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橋下知事、ヤジに応戦「こういう教員が現場で暴れている」
読売新聞 10月26日 23:53
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自慢にもなりませんが、私は親にさんざん殴られながら、ちっとも言うことを聞きませんでした。性根を入れてくれたのは自衛隊の教育ですが、一度も殴られませんでした。殴らない教育はあると思います。
そうは言っても、つい手が出てしまうことはあるかも知れません。だけどそれを肯定してはいけないと思います。
体罰は本来良くないことで、それをやってしまったら教育の失敗だと思っているぐらいがいいんです。そう思っている先生が葛藤しつつ繰り出すから「愛の鞭」になるんであって、ちょっとならいいや、なんて簡単に体罰をやっても効果なんかないし、恨みと恐怖を残すだけでしょう。
たとえは悪いかもしれないけど、泥棒が悪いと分かっていても、せっぱつまるとついやってしまう人がいますよね。いくら厳罰に処しても、そうしなきゃ生きていけない人は罪を犯すもの。だから、歴史上で犯罪が途絶えたことは一度もない。話を聞けば、なるほど、たしかにどうしようもなかったんだなあと同情してしまうような犯罪者はいます。でも、だからと言って泥棒してもいいことにはならない。泥棒するかどうかは置かれた環境によりけりだから、事情によれば多少は泥棒しても仕方がない、なんて言った途端に世の中は示しがつかなくなると思う。
たしかに、体罰禁止のタテマエをよいことに、ちょっとしたことで信じられないほどしつこく抗議(というか、言いがかり)をつける親が増えているらしいです。その親たちは間違っているけれど、だからといって反射的に体罰を肯定すれば片付く問題でしょうか。そういう親は今度は「やりすぎでない体罰とはどういうものなのか」と、答えられない質問を浴びせて学校を困らせるだけでしょう。
体罰を一部でも肯定すれば、権威主義的で感情的な体罰を容認することにつながるだろうし、実はこちらの方がケースとしてははるかに多いんだから、結局は被害を受ける子どもたちが不幸になるだけだと思います。
橋下知事は自分の発言がどういう効果をもたらすか、真剣に考えていないんだろうと思いますね。彼はいわゆる「屁理屈言い」であって、理屈っぽいだけで言ってることに深みがない。まあ軽はずみな発言なんだけど、立場が立場だから、軽はずみではすまないですね。
ところで、いわゆるモンスター・ペアレントの問題については、私はちょっと思うところがあるんです。教師の権威の低下が、いま学校教育を困難にしている元凶だと思うんです。
教師には「威厳・権威」といったものが必要だと思います。社会が教師を尊敬すればこそ、子どもたちも教師を尊敬し従うんです。教師も尊敬に答えるべく人格陶冶に励むんです。ところが高度学歴社会となって大学卒が珍しくなくなると、教師以上に「いい大学」を出ている親がたくさん現れました。
相対的に教師の権威がさがったことになります。ほんとうは学力とかブランドだけで教師の値打ちは評価できないんです。が、学力偏重、ブランド志向の風潮が、あるべき教師像をひずませてしまいました。年々、教師の権威は下がり、その発言に社会的重みがなくなり、ついには学校内で教師を軽んずる子どもを制御できないまでになりました。
これに追い打ちをかけたのが、根拠薄弱な日教組批判などで教師の権威を引き下げようとする連中です。日教組批判をする政治家の発言を肯定して教師に必要な「威厳・権威」といったものを引き下げる役割を果たしている橋下知事が、そのことで教育困難に導いていることを自覚しないで、頓珍漢かつ有害な発言で現場を混乱させる……。
もうこの人には、ほとほとうんざりします。
橋下知事「手を出さないとしょうがない」 体罰容認発言
朝日新聞デジタル 2008/10/26大阪府の橋下徹知事は26日、堺市で開かれた「大阪の教育を考える府民討論会」(府、府教委主催)に出席、学力向上のための緊急対策に盛り込んだ反復学習の実施に理解を求めた。一方、「口で言って聞かないと手を出さないとしょうがない」と体罰を容認する発言をした。
知事は「私は学力を必ず上げます」と断言、「子どもが社会に出て壁にぶつかったとき、乗り越えられる能力が絶対必要だ」と訴えた。一方で「子どもが走り回って授業にならない。ちょっとしかって頭でもコツンとしようものなら、やれ体罰だと叫んでくる。これで赤の他人の先生が教育をできるか」と話し、どこまでを教育と認めるか合意形成が必要だとした。
また、質問に立った日教組の組合員という小学校職員が、「日教組の強いところは学力が低い」などと発言した中山前国土交通相を知事が擁護したことを批判。その後、知事を非難するヤジが続くと、知事は「中山発言正しいじゃないですか」「これが大阪の教育現場。こういう教師が現場で暴れ放題する」「9割の先生は一生懸命やってる。1割のどうしようもない先生を排除してください」と激しい口調で話した。
討論会後、報道陣から体罰を容認するのかと聞かれた知事は「体罰という言葉にとらわれる必要はない」と答えた。これに対し、討論会に同席した生野照子・府教育委員長は「体罰に関する発言は間違っている」と話した。