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「北朝鮮」はどうしてあんなに攻撃的・好戦的なのか、いろんな論評が出ています。いわく、後継者の権威を高めるためだ。いわく、アメリカを交渉に引きずり出すためだ。いわく、軍と党の勢力争いだ……。それぞれ一理あると思いますが、もう一つ、誰も言わないことがあります。
それは「北朝鮮軍が韓国軍をみくびっている」ということです。
韓国内の報道を見てそう思いました。
なにせ韓国では自国軍に対する信用がすごく低いんです。
大延坪島砲撃戦でも韓国側の防衛体制の不備が指摘されています。撃たれてもレーダーが動かず砲撃地点がわからない、撃とうとしたら大砲が故障していた、やっと撃ったら全然当たらなかったと、もうさんざんな言われようです。(私は、それは言い過ぎで、韓国軍はよくやったと思っていますが。)
こういうことがなくても、韓国軍はたるんどるというのが、おおかたの見方のようです。
たとえば将軍が、こんなあけすけなことを平気で言う。
「地上軍のうち、特殊戦司令部は信じるに値し、海兵隊は自分の役目を果たせる。それがすべてだ。」
徴兵された陸軍なんかに期待していないと。
韓国の産経新聞である朝鮮日報でさえ、大延坪島砲撃の直前にこう書いていました。
- 今年7月、「水に浮く装甲車」だったはずのK21装甲車が、貯水池に入ったところ浸水して沈み、操縦していた下士官が死亡する事故が発生した。
- 「未来型小銃」として軍が誇っていたK11小銃は不良率が47.5%に達し、先月には第一線への支給が中断した。
- 最新鋭の高速艦は直進できずジグザグに走り、実戦配備すらできなかった。
- 8年にわたる研究の末に開発された新型戦闘靴は、水が染みこむ不良品だった。
軍人の天下りのせいで、軍需産業がぶったるんどるのだ、と憤慨しているのです。こんなのを読んだら、「北朝鮮」じゃなくても韓国軍なんて大したことないんじゃないかと思ってしまいますよね。
私は自由にこういう報道を許す社会って、いいなあと思います。李明博大統領は民主化運動を弾圧しているので評判が悪いんですが、大統領の資質がどうであれ、韓国が自由な社会であるのは間違いないでしょう。
「北朝鮮」はこういう韓国社会を見て、そして自分たちと較べて、韓国軍恐るるにたらずと考えているのではないでしょうか。けれど思い違いをしてはなりません。こういう社会の方が、いざ戦えば強いのですから。
「北朝鮮軍」だって、士気は高いのでしょうが、戦技はそう大したことないと思います。1か月以上も前から準備して、測量をしっかり行い、ゆっくりと照準をつけて、応射の心配もなく撃っておきながら、あの命中精度はないでしょう。
たった12~15kmしか離れていないのに、最初の150発のうち90発が海に落ちるとはどういう腕前なのか……。ロケット砲は大目に見るとしても、大砲の弾だって、目標地点から左右に最大150mもずれていたといいます。どんな大砲でも砲撃のずれは不可抗力ですが、横方向のずれは、通常なら縦方向のずれの10分の1と言われています。普通は10m以下です(自衛隊はその半分以下)。それが横に150mずれたなんて、実戦だったらまったく話になりません。
こういうことは、「北朝鮮」ではまったく報道されていません。できの悪い軍隊を、そうと知らずに信頼して無謀な戦いに乗り出すと、必ず失敗します。旧日本軍みたいにね。
朝鮮人民軍の砲兵のレベルが低いとは考えられないので、きっと砲身とか炸薬とか、工場レベルの品質管理に問題があるのでしょう。これは工業技術の問題ですから、一朝一夕にどうなるもんでもない。
「我が軍は戦争できるようなシロモンではない」
指導者がこのように冷静に我が身を振り返ってくれれば、戦争の危機は遠のくのですが。