[慰安婦容認]「日本だけの問題ではない」という橋下のタワゴト

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橋下氏 外国特派員協会で会見
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橋下いわく、

従軍慰安婦に関し「日本だけに特有の問題であったかのように日本だけを批判し、日本以外の国々の兵士による女性の尊厳の蹂躙(じゅうりん)について口を閉ざすのはフェアな態度ではない」と指摘。「世界各国も、戦場の性の問題について、自らの問題として過去を直視してほしい」と主張した。

一見、正論のようではある。この問題にくわしくない人なら騙されてしまうかも知れない。
しかし、この発言ひとつで、彼が慰安婦問題について何も調べずに印象論を語っていることが一目瞭然だ。

慰安婦問題についてのまとまった報告書である、国連人権委員会「マクドゥーガル報告」の正式名称は、

「現代的形態の奴隷制:武力紛争下の計画的レイプ、奴隷制、奴隷に近い状況」

報告書は、日本についてのみ書かれているのではない。旧ユーゴ、ルワンダ、アルジェリア、ビルマ(ミャンマー)、グアテマラなど世界各地で起こっている武力紛争や内戦で女性への暴力が深刻になっていることへの憂慮を表明している。

そして強姦や性奴隷制など性暴力は、法律があろうがなかろうが禁止されるべきユス・コーゲンス(強行規範)の犯罪だと規定している。

さらにまた、あらゆる国家や国際機関はやろうと思えば性暴力を処罰できるのに、その義務を果たしていないと指弾している。

性暴力に対して処罰や補償をきちんとすることで、これまでの沈黙のベールを取り去り、正義と尊厳を回復して、将来の再発を防止しなければならないと、報告書は強調している。

報告書の付属文書である、

「第二次大戦中設置された「慰安所」に関する日本政府の法的責任の分析」

は、以上の立場にもとづいて書かれた。

なにも日本だけをやり玉に挙げたくて書かれたのではない。世界中のあらゆる性犯罪を告発する立場から、その最も典型的な国家犯罪として、従軍慰安婦制度が取り上げられているのだ。

だから、橋下が本当に「世界各国も、戦場の性の問題について、自らの問題として過去を直視してほしい」と考えているのならば、慰安婦制度について日本ばかり責めるなというのは、姿勢が正反対なのだ。政府に対して、「法的責任を認め、謝罪し、賠償を含む保障をきっちりすることで、世界の模範になろう」と呼び掛けなければ、一貫した態度とはいえないのだ。

橋下の説明は、説得力を持っていない。“いろいろ言うが、要するに、慰安婦問題をうやむやにしたくて各国の性犯罪を持ち出しているだけだ”と見られるのがオチだろう。