」。この画期的措置により、米国政府統計から「飢餓」がなくなったんです。ただし「非常に低い食糧安全保障状態」にある国民の数は増え続けているそうですが。

Washington Post
Thursday, November 16, 2006

The U.S. government has vowed that Americans will never be hungry again. But they may experience “very low food security.”

http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/11/15/AR2006111501621.html

そういえばブッシュチームが信奉する経済学のシカゴ学派では、「失業」という概念がないそうです。労働における『投資準備期間』なんですと。やれやれ・・・