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朝鮮学校の授業料無償化について、賛成意見と反対意見を比較してみました。
■無償化すべきでない理由
- 外国人学校は対象外とすべきだ。
- 北朝鮮が経済制裁措置を受けている（中井洽拉致問題担当相）。
- 北朝鮮は国交がない国だ（鳩山総理）。
- どんな教科内容なのか調査することができない（鳩山総理）。
- 北朝鮮から援助金を受けている。
- 金正日国防委員長の指示を受ける学校だ。
- 朝鮮学校は学校ではない。
■無償化すべき理由
- 憲法は教育を受ける権利を日本国籍者に限定していない（最高裁判例）ので、朝鮮学校を除外するのは憲法違反である。国籍で教育の権利を差別するのは、国際人権規約と子どもの権利条約違反である。
- 外交上の配慮を教育上の判断材料とすべきではない。国交がなくても台湾系の中華学校には助成するのだから、朝鮮学校だけを除外するのは不公平である。
- 朝鮮学校は地方自治体からの助成金を受けるにあたり、認可・監督権を持つ都道府県等に対して学校の経理に関しての報告を行っている。カリキュラムも公開しており、日本の多くの大学は同校卒業生の受験資格を認めている。
- ドイツ学校は運営経費の半分を本国の援助でまかなっているなど、他の外国人学校も本国政府から援助を受けている。朝鮮学校だけ問題視するのは間違いだ。
- 金正日の指示を受けているなど、何の裏付けもない風説である。
- 学校教育法一条の規定にそぐわない学校、例えば高等工業専門学校や各種専修学校も助成の対象になっているのに、朝鮮学校だけを除外する理由がない。
私は朝鮮学校を助成対象から除外するなという意見の方が正しいと思います。
が、いまは難しいことを抜きに考えましょう。
朝鮮学校の高校課程に在籍する生徒は、全国で1900人。アメリカンスクールなどに在学している欧米人生徒とちがい、この生徒たちは卒業後も本国に帰らないで日本で働き、暮らすだろうと思われます。つまり未来の日本社会を担う、貴重な人材なのです。無償化対象からはずせば、きっと彼らの心は深く傷つくでしょう。彼らを差別するような国に、彼らは愛着を持つことができるでしょうか。これからもずっと私たちと共に生きるであろう彼らを差別して分け隔てし、わずかの助成金を惜しむことで、将来はこの国をしょって立つかも知れない有為な人材を、あたらみすみす失うかも知れないのです。
本国がどんな国なのか、それを決める権利など生徒たちにありません。本国がどんな国であろうと、彼らに責任のあろうはずがありません。罪のない者に罪を着せて、何か良きものが生まれるでしょうか。
不信や憎悪や悪質な諦念が生じるだけではないでしょうか。
いろいろな問題があろうとも、日本で生まれ、日本で育ち、これからも日本で生きていく彼らを、この社会の貴重な一員として包み込み、育むことが日本のためにならないとは、どうしても思えません。
こういう考えは少数なのでしょうか。
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2010-03-06 22:49