原因は漁業資源の逼迫か

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1641610072&owner_id=12631570

中国船 韓国警備船に体当たり
*http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1444054&media_id=2

こういう事件があると、必ず中国を見下げた意見の氾濫になります。そんなことをしても、(溜飲はさがるかも知れないけれど)事態の解決にはつながりません。

私は、原因は中国漁業の逼迫に原因があるのではないかと思います。下はちょっと古い記事ですが、ここに書かれているような中国漁業の矛盾が、いまはさらに進んでいるのではないでしょうか。

  • 第1に、乱獲による近海資源の枯渇です。
  • 第2に、日中、日韓漁業協定の発効があります。これに伴う中国の漁獲高の減少分は40 ~50万トンに上ると推定され、これに対処するため、中国政府は今、漁船の減船と漁民の転業を推進しています。
  • 第1回漁業生態環境状況広報によれば、漁業汚染事故による損失は毎年、漁獲高50万トン、30億元に上るとも。

「春の全人代で、海南省の代表から、漁業資源の豊富な南沙群島での漁獲を積極的に推進するよう意見が出されましたが、これを強行すれば、東南ア諸国との軋轢が生ずることは必至でしょう」(*注1)という分析もあります。

南沙群島を尖閣沖や韓国西海に置き換えれば、いま起きている事態が説明できそうです。

こういうことではないでしょうか。
一方には沿海部の急速な経済発展に伴う需要の増大があります。これは漁民にとってチャンスです。ところが他方には、海産資源の枯渇があります。漁民はチャンスを前にしながら、思うように魚が捕れない現状があり、焦りが生まれているか。中国漁船の大胆な行動の背景にあるのは、こういう要因のように思えます。

日記の中には中には中国共産党がやらせているのだなどという、陰謀論まがいの意見も見受けられます。国民は中共の傀儡で、政府の言うがままに暴れているのだと。
もしも中国がそういう国ならば、以下の事実が説明できません。

中国式スト、暴動のリアルな姿:日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20101101/216892/

政府役人の暴力に不満 昆明で数百人が暴動 警察車多数破壊
http://www.epochtimes.jp/jp/2010/03/html/d40542.html

デモ警戒?北京市武装警察隊が「突発事件」の大規模演習を実施
https://www.excite.co.jp/News/chn_soc/20101102/Searchina_20101102007.html

こういった暴動も政府の指示あるいは黙認でしょうか? ここにかいま見えるのは、「傀儡国民達」の姿ではありませんね。

こういった報道について、つぎのような感想をもらす人もいます。

「中国では年間に発生する暴動の数が諸国に比べても極端に多い。これは、中国社会に日頃の不満が蓄積しているからで、些細な事件で直ぐに暴動となる。暴動でも無いと権力組織の様々な弾圧で受けた不満や、不平が言えない社会なのである」(*注2)

なんでも体制のせいにすれば分析は簡単ですね(笑)

*注1:
Chinavi
第30回 中国漁業の現状2002/11
三瀦正道
http://www.chinavi.jp/koramu30.html

*注2:

「建国と今(元から考える)」
http://kabu9uma9.cocolog-nifty.com/bloghimk_kabuk/2010/04/post-e5c2.html