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韓国併合の前夜、韓国内には韓日合邦論がありました。よく似た言葉なのでわかりにくいんですが、中身は全然違います。
韓国併合 ≒ 吸収合併
韓日合邦 ≒ 対等合併あるいは企業連合
いわゆる親日派は、韓日合邦≒対等合併をめざしていました。日本政府は韓日合邦の要求を受け入れるかのような謀略で親日派をあざむき、韓国併合を容易にした経緯があります。
麻生さんは「韓国側が併合（≒吸収合併）を望んだんだ」と、ネットで嫌韓派が言っているようなことを真顔で言いましたが、まったくの事実誤認です。そのことを示す日本側の資料を教えてもらったので、紹介します。
「こんなのが総理大臣になれた時代もあったんだなあ、今じゃ考えられない、ひどい時代だったよ」と、いつか振り返れるようになったらいいなあと思います。
まず韓国側のプランと、つぎに親日派（合邦派）と独立運動派の対話を、現代文に直して紹介し、その後に原文を掲示します。なんか、胸が痛くなるような会話です。
韓国側のプラン
題名「日韓合邦問題に関する件」
警秘第四○四九號ノ一
隆熙三年十二月二日(1909-12-02)
警視総監 若林賚藏（印）
統監 子爵 曾禰荒助殿本文
近頃かまびすしい日韓合邦問題の経路に関し、スパイしたところによれば、以前から「宋秉畯」と一進会長「李容九」との間でいろいろ交渉をしていたのは事実であり、合意した合邦案は左のようなものと伝えられる。一. 大韓国を韓国という
二. 韓国皇帝を王と称すること
三. 王室は今のまま、韓国に存在する
四. 国民の権利は日本国民と同等であるべしきこと
五. 政府は現今の如く存立すること
六. 日本の役人はすべて招き雇いとし、現今より減員すること
七. 人民の敎育、軍隊敎育を振起すること
八. 本問題は韓政府より直接日本政府に交涉すること
親日派と独立派の対話記録
尹（独立派）：合邦問題を提出したのはどういう考えなのか
李（親日派）：我が国は日本の保護国だ。しかし外形的には独立国なので、国民の多くは（ちゃんとした独立国だと）誤解して、（日本のふるまいに怒って）争乱を起こし、これが日本を怒らせるから、国の主権はますます奪われていく。
たとえば独立国の主権を十くらいとすれば、いまの地位は三くらいである。しかもこれさえ段々失って、まさに皆無になろうとしている。だから我らは手を結んで団結し、六か七くらいの間に主権を回復し、皇帝を王として日本にこれ（合邦）を請求すれば、現状よりはましではないのか。
尹：契約を守るのは立場が同等の者のことだ。強弱に差がある日韓の契約なぞ、虚文だよ。
李：貴会はこの案に不同意なのか。
尹：昨日、幹部会にこの案を提案したが、反対が多い。だから不同意だ。
李：我が会はいまこの案で日本政府と交渉中なのだ。決まり次第施行する計画なんだ。
尹：意見が合わなければ反対しなければならず、両会が衝突しあうことになり、これは国家のためにならない。深く考え直してくれ。
韓国側のプラン(原文)
日韓合邦問題ニ關スル件
警秘第四○四九號ノ一
隆熙三年十二月二日(1909-12-02)
警視總監 若林賚藏（印）
