イスラエルはおとなしくなるのだろうか ちょっと期待する情報

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1070346019&owner_id=12631570

イスラエルは軟化するしかないと思っていましたが、それはまだ少しあとだろうと予想していました。しかしイスラエル内部の事態は外部から見ているより深刻なようで、早くもその兆候が現れています。

■軟化の兆候 その1

*http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/090202/mds0902022204006-n1.htm
イスラエルのバラク国防相は地元メディアに対し、ガザからの攻撃には報復するが、1月中旬までのような大規模攻撃は「するつもりはない」と述べた。また、ロケット弾や迫撃弾攻撃が続いていることについて「(イスラム原理主義組織)ハマス以外の小組織が発射しているが、それを止めないハマスに責任がある」と述べ、ハマスには各組織に停戦を守らせる責任があるとの認識を示した。

イスラエル政府の発表では、ガザからの攻撃による2006年から攻撃直前までのイスラエル人の死者は7人です。
*http://www.pmo.gov.il/PMOEng/Communication/IsraelUnderAttack/attlist.html

同じ期間に、ガザ市民の死者は446人。ガザが一発殴ったら100発殴り返しているようなものです。それでも足りずにあのような大規模な攻撃を行ったのです。「するつもりがない」で攻撃を自粛できるなら、今回の作戦だって自粛できたはずです。

また、ハマス以外の組織を押さえる責任がハマスにあると言うなら、ハマスに権力行使をせよと求めていることですから、実効支配を容認しているとも受け取れる発言です。ハマス支配の正統性を半分認めたようなものです。

停戦それ自体もイスラエル政府の言い分では「一方的停戦」だったはずです。双方の合意など存在していません。そういう視点で見れば、ハマスに「停戦を守らせる責任がある」という発言は、これまでなら考えられなかったことだし、もしもハマスが同じ事を言っても「無意味だ」とはねつけていたでしょう。「ハマスとの間にそんな合意は存在しない。我々は我々の望むときに攻撃し、望むときにそれを終える」てな発言を繰り返していたはずです。しかしこれまでの建前を維持できなくなっているのです。イスラエルは行きつ戻りつしながら、徐々に軟化するしかないでしょう。

■軟化の兆候 その2

*http://mainichi.jp/select/world/news/20090125k0000m030080000c.html
イスラエルは、06年6月にハマスに拉致され拘束されたままのイスラエル軍兵士の解放を、検問所開放の交換条件にすることも検討している模様だ。

これもイスラエルの軟化を示す記事です。これが事実なら、ハマスとの共存をアピールするアドバルーンかも知れません。イスラエルはずいぶんと気前のよいバーゲンを始めたものです。ハマスが応じることを願いたいと思います。

■軟化の背景

*http://www.military.com/news/article/war-on-terror-catchphrase-fading.html
「“対テロ戦”キャッチフレーズの色あせ」

米軍御用達の軍事情報紙がこういう記事を書いたことが象徴な意味をもつと思います。オバマ大統領は就任以来「テロとの戦争」、「対テロ戦争」という言葉を使っていないと記事は言います。そこにオバマの新しい外交姿勢を見ることができると。

ブッシュ=ネオコンの強硬な力の外交戦略に後押しされて、イスラエルは度を越して侵略的・抑圧的に振る舞ってきました。2002年のガザ攻撃、06年のレバンノンに侵攻、そして今回またガザに侵攻しました。しかしイラク、アフガンの失敗と同じように、それらもまたいずれも失敗に終わりました。米国はやり方を変えることにしました。イスラエルもまた戦略を練り直すしかないでしょう。で、「対テロ戦」に諸手をあげて賛成したわが日本政府は、どうするんでしょうか。