ふしぎな写真 沖縄県民大会の参加者数について

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=595698856&owner_id=12631570

産経新聞が、今度は県民大会1万8000人説を紹介しています。
ようやりますな、産経。
*http://sankei.jp.msn.com/life/education/071017/edc0710171145001-n1.htm

どこかの警備会社が数えたと書いてますね。名前を言えない、ある警備会社って……それじゃ怪文書だよ。

一人一人数えたといいますね。同じように一人一人数えた日本会議の数と、3割近く違うのはなぜ? 1万2000人しか数えられないって話もあったし。これだと5割も誤差があるんですよね~。一人一人数えたというのに、どんな数え方をすればこんなバラバラの結果がでるんだろ。

出所不明、根拠不明、信頼性限りなくゼロ。産経は何を焦っているのでしょうか。産経記者の4万人というのは推計で、根拠薄弱。警察情報の4万8000人というのは、産経記者がコッソリ教えてもらったと主張しているだけで、出所不明、根拠なし。ちゃんと責任もって発表したのは主催者だけですねえ。全会場の合計参加者数11万6000人!!

さて、しつこいけれどいつものように検算します。

広さ2万5000平方メートルの会場に1万8000人です。1.4平方メートルに1人の割合です。団地サイズのタタミが1.44平方メートルだから、ちょうどそのくらい。タタミ1枚に1人ずつ立ったような間隔ということです。すきまの方が大きいじゃん。

集会写真が、そんな感じに見えるんですかねえ? 見る人によって見え方がちがう不思議な写真。県民大会の成功がくやしくて、何とか成功を小さく思いたい心理がそのような色々なデマデータを生んでいるのでしょう。産経はもの言わぬ写真すら正視できないんだな。右派にとって、よほどショックだったんだな、ということは、よくわかります。ちょっとかわいそうになってきました。

写真はタタミ一枚に一人の割合しか集まらなかったという県民大会、スカスカの会場の様子(笑)


<追記 2007/12/18>

沖縄県民大会の参加者について、主催者発表の数字に信憑性がないと言うのは産経新聞です。色々な説を書いています。1.2万、1.8万、1.9万、4万、4.3万、4.8万……

ここにあげた数字が全部間違いかも知れません。少なくとも、相互に矛盾するのですから、「これらの数がすべて正しい」ということは、論理的にありえません。それならば産経新聞は間違った数字を検証もなしに、ただ垂れ流していることになります。言論機関としての主体性はどこにあるのでしょうか。

これらの数字の指し示すところ。その目的はひとつです。主催者発表の否定です。

互いに矛盾するのですよ。本来ならば、これらの発表者同士が相互批判すべきではないでしょうか。互いに自説の正しさを競い合ってもよいはずです。が、互いの矛盾を追及することはないし、そんな記事には、ついぞ触れたことがありません。「主催者発表を否定できればいい」「互いに矛盾していてもかまわない」こういうことでは、自説に対しても無責任なことになるのではないでしょうか。

このような言論状況には批判的にならざるを得ません。

さて数を背景に政治介入を要求する権利が、市民にはあります。違法にわたらない限り、示威行動は憲法に保障された権利です。今回の示威行動は、不正常な教科書検定を正しく復旧せよというものですから、大義名分もあります。ただし、示威行動によって教育を曲げてはならない責任というものが政府にはあって、これは示威行動の正しさとはまた別の問題です。

法の安定性を確保することを求められている政府と、法運用の改変を要求する市民、この2つの相反する力のせめぎ合いこそが、デモクラシーの神髄でしょう。権力と市民との利害対立。これを不可避のものとして制度の中に包含しているからこそ、デモクラシーは健全であり、安定しているのであり、強いのです。市民の示威行動と要求を否定する思想は、民主主義に反するものです。反していないとしても、民主主義を弱め、骨抜きにするものです。

検定撤回要求運動に反発する思想の中に、私はデモクラシーと相容れぬ匂いをかぎ取っています。

さて、ひるがえって「沖縄集団自決冤罪訴訟を支援する会」(軍命令否定派の会)は、自分たちの裁判をなんと言っているのか。

教科書検定 『集団自決に軍関与を削除』
2007年3月30日(金)
http://osjes.jugem.jp/?month=200703

平成19年3月30日は第8回口頭弁論でしたが、ちょうどこの日、教科書検定により、沖縄戦での集団自決が軍の命令によって、あるいは軍の関与によって起こったという記述が教科書から削除される事が分かりました。
大変よきことであると思います。
すばらしいことで、これでこの裁判を起こした目的の半分は達成されました。

「これでこの裁判を起こした目的の半分は達成されました」
……政治介入のための裁判であることを、はっきりと自白しているではないですか。自分たちが裁判という、いわば「裏口」から政治介入した手口は、「大変よきこと」。沖縄県民が、主権者として世論を糾合して、正面から正々堂々と検定撤回を要求した民主主義的方法は、「不当な政治介入」。価値観がまったくひっくり返っています。さすがです。侵略戦争を「アジア解放の戦いだったと」する大日本帝国の立派な亡霊です。