北大アイヌ民族遺骨返還訴訟

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【長い前置き】
この日記を書く理由

日本考古学会は宮内庁に対して、日本古代史解明のため、天皇陵を発掘させてほしいと求めているが、政府が認めない。

古墳の発掘はできるし、それどころか、日本の学者は外国にまで出掛けて墳墓を発掘している。にも関わらず、真偽も定かならぬ天皇陵は、原則として立ち入ることさえ禁じられている。発掘を禁じる法的根拠など何もないのに、形式的行政手段で(つまりハンコを押さないという方法で)学問研究の進展を、政府が阻んでいる。

その理由は、いまも皇族によって祭祀が継続されている「生きている墳墓」だからだそうだ。

ちゃうよね。それはただのタテマエだよね。天皇は神聖にして侵すべからず、の明治憲法が、いまだに関係者を呪縛しているからだよね。だって祭祀が続いている「生きている墓」でも、庶民の墓だったらたちまちハンコが押されて、たかが道路建設を理由に移設されてしまうもの。

まして少数民族の墓なぞ、無断で暴かれて骨まで持ち去られ、しかもそのことに何の罪悪感も抱かれることがない。日本は米国の植民地なのだが、少数民族に対しては帝国主義の振る舞いをしている。沖縄県民が米軍からまるで「原住民」扱いされているのに「本土」が怒りもしないのは、その表れの一つではなかろうか。

アイヌ民族も同様だ。彼らに対して、こんな非道なことをしていることを、私は知らなかった。そのことを、恥じる。

これが、日記を書く理由だ。

hi_iijimaさんツイート

北大アイヌ民族遺骨返還訴訟

北大がアイヌ民族の墓から無断で遺骨や副葬品を掘り出したために祖先の供養が妨げられ、憲法で保障された信教の自由が侵害されているとして、アイヌ民族の男女3人が北大に遺骨の返還と慰謝料の支払いを求めた裁判。

本日が第1回口頭弁論。城野口ユリさんが弁論に立ちました。内容を連続ツイートします

浦河の杵臼コタンで暮らしてきた。子どものころ、母がよく節を付けたアイヌ語で「墓を掘られて情けない、骨を持ってくなんてとんでもない、エカシ、許してくれ」と語っていた。当時は意味が分からなかったが、小学校3年生ごろ意味を知って、かたきをとろうと誓った。

母は、昭和60年に84歳で亡くなったが、その2カ月前、私の手を強く握って「北大の医者が黙ってエカシやフチたちの墓を掘って勝手に骨を持っていった。このまま先祖の元に行ったらなんと言って叱られるか。死んでも死にきれない」と泣いて訴えた

ずっと差別の中で育ち、暮らしてきたが、40代になって、権利回復と文化の伝承のために全国を飛び回るようになった。ただ、いろんなところで遺骨の問題を訴えても、関心が広がっておらず、みんな取り上げてくれなかった。

アイヌには、何日でも議論し合って問題を解決するチャランケというものがある。私もこんな裁判は起こさず、北大と話し合って解決しようと思っていた。だが、今年の2月だったか、話し合いに行ったが、建物に入れてもらえず責任者への取り次ぎもしてもらえなかった。

①なぜ無断で墓を掘り起こしたのか
②遺骨はどんな研究にどう使ったのか
③副葬品はどうなっているのか
④遺骨を杵臼の土に返してほしい
⑤母たちが思い出しては泣いていた、こんなつらい思いをどうしてくれるのか。

この5点について正直に答えてほしい

口頭弁論に先駆け、北大は28日に副学長が訴訟についてマスコミに説明。

遺骨について
「裁判所が遺骨を原告に返すべきだと判断すれば、返還に応じたい。原告3人が祖先の墓の管理や法要を担うべき『祭祀継承者』だと裁判所が認めることが条件だ」と述べた。

どうなんだろう。

姫路の人の墓がひどい扱いをされていて私が憤っても、親族でなければ「訴えの利益がない」として斥けられるだろう。いわゆる「義憤」は個人の独りよがりな感情に過ぎないとされるのだ。

アイヌの伝統的なエカシやフチとの紐帯を、単に精神的なものに過ぎないと判断するのか、あるいは民族伝統に基づいた実態的な紐帯とみなすのか、

異なる文化にたいする理解度というか、尊重度というか、我々やまと民族の文明度が試される裁判だと思う。