沖縄教科書問題 藤岡信勝教授のトホホなメール

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=635520126&owner_id=12631570

「沖縄県民集会コミュ」 むうみん@ぶたぢるさんより貴重な情報。

歴史教科書から日本軍の強制を示す文言を削除しようとしている中心人物、藤岡信勝氏が各界にメールを送り、巻き返しを図っているようです。

以下に、藤岡氏のなんともお粗末で卑劣なメールの要旨を紹介します。

沖縄集団自決の教科書検定問題につき、各位へ、緊急のお願い。

本日(22日)、自民党の「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」沖縄問題小委員会(萩生田光一委員長)の第3回会合が開かれました。第1回は私が話をし、第2回は沖縄の恵忠久氏が証言し、そして第3回は全日本学生文化会議のグループが沖縄で行った世論調査の報告をしました。

今回も教科書課長など文科省の役人が同席しました。萩生田委員長は、「訂正申請に基づき、教科書を再度書き換えるならば、必ずその根拠を明らかにしてもらう」と文科省側に問いつめたところ、教科書課長の表情がこわばりました。「軍の命令・強制」記述の根拠がないことを、課長は知っているからです。また、萩生田氏が「検定審議会による専門家の意見聴取は、中立的に人選をしているか」と問うたところ、課長は、「はい。中立でやっています」と返答しました。しかし、教科書課長はあきらかに嘘をついています。なぜなら、沖縄タイムスと琉球新報(20日付け)は、文科省が今月末までに、林博史・明治学院大学教授と沖縄在住の琉球史の専門家の二人に、訂正申請についての意見を文書で出してもらうことにした、と報道しているからです。こんな人選は「中立」どころではありません。林氏は「軍の強制」説の首謀者です。これは、さしずめ、犯人に裁判の判決を書かせるようなものです。

こういう、論外ともいうべき偏った人選について、月曜日から文科省に抗議の電話をしてほしいのです。(どろ注:ここでは略しますが、メールには担当者の個人名と電話番号が記載されています。クレーマーだよ、これじゃ)

(中略)

今の焦点は、検定審議会が意見聴取する専門家の人選です。「正論」欄に書いたように、秦先生、中村先生、曾野綾子さんを入れさせることができれば、こちらの勝ちです。

(後略)

軍命令を認める立場の専門家から意見を聞くのが「偏って」いて、「犯人に裁判の判決を書かせるようなもの」というくせに、軍命令否定派を送り込もうという自家撞着は、なんなんだろうか。

以下、文部省が意見を聞いた林博史氏の論文を批判するという作文が長々と載せられている。

藤岡信勝氏の林博史氏批判の全文は下記投稿のコメント欄を参照。
9.29沖縄歴史教科書問題県民大会コミュの「新しい歴史教科書をつくる会」の動き
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=25425294&comment_count=8&comm_id=2501481

そこで藤岡氏が展開しているのは、恐ろしいほどの勘違い。教科書に「軍命令による集団自決」と書くのはおかしいという立場から、軍命令がなかったということを延々と書いている。しかし。教科書問題の争点は「軍命令の有無」ではない。それは大江・岩波裁判の争点だ。教科書問題の争点は「軍による強制・誘導・関与の有無」なのだ。もともと教科書に「軍命令」などという記述はなかった。

恐ろしいことに「教科書書き換え派」の責任者は、自分たちの主張している内容すら、ろくにわかっていないのだ。こんないい加減な話があるだろうか。
しかも、「軍命令がなかった」という論証も、論証になっていないし。


<追記>

書き換え前の教科書記述を以下に列挙します。
どこに「軍の命令」という記述があるというのか、よーく確認してほしい。
そして、元東大教授の藤岡先生のとほほ加減に脱力してください。
全身から力が抜けて、肩こりが治るかもしれません。

修正前の教科書記述一覧

山川出版
日本軍によって壕を追い出され、あるいは集団自決に追い込まれた住民もあった。

三省堂
さらに日本軍に「集団自決」を強いられたり、戦闘の邪魔になるとか、スパイ容疑をかけられて殺害された人も多く、沖縄戦は悲惨をきわめた。

東京書籍
沖縄県民の犠牲者は、戦争終結前後の餓死やマラリアなどによる死者を加えると、15万人をこえた。そのなかには、日本軍がスパイ容疑で虐殺した一般住民や集団で「自決」を強いられたものもあった。

実教出版
また日本軍により、県民が戦闘の妨げになるなどで集団自決に追いやられたり、幼児を殺されたり、スパイ容疑などの理由で殺害されたりする事件が多発した。

清水書院
沖縄戦 現地召集の郷土防衛隊、鉄血勤皇隊、ひめゆり隊など非戦闘員の犠牲者も多かった。なかには日本軍に集団自決を強制された人もいた。