[資料] 戰陣訓

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これは資料です。日記本文はこちら。
「戦陣訓」とはなんぞや

■「戦陣訓」とは ミクシィは居ながらにして色んなトンデモさんの主張が読めるので有り難いです。沖縄の強制集団死について軍の責任を認めたくない人たちが、笑ってしまうような屁理屈をこねています。 沖縄だけでなくサイパンやアッツなどで玉砕が繰り返され、民間...

【資料】戰陣訓に就て

<表紙>
特號 部外秘 陸軍認可済
「偕行社記事」 昭和十六年 第八百號

<表紙裏>
特號取扱上の注意
本偕行社記事特號は秘に亙る事項を多く集録しあり防諜上之が配布も現職に在る將校のみに限られあるを以てその取扱保管を愼重にし苟くも巷間に散逸するが如きことなきやう特に注意せられ度。
○轉任或は轉宅時他の不用品と共に拂下げ散逸する例多し。
○不用となりしものは焼却その他の方法により自らの責任に於て確實に處理するを要す。


戰陣訓に就て (昭和十六年五月號)

本稿は本年三月十日陸軍記念日の當日より向ふ四日間に亙りラヂオの修養講座に於て全國に放送したる講話案である。

陸軍中將 桑木崇明

前 言

第三十六回陸軍記念日の吉辰に方り、過般聖戰第五年の陸軍始の佳節を卜し発布せられたる戰陣訓に就て講演の機會を得たるは最も光榮とするところなり。不徳非才特に戰陣の體験淺く戰陣訓を語る資格なきを以て一應辭退したるも、強て講はるゝまゝに戰陣訓の訓を守り、奉公の誠を致さんとして敢て應諾せり。本日より四日間に亙り暫く清聴を煩はさんとす。尚講話者は何等當局と關係なく、説くところ全く一個の私見に過ぎざることを諒とせられたし。

戰陣訓は其の量大ならざるが如きも其の一つ一つが悉く珠玉の文字にして含蓄に富み、且元來細部に關し示されたるものなるを以て全篇各條何れも要貼にして取捨するに難く之を短時間に説明するは到底不可能なり。又極めて平易に編纂せられ敢て蛇足を加ふる必要なきもの多きを以て特に説明を加ふるを可と認めたる點に就てのみ陳述し、他の大部を省略す。

一 序

(略)

本訓は獨り軍人のみの私すべきものにあらず、予は大陸在勤中我が居留民の言動に非難少からざるを聞き、何等か教訓を作りて之を徹底せしむるの要あるを感じありしが、此の戰陣訓は給も其の要求に合するのみならす、銃後一般の國民に對しても極めて適切なるを覺ゆ、長期戰の遂行特に新秩序の建設は軍人のみならす一般國民に負ふところ頗る大なるに方り、國民各位が此の戰陣訓の精神に準據し、眞に東亞の指導者たるに耻ぢす皇道を顯揚し皇國の威徳を四海に宣布せられんことを冀望して止まず。木訓は決して「ベカラズ」式消極のものにあらず、興國の氣運充溢しあり、願はくば軍民一如本訓と共に勇往邁進せば最後の勝利、東亞共榮圏の完成は期して待つべきなり。

二 皇國、皇軍
三 皇軍の軍紀
四 圑結は隊長を核心とす
五 協同は没我なり

六 死生觀、責任感

(略)
軍人の死生觀は決して徒らに死を軽んずべしと云ふにあらず、無用の犠牲は極力之を避くべきは當然なり。特に病に斃るゝが如きは國家の爲とは云ひながら遺憾とするところなり、唯必要あるときに限り生死を超越すべきのみ。

本訓其の三「遺骨の還らざることあるも敢て意とせざるやう豫て家人に含め置くべし」とあるは本戰陣訓に封し特に世人の感銘を得たる一なるが如し。空中勤務者は勿論、海上作戰、或は揚子江其の他至る所の濁流に於て作戰せば死體を収容し得ざることあるべく、殊に電撃戰時代に於て敵中深く突入し、一々死體の始末をなすときは體機を失すべく、戰闘後収容せんとするも其の地に達し得ざるが如きは現代戰の常態なるべく、從來と雖も斥候等には免れざりしものなり。此の度之を成文とせられたるに過ぎず。海行かば水漬く屍、山行かば草蒸す屍、これ軍人全部の覺悟にして今更珍しきことにあらず。

遺骨の歸らざるは可なり、然れども生きて俘虜となるは不可なり。「本訓に生きて虜囚の辱を受けず、死して罪禍の汚名を殘すこと勿れ」とあり。近代戰に於ては諜報又は空中捜索等に得たる情報を確むるが爲俘虜の獲得を重視し、斥候、歩哨を襲ひ或は此の日的のみを以て局部的攻撃を行ふことあり、夜間、黎明、薄暮、濃霧の際等に於て殊に然り。指揮官以下常に深甚の注意を要す.。戰闘間負傷するも決して敵に委せざる如く特に戰友の犠牲的援助を必要とす。諸外國に於ては萬策盡きれば俘虜となるを恥とせざる風なきにあらざるも、皇軍は飽く迄名を惜しみ斷じて之を許さず、前上海戰の古閑少佐の自決は身を以て其の範を示せるものと云ふべし。

七 油噺大敵
八 思想戰の敵は背後に在り
九 歸還兵に告ぐ

結 言

以上を以て戰陣訓の主要なる一部に對する所見を終れり。貴重なる教訓も實行せざれば価値なし。全國の兵士諸君、願わくば本訓を實踐し、戰陣訓を粉にして作りたる人形の如しと云はるゝごとくなれ、榮達を願ふ前に純忠の兵士たれ、これ軍人の本分なり、軍神と云はれし人々は實に生れながらにして戰陣訓を實践したる人なり。