郵政民営化のいま

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小泉さんの引退を機会に、郵政民営化の採点をしてみたいと思いました。

郵政が日本のガンだと小泉さんは叫び、民営にすれば郵政3事業が見違えるようになるといいました。いや、日本が変わると言いました。

さて何がどのように変わったのか、それは前と較べて良い変化なのか、どうなのか、検証しましょう。

変わったこと。
それまで1つだった郵便と貯金と保険が3つの会社に分かれました。

変わらないこと。
郵便料金は安くなってません。
配達回数、変わりません。
郵便貯金、利子は変わりません。
簡保。何も変化なし。
何かが劇的に変わり、国民生活をよりよくした形跡は、ありません。

変わったこと。
郵便局が減りました。
山間地ではサービスが悪くなりました。
定額為替の手数料が十倍に値上げされました。
経営効率が良くなったはずなのに、なぜ?

このように確かめると、あの郵政選挙って何だったんでしょう。選挙の圧勝の結果、自公政府が数にものを言わせてたくさんの法律を押し通しました。いまそのことに触れる余裕はありません。が、日本がより不景気になり、格差が広がり、生活に余裕がなくなったのは事実です。

小泉さんの手法はこうでした。

  • 何でもいいからカカシを敵に見立てる。
  • そいつをぶっ壊せばバラ色未来が広がるかのように繰り返す。
  • 根拠のないデータや攻撃的な口調で扇動する。
  • メディアを利用して、お祭り騒ぎにする。

こうして国民を思考停止状態に追い込んだのです。

この手法を真似しているのが、大阪の橋下知事です。真似しようとして失敗したのが、この度辞任なさった大臣です。小泉さんは扇動政治というありがたくない置き土産を残してくれたと思います。

再びだまされないためには、私たちがしっかりしなきゃいけないですね。

最後に、郵政が民営化されてから今後変わる予定のこと。
経理を公的に監査できなくなり、経営が不透明になります。
政治献金を自由に出せるようになります。
資金の使い道が自由になるので、サラ金に投資するなどが考えられています。

お祭りが終り、小泉さんが去りました。しかし、利権にいやしい政治家が舌なめずりして、ゆうちょ銀行とかんぼ保険にすり寄っています。

構造改革と小泉さんは唱えましたが、構造は何も変わっていません。郵政利権はたぶん小泉さんの息子に継承されるでしょう。郵政族は復活するでしょう。郵政民営化って、ほんとになんだったんでしょうねえ。

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<追記>

郵便局が税金を投入される組織でなく、税金を支払う組織になったということを利点に挙げる人がいる。

いまケータイなので記憶に頼って書きますが、郵政国会で竹中さんが言ってたようにおもいます。10年後の予測試算で、公社のままなら1500億円程度の黒字、民営化したら何百億円かの赤字と(根拠は忘れました)。

で、公社だったら利益の5割を国庫納付金として納めるので国に何百億円かの歳入となります。でも赤字企業からは税金とれませんよね。確実なのは固定資産税と印紙税くらいのものではないんでしょうか。公社の方が確実に国庫の役に立っていたはずです。

当時よく言われていたのが、郵政職員は公務員だから税金で給料が支払われているとのデマ。公社は独立採算制なのにね。

それと、来年には株式が上場されることになってます。これを見越して小泉さんは外国企業(対象はアメリカ)にも株取引を自由化してますから、サブプライムローンでガタついてる米国投資会社が喰らい付いてくるだろうと。

日本の庶民がコツコツ貯めた郵便貯金は、これまでは特別会計予算として土建屋に食いものにされてきました。が、これからは米国の金融工学で切り刻まれ、彼らの赤字を補填したり、イラク戦争の経費になったりするんじゃないかと言われてます。これが本当かどうか、私にはわからないんですけどね。

確実にいえることをもう一つ。

人件費は下がります。その分の利益は株主への配当となります。株主は証券会社など機関投資家が大部分です。するとこれまでは職員の消費行動によって国民経済に還流していた資金が、投機マネーとして海外に流出します。国民経済にはマイナスとなりますね。つまり不景気と格差の原因がひとつふえるわけです。あんまりいい話じゃありませんね~