統監 子爵 曾禰荒助殿近來喧傳セラルゝ日韓合邦問題ノ徑路ニ關シ更ニ探聞スル處ニ依レハ過般來ヨリ宋秉畯ト一進會長李容九トノ間ニ於テ屢々交涉ヲ重ネツゝアリシハ事實ニシテ其成立セル聯邦案ノ綱目ハ左ノ如キモノナリト傳フ
一. 大韓國ヲ韓國ト稱スルコト
二. 皇帝ヲ王ト稱スルコト
三. 王室ハ現今ノ儘韓國ニ存在ス
四. 國民權ハ日本國民ト同等タルヘキコト
五. 政府ハ現今ノ如ク存立スルコト
六. 日本官吏ハ悉ク傭聘トシ現今ヨリ其數ヲ減少スルコト
七. 人民ノ敎育,軍隊敎育ヲ振起スルコト
八. 本問題ハ韓政府ヨリ直接日本政府ニ交涉スルコト
親日派と独立派の対話記録（原文）
然シテ大韓協會ハ一進會ニ於テ此謀議アルヲ知リ曩ニ一進,大韓兩會提携ノ際協定シタル宣言書中「兩會ハ聯邦制度ヲ排斥シ專ラ韓國ノ自治ヲ期ス」(此宣言書ハ十月十四日警秘第三二三七號ノ一ヲ以テ報告) 云々ト左ニ依リ之ヲ以テ抗議ヲ申込マントスルモ該宣言書ハ當時明月館ニ於テ兩會政見協定委員會合ノ上可決シタルモ文字ノ修正ヲ要スヘシトテ修正委員二名ツゝヲ撰定之ニ附托シ其儘トナリテ今日ニ至リ未タ發表シアラサルヲ以テ此際速カニ政見協定委員會ヲ開キ之ヲ發表シ一進會ノ企圖ヲ破壞セントシ屢々政見協定委員會ノ開催ヲ促シタルモ一進會ハ事故ニ托シテ應セス茲ニ於テ大韓協會ハ其動スヘカラサルヲ知リ卽チ客月二十六日總務尹孝定,一進會長李容九ヲ訪問シ種々質問セリ其問答ハ左ノ如シト傳フ (問答中要領ヲ得サル處アルモ聞込ミノ儘列記ス)
尹 曰：合邦問題ノ提出ハ何等ノ意思ナルカ
李 答：吾國ハ日本ノ保護國ナルモ其外形上獨立國ノ如シ故ニ國民ノ多クハ之ヲ誤解シ變亂ヲ生ス之レカ爲メ日本ノ憤怒ヲ招キ國權ハ漸次墜落セリ
假令ハ國權ヲ十位トスレハ現今ノ位置ハ第三位ナリ然ルニ之ヲモ將ニ皆無トナラントス故ニ吾兩會ハ相呼應シテ六七位ノ間ニ國權ヲ進メ而テ皇帝ヲ王ト爲シ日本ニ之ヲ請求スレハ現狀ヨリ勝ルニアラスヤ
尹 曰：契約履行ハ同等者ノ事ナリ强弱不同ナル日韓國ノ契約ハ虛文ニ屬ス
李 曰：貴會ニテハ此案ニ不同意ナリヤ
尹 答：此事ヲ前日韓幹部會ニ提出セシニ異論多シ故ニ不同意ナリ
李 曰：吾會ハ今正ニ本案ヲ日本政府ニ交涉中ニ付決定次第施行ノ計劃ナリ
尹 曰：意見合ハサレハ反對スヘク從テ兩會ノ衝突破壞トナリ國家ノ爲メ不利益ナリ深ク再考ヲ望ム
李 曰：何レニシテモ一度政見協定委員會ヲ開キ然ル後決定スヘシ
尹孝定ハ以上ノ問答ヲ交換シ立歸リ翌二十七日尙ホ書面ヲ以テ政見協定委員ノ會合ヲ二十八日鐘路商業會議所ニ於テ開始セント申込ミタルモ一進會ハ委員病氣ノ故ヲ以テ之ニ應セス遂ニ無期延期トナリ今ハ宣言書ノ發表ハ其望ナキニ至リ同時ニ勢ヒ兩會分裂ノ危機ニ迫リツゝアリト云フ
右及報告候也隆熙三年十二月二日
警視總監 若林賚藏（印）
統監 子爵 曾禰荒助：殿
＊http://db.history.go.kr/front/dirservice/JH_TG/viewDocumentJH_TG.jsp?pLevel=4&pName=&pDatabaseID=jh_tg_008&pRecordID=jh_tg_008_0020_0020&pSearchSetId=-1&pTotalSearchCount=0&pPosition=0&pSearchType=0&pSearchName=&pDirType=1&pQuery=