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麻生さんの「高齢者は働くことしか才能ない」発言(末尾参照)。言いたいことは、分からないでもありません。すご~く善意にとればね。たとえばこういう言い方をしていたら、どうだったろうか。
高齢者の年金と医療費で財政が大変なことになっています。そこで語られることはと言えば、年金の支給を減らせとか、年金の掛け金を上げろとか、無駄な入院を減らせとか、病院に行かせるなとか……。
しかし私は、こういう後ろ向きの議論は間違っていると考えます。高齢者は年金をもらって、病院に通うばかりで満足なんでしょうか。高齢者だって働きたい人は一杯いるでしょう。病院の待合いで世間話をして一日を終えるのは退屈だと考えている方は一杯いるんです。仕事を生き甲斐にしているという方だって沢山おられるんですよ。
すべての方とは申しませんが、働く意欲のある方たちがあるなら、私はその方たちが働ける場を作りたい。そして年金と給料とで、これまでよりも余裕のある老後を送っていただきたい。働いて元気になっていただき、お金も得ていただき、生き甲斐もできて、税金も納めていただく。
医療費が節約できて、年金支給も幾分かは助かる。財政に余裕ができれば、病気になられた高齢者に、いまよりも手厚い施策がほどこせます。みんな、ウィン・ウィンじゃありませんか。こういう前向きの議論を、これから、していきたいのであります。
青年経営者の皆さん。皆さんには、ベテランの知識と経験を生かせるような、働く場をつくる事業に、ご協力をお願いしたい。仕事をしてもうけるだけが経営者という時代は終わりにして、仕事をしてもうけて、しかも社会貢献ができる、そういうプランの実現に、是非ともお力をお貸しいただきたいのであります。
思った以上に長くなっちゃったけど、うん、結構説得力があるじゃないか。
政治家だったら、もっと短く、同じ事が言えなければなりません。つまりは、説得力。弁舌の力。演説力なんだなあ、麻生さんに決定的に欠けているのは。これって、政治家としては致命的ですよね。
いいこと言ってるのに誤解されやすい人がいるのは事実ですが、そういう人は政治家になってはいけません。政治家は大ビジョンを打ち出して、説得するのが仕事なんです。細かい政策なんて、役人が考えりゃいいんです。説得力のある演説ができない政治家なんて、外交の場に出したら最悪ですよね。
では、麻生さんはどうして説得力のある演説ができないのか。それは人間力がないからです。人間の中でもまれていないからです。今回の失言みたいな言い方を、仲間うちや支持者の後援会幹部の中で繰り返してきたんでしょうね、麻生さんは。
彼には前科があります。2006年に、こういうことを語っています。
65才以上の人のうち本当の意味での寝たきりは15%しかいない。あとの85%は周りが迷惑するくらい元気。こういう人は働くしか才能がないといえば語弊があるが、あんまり遊んだことがない。そういう人たちをうまくおだてて使うことが私のような会社経営者の才能だ。
この時もたしか批判されているはずなんですが、根っからこういう考え方、ものの言い方しかできない人なんですよね。
なんでこんな薄っぺらな言葉しかもたない人物になってしまったのでしょう。それは、説得の経験がないからです。言葉を尽くして相手をその気にさせる努力なんかしなくても、向こうがすり寄ってきて、自分をかついでくれたんですから。みんな心で舌打ちしながらも、面と向かって注意もできなかったんでしょう。そういう世界で彼は生きてきた。そういう世界しか、彼は知らない。こういう人物は、政治家になるべきではないのです。
この大変な時期に、麻生という人物が総理大臣であったというのはこの国の不幸です。こういう人物しか総理に選出できなかった国会は、変革されねばなりません。こういう人物しか総裁にできない自民党には、野に下っていただきましょう。そして、市井の中で、もまれてもらいましょう。
<麻生首相>「高齢者は働くことしか才能ない」 野党が批判
7月25日20時31分配信 毎日新聞麻生太郎首相は25日、横浜市内で開かれた日本青年会議所(JC)の会合で「日本は65歳以上の人たちが元気」としたうえで、「元気元気な高齢者をいかに使うか。この人たちは皆さんと違って、働くことしか才能がないと思ってください」などと述べた。高齢者にも働いてもらい活力ある長寿社会を作ろうとの持論を述べたとみられるが、誤解を受ける表現に野党から批判が出ている。
首相は「80歳過ぎて遊びを覚えても遅い。60過ぎて、80過ぎての手習いなんて遅い」とも発言。「働ける才能をもっと使い、その人たちが働けば、その人たちは納税者になる」と語った。
この発言に関し、首相は同日夜、仙台市内での講演で「私の意図が正しく伝わっていない。私が申し上げたいのは、元気で活力ある高齢者が多いということ。この方々には、社会参加をしてもらって、働ける機会を与える。それが活力ある明るい高齢化社会なんだと申し上げている」と釈明した。【影山哲也】
◇麻生首相発言要旨
麻生太郎首相の25日の高齢者に関する発言要旨は次の通り。
日本は65歳以上の人たちが元気。65歳以上の人たちで、働ける健康な人、いわゆる介護を必要としない人は実に8割を超えている。
元気な高齢者をいかに使うか。この人たちは皆さんと違い働くことしか才能がないと思ってください。働くということに絶対の能力がある。80過ぎて遊びを覚えても遅い。遊びを覚えるなら青年会議所の間ぐらい。そのころから訓練しとかないと。60過ぎて、80過ぎて手習いなんて遅い。
働ける才能をもっと使い、その人たちが働けるようになれば、その人たちは納税者になる。税金を受け取る方ではない。行って来いで、日本の社会保障は違ったものになる。どうしてそういう発想にならんのか。明るい高齢化社会、活力ある高齢化社会。これが日本の目指す方向だ。活力ある高齢化社会の創造に成功したら、世界中、日本を見習う。